見出し画像

お買い物のUX

IT業界から生まれたこのUXという言葉からは、どうしてもアプリやウェブサイトなどの画面上のデザインにまつわる体験を想起してしまいがちです。これからはデザインとは少し離れたシーンにおけるUXを紹介します。

販売員の事例で見るUX

秀逸な体験を意識できる機会として、店舗での販売委員の体験が挙げられます。
あるアパレル店舗での体験を紹介します。
欲しかったカバンを買いに行ったところ、店舗に在庫がありませんでした。
こんなやり取りがありました。

💁 店員「ほかの店舗に在庫がないか確認しますね」
😴 私「お願いします」
💁 店員「お探しの商品、やはりすぐに欲しいですよね」
😁 私「もちろん明日からでもすぐに使いたいです!」
💁 店員「ここから最寄りですと新宿、渋谷、池袋の店舗に在庫がありました。いずれもここから電車で20分前後ですね。」
😍 私「では帰り道の池袋の店舗で受け取ります」
💁 店員「では池袋店に在庫を確保するよう連絡しますね。(電話をする)ちなみに配送ですと明日の午後にはご自宅に配送可能ですがどうされますか?」
😤 私「配送も楽ですが、受け取りに行きます」
💁 店員「分かりました。では手配を進めますね」

こちらが望んでいることを先回りして確認する、非常にスマートなやり取りです。これをフローマップにまとめると以下のようになります。

画像1

一方で、「在庫がもうないのですよ。すみません。」で終わってしまうお店も多々ありますが、このような体験と比較するとどちらが秀逸かは一目瞭然ですね。良い体験というのは、しっかり意識しないと当たり前のようにやり過ごしがちです。ですので、このように客観的に体験を振り返ることで気づくのです。UXを設計する時は、このようなあらゆる行動パターンであっても、しっかり行き届いた体験になっているかを客観的に見ることが大切です。

効率化 vs おもてなし

2019年現在、いろいろなペイサービスや無人コンビニなどが乱立しており、現段階ではUX面においてはまだまだ課題がたくさんある状態です。
無人による徹底的な効率化という視点と、おもてなしによるパーソナルな視点、両方があります。無人サービスの究極はAmazon Goによる無人コンビニでしょう。多くの無人コンビニが決済は個人がカウンターで行うのに対し、Amazon Goは商品を万引きするように手に持ったままゲートをくぐるだけで決済が完了するという仕組みです。これ以上の引き算ができない究極にシンプルな体験となっています。

画像2

一方で、あえて手間はかかるが人が介しているサービスもあります。スターバックスはその例だと思います。効率化よりもよりおもてなし要素を強めたロースタリーも展開しています。おもてなしの強みは、コーヒーと飲食の組み合わせを提案してくれたり、個人の好みに合わせたカスタマイズなどより満足度の高い体験を得られる点でしょう。

おもてなしというのは非常に難易度の高いUXです。例えば毎日立ち寄るスタバで、いつも店員とたわいもない会話を楽しむ人もいれば、そのような会話をすると「毎日来ていることを探られているのではないか」と感じる人もいます。この人の感情の差分をきちんと見分けることは至難の業ではないでしょうか。

最高の買い物体験の答えは?

効率化とおもてなしの対局を例に上げましたが、いずれも共通していることは、ユーザーは快適に買い物体験を完了した点だと思います。直感的であり、あらよるニーズに答えられる行き届いた体験を提供できるようにしましょう。最高な体験の答えは? 模索中です。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

宜しければサポートいただけると嬉しいです! 執筆活動費として大切に使わせていただきます。