見出し画像

IRONMAN・鉄人レースとトライアスロンの違いは?どんな練習しているの?

Anything is Possible.

You can do it.

こんな言葉を題材にした過酷なレースがあります。

その大会は世界各国で開催されているIRONMANレース。

こんな大会をご存じでしょうか?

✅鉄人レースってなに?
✅トライアスロンとなにが違うの?

トライアスロン・IRONMANについて解説していきます。

✅トライアスロンとは

トライアスロンとはスイム・バイク・ランの3種目を連続して行う競技です。

ラテン語でトライ=3つの、アスロン=連続した動きから名付けられています。

エンデュランススポーツと呼ばれ、メンタルが重視される競技です。

この記事を書いている私はIRONMANレースを3回完走した実績がある、現役トライアスリート&IRONMANです。

そんな私が解説します。


IRONMANとトライアスロンの違いは?

IRONMANとトライアスロンの違い、結論は距離にあります。

IRONMAN:スイム3.8km バイク180.2km ラン 42.2km
トライアスロン:スイム1.5km バイク40km ラン10km

トライアスロンに関しては、各カテゴリーで距離が変わっていきます。

トライアスロンの各カテゴリーはスプリント・ショート・ミドル・ロングで構成。

IRONMANはロングと同じような感じなのですが、IRONMAN独自のカテゴリーに選別されますよ。

スプリント:スイム750m バイク20km ラン5km
ショート:スイム1.5km バイク40km ラン10km
ミドル:スイム2km バイク90km ラン20km
ロング:スイム3km バイク155km ラン42.195km
IRONMAN:スイム3.8km バイク180.2km ラン 42.2km

大会によってローカルルールや、独自の総合距離に違いがあったりします。

オリンピック競技として行なわれるのが、ショート「オリンピックディスタンス」です。

これに対してIRONMANになると、ロングより長い距離に変わります。

トライアスロンの基準はショートにあり、IRONMANはショートの約4倍になります。

IRONMANレース「鉄人レース」ってどんな感じ?


IRONMANレースは226.2kmのコースを17時間で走り抜けるレースです。

世界一過酷な競技とも言われるIRONMANは、ハワイのオアフ島が始まりとなっています。

最初は、アメリカの軍人さんの中で「遠泳と走ること、自転車のどれが一番過酷で強いのか?」をお酒の席で話したそうです。

要するに「誰が一番なのか?」を考えた時に、「じゃあ、全部まとめてやってみよう」と、つなげて行なってみたのがトライアスロンの始まり。

その翌年に、IRONMANレースと表して開催されたのが始まりです。

IRONMANはトライアスロン経験者でも「こんなレース無理だ!!」と言われる過酷な大会と言われます。

それ故に「全ての完走者は勝者である」と言われています。

完走するだけでも困難なレースですので、そもそも出場すること自体が凄い事なんです。

IRONMANを完走するためには、上手にタイムマネジメントして練習時間も捻出する必要があります。

レースは日常では考えられない時間を動き続け・走り抜け、ゴールを目指していきます。

そのためIRONMANでは選手同士が、お互いを励ましながら走ることも珍しくはありません。

隣の選手はライバルであって、同じフィールドで戦う仲間でもあるのです。

沿道の応援やボランティアの方々も忘れてはいけません。

会場のどこからも「頑張れ!!まだ行ける!!大丈夫だ!!負けるな!!」と熱い声援が大会終了まで鳴り止むことはありません。

IRONMANはフィニッシュ時間が遅くなるほど盛り上がります。

最後のフィニッシャーを迎えるべく、IRONMAN名物の司会者が観客をあおり、盛り上げてきます。

実際にレースへ出場してわかるのですが、結構遠くからでも声援は聞こえてきます。

つまり大会全体が一体となって、選手をアツく鼓舞してくれます。

もの凄くエネルギーを感じますし、観客もボランティアも全てを巻き込んで行なうレースがIRONMANレースの醍醐味なのです。

そんな熱い声援をもらって走れるレースは、なかなかお目にかかれないことです。

選手にとってのIRONMANレースは「感謝」の一言に尽きると思います。

IRONMANは自分との戦い「今いるキツくてツラい自分に打ち勝つ」メンタルスポーツです。

それ故に「自信と深く対話するレース」とも言われています。

そのために、たくさん練習を積み上げIRONMANに挑むので「味わったことのない達成感」を得ることが出来ます。

人生において「こんなにキツい思いをしたことがない」と感じる分だけ、フィニッシュゲートをくぐったときの達成感は半端ないのだと思います。

IRONMANレースの魅力はこんな所にあります。

トライアスロンもIRONMANもどんな練習してるの?


トライアスロンもIRONMANも基本的な練習は同じです。

スイム・バイク・ランの各種の練習を見ていきます。

スイム練習

スイムでは主にプールで泳ぎます。

トライアスロン1.5km・IRONMANで3.8km泳ぎますので、長く泳ぎ続ける練習が必要になります。

シーズンインすると、海で練習することも必要です。

海では波も立ちますし、潮の流れも変わります。

普段感じない自然とチカラを上手に利用しながら、効率良く泳ぐことが求められます。

つまりスイム練習は「技術を磨きカラダを自然に慣らすこと」がポイントになります。

スイムでもう一つ重要なのが「バトル」の練習を行なう事です。

バトルとはスイム中に沢山の選手が泳いでいる中、お互いが接触することです。

IRONMANでは1600人の選手が泳ぎますので、クロールで回した腕が当たることはもちろん、蹴られることもしばしばあります。

密集した集団に巻き込まれると「カラダの上に乗られて潰される」こともあります。

この激しさから「バトル」と呼ばれています。

つまり普段泳いでいても起きることのないバトルに慣れ、対策する練習が必要になります。

泳力などでポジションとりも変わってくるのがスイムの特徴です。

バイク練習

トライアスロンでもIRONMANでも花形であるのがバイク。

そして1番距離が長く、時間がかかるのもバイクです。

トライアスロンで40km、IRONMANになると180.2kmです。

時間にしてトップ選手では、トライアスロンで1時間を切ります。

IRONMANで最長では、8時間バイクに乗り続ける事もあります。

つまりバイクの練習は基本的に「長く乗り続ける」事が焦点となります。

練習方法として違うのが、トライアスロンでは心拍数を80%くらいまで上げて、こぎ続けスタミナと技術を養うこと。

IRONMANでは心拍数の70%以下で、長時間こぎ続けるスタミナを付けることです。

一見するとあまり違いが見えないように思われますが、10%の平均心拍数を変えるだけで、トレーニング内容は大分変わっていきます。

トレーニングすれば1時間くらいは運動強度が高くても継続出来ますが、同じ事をIRONMANのように180.2kmで行なうとつぶれてしまいます。

それぞれのカテゴリーで使う「心拍数」がカギを握っています。

とはいえ、両者の練習方法は心拍数を除けば、基本的に同じです。

練習方法は、室内ではローラー台を使って「距離・時間・ペダリング」の技術向上を目指します。

外でトレーニングする際には、100kmのロングライドを行ないます。

平坦だけではなく、勾配のある峠も登り、筋力と技術向上の向上と持続力を高めます。

ラン練習

トライアスロンもIRONMANでも、ランは特殊な練習も行ないます。

そのトレーニングは「ブリックトレーニング」と言います。

ブリックトレーニングはバイク練習が終わった直後に、すぐ走り出す練習になります。

トライアスロンもIRONMANでもスイム・バイクでカラダが消耗した状態から走るものです。

つまり、足がフレッシュでは無い状態から走る事になります。

バイクの円運動で使った足を、ランの振り子の動きにスイッチを変えることは、早々出来るものではありません。

カラダのパフォーマンスも、凝り固まった足もフォローしながら走れるカラダを作り、動きになれる事が目的になります。

ブリックトレーニングは、動きを一気に切り替えるために「脳のダメージ」もあると言われますので、いつでも順応できるように練習を行なう必要があるのです。

バイクで100km走った後に10kmジョギングする、ハードな一面もあるのが特徴です。

IRONMANは食べる事も練習です

トライアスロンもIRONMANでも、長い距離を持続させるスタミナが必要です。

IRONMANに至っては「軽く5000キロカロリー以上消費する大会」と言われています。

つまり沢山食べる事が出来ないと、途中でハンガーノック(ガス欠)になってしまいます。

そのためにも例えばバイク練習なら、食べながら走ることも少なくはありません。

固形のエネルギーバーやジェルはもちろんのこと、途中におにぎりやパンなどを捕食することも必要です。

胃腸を丈夫にする必要があると言うことです。

もし食べれないと以下のようになります。

食べられない→カロリー不足になる→ハンガーノックで動けなくなる→リタイア

ハンガーノックにならないためにも、食べ続ける必要があるよって事です。

レースも序盤なら胃腸も元気で食べる事が出来ますが、後半になると心身共につかれ、内蔵の働きも悪くなります。

このような過酷な状況でも動けるように、普段のトレーニングから慣らしておく必要があるのです。

つまり、 IRONMANは「食べる事も練習」とになります。

まとめ:IRONMAN・鉄人レースとトライアスロンの違いは?


トライアスロンもIRONMANも決して楽ではないレースです。

それ故にしっかり練習して出場するだけでも「価値」がある大会です。

IRONMANに至っては「フィニッシュライン」を通過したものにしか分からない「達成感」も存在します。

その手で、その足で体感してみていかがでしょうか?お読み頂きありがとうございました。

この記事を読んだ方におすすめ

✓IRONMANレースの映画なら

グレート デイズ!-夢に挑んだ父と子がオススメです。

prime会員は見放題です。

✓IRONMAN攻略なら

IRONMANレース練習ガイド・テクニック(経験則から語ります)

初めてIRONMANレースに出場したい人向けに練習や細かいレーステクニックを掲載しています。

IRONMAN3戦3回フィニッシュした実体験からの内容となります。

✓IRONMANやトライアスロンの情報雑誌なら↓

✓日本のトライアスロンを引っ張る「白戸太朗」さんの本もおすすめです↓


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?