ゼレンスキー夫妻が「夫婦別姓」に見える理由

 ウクライナ侵攻から約1ヶ月が経ちました。皮肉なことに、私がnoteで取り上げてきたロシアやウクライナがこれ程世界中で注目されたことはありません。ゼレンスキー(ウクライナ語読み:ゼレンシキー)大統領を知らない人も、もはや存在しないでしょう。

 ゼレンスキー大統領のみならず、その夫人であるオレナ・ゼレンスカ氏もウクライナ国民を勇気づけようと奮闘しています。

 記事を見て気になった人もいるかもしれませんが、大統領が「ゼレンスキー」なのに、その妻が「ゼレンスカ」ってどういうことなのでしょう?まるで「夫妻別姓」です。

*なお、ウクライナ語読みでは「ゼレンスカ」→「ゼレンシカ」になります。

 実は、ウクライナなどのスラヴ語系言語が公用語の国や旧ソ連の構成国には、同じ姓でも男女で語尾が異なる姓が存在する国があります。同様に、男女別語尾姓が存在する国には、ロシア、ベラルーシ、チェコ、ポーランドなどがあります。同じ姓でも男女で語尾が異なる姓には、メドベージェフ大統領と女子フィギュアスケート選手メドベージェワ、ソ連のゴルバチョフ書記長と妻ライサ・ゴルバチョワといった例があります。したがって、ゼレンスキー夫妻は夫妻同姓でも姓の語尾が異なるので、「夫婦別姓」であるかのように見えるのです。

*ちなみに、ウクライナでは夫婦別姓を選択することも可能です。