イスラム教徒用のお墓を作ることは難しいのか?

 イスラム教徒達が、土葬可能な公営墓地を作るよう国に陳情しました。イスラム教では、基本的に火葬は忌避されています。

 しかし、このような流れで土葬の公営墓を認めるにあたっては問題もあるのではないでしょうか?

 まず、イスラム教徒だけでなく、他の埋葬法を持つ人々が、私達のやり方を、と主張し始めた時、やはり全ての要求に対応できるのか?という問題があります。例えばゾロアスター教徒やチベット人が、日本では死体損壊罪になり得る「鳥葬を行いたい」と言った時に対応できるのでしょうか?

 公衆衛生の問題もあります。日本は湿度が高いため、遺体が腐りやすいです。それもあり、公衆衛生的な意味で99%が火葬で、特別な許可がないと土葬できないことになっています。都市化と土地不足のため、特に都市部には土葬用の土地が少ないです。土葬へのハードルが下がることで、公衆衛生上の影響も考える必要があるのではないでしょうか?特に現在のように感染症が流行している時は、どのように対応するべきでしょうか?

 このようなことも考えなくてはなりません。

 外国人と共生するにつれて、今後このような摩擦は増えるでしょう。こちらのいい分も理解してもらえるように地道に発信しつつ、相手が望んでいる方法は現実的に難しくないのか、共に考えながら良い方法を見つけることができると良いですね。

 どうしても土葬がいい人達が、資金集めをして私立の墓地を作る話があってもいいとは思います。