京都府内の石造物⑨:湯船宝篋印塔
名称:湯船宝篋印塔
伝承など:なし
所在地:京都府相楽郡和束町湯船 熊野神社跡
宇治茶の一大産地として知られる和束町の湯船の熊野神社跡には、湯船宝篋印塔と通称される大型の石塔がある。
相輪は後補であるが、弘安十年銘があり、鎌倉時代中期の在銘塔は事例が少ないため、非常に貴重である。
にもかかわらず、京都府や和束町からは特に文化財指定を受けておらず、これほどの貴重な塔がしかるべく保存されていないのは不可思議なことである。
なお、この宝篋印塔の傍らには別の宝篋印塔の残欠(二枚目)があり、こちらの基礎には正応四年銘があるため、かつてこの場所には鎌倉時代の在銘塔がもう一基あったことがうかがえる。
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