続・時代劇レヴュー⑤:塚原卜伝(2012年)

タイトル:塚原卜伝

放送時期:2012年10月~11月(全七回)

放送局など:NHK

主演(役名):堺雅人(塚原卜伝)

原作:津本陽

脚本:山本むつみ、高山直也

NHKのBS時代劇の一作として2012年に放送された作品で、NHK総合では少し遅れて2013年の1月~3月に放送された。

戦国時代初期の伝説的剣豪である塚原卜伝の若き日の活躍を描いたもので、実在の人物も多く登場し、史実の事件も登場するが、基本的に娯楽色の濃いチャンバラテイストの時代劇である。

卜伝の事跡自体が半ば説話めいていて、史実と講談の境界が曖昧なので、これはこれで面白かったと思うし、伊勢宗瑞(北条早雲)、足利義稙、細川高国など、これまでほとんどテレビドラマで取り上げられたこのない人物が多数登場する点も、個人的には面白かった。

ただ、これは最近(2000年以降)のテレビ時代劇の傾向かも知れないが、卜伝を、果たし合いを繰り返すことで人を斬ることに悩みを見出すキャラクタに描くあたりは何となく現代的で、見ていてどうも鼻につき、その点が残念であった。

キャストは風間杜夫や中尾彬などのヴェテランも多く出演していて安心感があったが、どうも卜伝役の堺雅人がどうも剣豪っぽく見えなくて(と言うか、堺雅人の顔立ちのせいなので仕方がないのであるが、映画「壬生義士伝」の沖田総司役にせよ本作にせよ、彼が剣豪役を演じるとどうもシリアルキラーのような印象になってしまう)、従者役の平岳大の方が達人っぽく見えたのは私だけであろうか(笑)。

当時全国的な知名度を高めつつあった安田顕が、策謀家の細川高国役を演じているのも注目ポイントである。


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