東北地方の石造物③:長谷寺五輪塔

名称:長谷寺五輪塔

伝承など:なし(奥州藤原氏関係か?)

所在地:福島県いわき市常磐上湯長谷町 長谷寺


知名度こそ低いが、福島県いわき市に日本国内でも屈指の古塔の五輪塔が存在する。

長谷寺にある五輪塔がそれで、小ぶりであるが鎌倉時代前期から中期の作と推定され、水輪が球体ではなく石柱型に近いことや地輪が低く横長であることなど、初期五輪塔の特徴を備えている。

この五輪塔の最も特徴的な部分は、火輪と空風輪の接続部で、これは岩手県平泉の中尊寺願成就院にある有頸五輪塔(宝塔)と酷似する。

この長谷寺にほど近い、国宝の阿弥陀堂で知られる願成寺(白水阿弥陀堂)は(写真二枚目、三枚目)、建立者の岩城則道夫人が奥州藤原氏初代清衡の娘であり、平泉の寺院の影響が指摘されているが、おそらく長谷寺の五輪塔も平泉の石造物の影響を受けて造立されたものであろう。


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