神奈川県内の石造物⑳:満願寺五輪塔(佐原十郎義連の墓)

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名称:満願寺五輪塔

伝承など:佐原十郎義連の墓

所在地:神奈川県横須賀市岩戸 満願寺


横須賀市の満願寺は、三浦義明の末子の佐原(三浦)十郎義連の開基と伝わり、鎌倉時代の仏像四体(観音菩薩・地蔵菩薩・不動明王・毘沙門天の四体で、観音と地蔵は重要文化財指定)を有する寺院である。

義連は佐原を居城としていたために子孫は佐原氏を称し、また奥州合戦の後に会津に所領を得、現地に土着した一族は後に蘆名氏となる(そのため、福島県の喜多方市にも義連の墓と伝承される石塔があるが、これについては「東北地方の石造物⑰」参照)。

満願寺の境内には義連の墓所とされる土塀に囲われた一角があり、仏像の拝観には事前に予約が必要であるが、墓所は自由に拝観可能である(もっとも、これは十年以上前の情報であるが)。

墓所内にある五輪塔は義連の墓と伝承され、鎌倉時代末期の作であり、同じ横須賀市内にある三浦氏関係の五輪塔と同様に凝灰岩製である。

地輪が高く、ややバランスが悪いが、一対と見て問題ないだろう。

横須賀市のHPでは、バランスの悪さのゆえか地輪は後補としているが、あるいは地輪の向きが当初とは逆なのかも知れない(仮に逆だとすると、復元すれば横須賀市清雲寺にある三浦氏の五輪塔に近い形になるように思う)。

なお、義連の墓に向かって右側には、同時代と思しき五輪塔の火輪と空風輪があり、元来この場所には他にも複数石塔があった可能性がある。


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