京都府内の石造物㉞:石清水八幡宮五輪塔(航海記念塔)
名称:石清水八幡宮五輪塔
伝承など:航海記念塔
所在地:京都府八幡市八幡高坊 石清水八幡宮
「男山八幡」の名でも知られる石清水八幡宮は、平安時代に宇佐八幡宮を勧進した神社で、古くから特に武家の尊崇を受けてきた。
石清水八幡宮の本殿は山頂にあり、京阪電鉄の石清水八幡宮駅(旧称は八幡市駅)からケーブルで山頂に登ることが出来るが、一の鳥居から徒歩で登るルートもある。
一の鳥居は駅から数分の所にあるが、鳥居の西側、神応寺の総門の隣に巨大な五輪塔が建っている。
元々は石清水八幡宮の神宮寺の極楽寺(現在は廃絶)にあったもので、鎌倉時代後期の作と推定される。
総高は六メートルに及び、現存する鎌倉時代以前の五輪塔としては最大のもので、重要文化財に指定されている。
この石塔は、摂津尼崎の商人が日宋貿易で中国に渡る際に石清水八幡宮に祈願した所、無事に帰国出来たことからこの五輪塔を造立したと言う伝承があり、以降船乗り達の信仰を集めたことから「航海記念塔」とも称されているが、五輪塔は無銘で実際の造立趣旨は定かではない。
いづれにせよ、鎌倉期の五輪塔でこれだけ大型のものが完形で残っていることは貴重である。
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