イギリス旅)バース②ローマ帝国が愛した温泉の街
イングランド西部の街、バースを訪れました。バース(Bath・お風呂)の由来はローマ帝国が2世紀に温泉街を作ったことです。「浴場博物館」は、当時の様子が実際の遺跡をもとに再現され、その雰囲気に浸れる素敵な場所でした。
ローマ浴場博物館へ
バースの目玉は、「ローマン・バス(ローマ浴場博物館)」です。実はバースの電車の駅も「バース・スパ」という名前です。日本でいうと「箱根湯本」駅や「加賀温泉」駅というようなイメージでしょうか。
表題の写真はローマン・バスのメイン浴場です。前回の記事で書いたようにジョージアン時代にバースは再発見され、上流階級の別荘地としてにぎわいました。その後19世紀にはこの浴場も再開発されて、今は博物館となっています。
円柱の上の歩道につけられているのは、当時のローマ皇帝らバースにゆかりのあった像です。これらは19世紀に造られました。それでもすでに100年以上経過しているもので、歴史のうえに歴史が重なっています。
「大江戸温泉物語」的な一大アミューズメントパーク
実際に訪れてわかったのは、ここは「大江戸温泉物語」のような一大アミューズメントパークということ。神殿や祭壇など、宗教的な儀礼の施設と一体となり、また運動施設もあり、温泉だけでなくサウナやプールもあり、さながらスーパー銭湯のような一日楽しめる場所だったということです。
当時と対比できる上手い展示
ここが展示として優れているのが、遺跡の展示物が当時と同じところに置かれていて、さらにモニターで当時の様子を再現してイメージがつかめることです。
例えば下記の写真では、右側に遺跡があります。これはモニターを見ると、それは神殿の壁の一部ということがわかります。よくある博物館ではガラスケースの中に当時のものが収められているケースも多いですが、当時の雰囲気がリアルにわかります。
上記の写真の左奥に置かれているのが、下記の写真の祭壇です。出土した祭壇の一部分が全体の4分の1にあたることがわかり、さらに当時祭壇が置かれていた場所に修復して置かれています。
神殿も再現
同様に神殿も再現されています。下記の写真は神殿の前面の全景図です。
出土した神殿の部分部分をパズルのように組み合わせて、かつ当時置かれていた場所と推定されるところに、当時と同じように再現されています。部分的な出土品から全体図を想像しながら復元し、さらに当時と同じようにガラスケースもなしに展示するという哲学が素晴らしいと感じました。
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