オスマン帝国的聖地 エルサレム案内【後編】|イスタンブル便り
エルサレム旧市街には、目に見えない「意味」の網の目が、張り巡らされている。
一見迷路のようだが、古代ローマ時代のカルド(南北の軸線)と、それに交わる東西の中心街路を読み取ることができれば、構造が綺麗に透けて見える。この中心の四つ角を起点に、北東がイスラーム教徒、北西がキリスト教徒(カトリック、ギリシャ正教)、南西がアルメニア聖教徒、南東がユダヤ教徒、と、居住区が大まかに分かれている。
四つ角は、実際の街路の上では入り組みすぎて全体が見渡せない。だが、街路を覆う屋根の上に出てみ