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【ライブラリ】notes

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2020年12月の記事一覧

#政策図解シリーズ はじめました

今回はあたらしい図解にチャレンジしました。「政策図解」です。 追記: ついに「政策図解」が本になりました。これまでnoteで書いた記事を大幅加筆して生まれました。社会のしくみがみえてくる、50の政策を図解した本です。よければぜひご覧ください! はじめにこれまでまったく政策に触れることはなかったんですが、たまたま出会った経産省の方々とお話する中で「政策って面白い..!!!」と思うようになりました。だって身の回りの生活や社会にすごく密接してるし、新しく意欲的なビジネスをするに

【漫画×倫理】バガボンド×ウィトゲンシュタインで考える、天下無双とは。

〈この記事を読んで欲しい人〉 ひとつのことを考えすぎてしまう人。 答えのない問題にぶち当たっているひと。 スラムダンクの井上雅彦先生の名作『バガボンド』を題材に、倫理します。 マンガ『バガボンド』11巻での、宮本武蔵の言葉を考えます。 天下無双――― 柳生石舟斎殿のおおきさは 俺にはまだ計れませんでしたっ・・・‼︎ 天下無双とは何か。 今の俺にはまだわかりませんでしたっ‼︎ テーマ:天下無双とは何かそもそもこのマンガを知っている子どもは少ないと思う。 時に筆と炭で描か

補遺4: WIRED連載『新しい社会契約(あるいはそれに代わる何か)』第4回

雑誌『WIRED』Vol.39(2020年12月14日発売)掲載の『新しい社会契約(あるいはそれに代わる何か)』第4回「「同意する」とは、どういうことか?」の補遺です。 紙面の都合上、掲載できなかった脚注、参照文献等をここで扱わせていただきます。 注1)「情報自己決定権」は、ドイツの憲法判例で確立している、自身の情報について、誰とどのような情報を共有するかを自身が決定する権利である。 なお、日本の憲法上のプライバシー権に関する通説的見解である「自己情報コントロール権」との相

ホワイトヘッド哲学最速入門

本記事では、アルフレッド・ノース・ホワイトヘッドの哲学について入門的な説明をする。 ホワイトヘッドは19世紀後半から20世紀前半を生きた英米圏の哲学者である。彼は論理学・数学の研究から出発し、60歳を過ぎてから形而上学の研究に着手した。彼の形而上学期の主著『過程と実在』は、20世紀の哲学書のなかでも屈指の難解テキストである。数々の用語を駆使して、世界全体のあり方を高解像度で描き出そうとするこの書物は、あまりに荘厳すぎる形而上学的体系を提示し、読むものを圧倒する。 本記事で

“&”から見る書体の個性

アートディレクターの市川です。 みなさんは、“&”この記号の読み方をしっていますでしょうか? この質問を聞かれた時に私は最初知らずにandじゃないの?なんて言ってしまっていました笑。andという意味で普段あたりまえのように目にする記号なのに、その読み方を知らないなんて、あらためて記号は文字というより「図形」として認識していたのか思い知らされました。 この記号にはampersand(アンパーサンド)という読み方があります。そして、 記号名の「アンパーサンド」は、ラテン語ま

東千茅『人類堆肥化計画』のニオイを文字起こしする試み 第二章

 読了から1か月くらい経ったので、東千茅『人類堆肥化計画』の第二章について書いてみる。この章にも面白い記述がたくさんある。 結局のところ、社会的に孤立無援の状況下でも、異種たちと共にいさえすれば生きうるわけだ。反対に異種たちの数の限られた無人島に人間が複数人で漂着したところで、生きられる見込みはない。 [東千茅『人類堆肥化計画』 p.60]  この箇所などは、まったくその通りだとわたしも思う。例えば『ロビンソン・クルーソー』でも、乗っていた船が難破して一人だけ生き残り無