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【中年の危機を生き延びる⑭】「とげぬき地蔵」に参拝する

自分の人生に絶望したとしても、絶望しているのはあくまで自分自身。
 
だとすれば、「自分に自信がない」とか「自分はいつも間違ってしまう」と言っている人ほど、「自分の絶望なんかアテにならん」と思わなければ筋が通りません。
 
自分では「絶望」と思っている状況も、神とか仏から見れば「よしよし、このフリがないと人生盛り上がらんのよ。こっからおもろなるでぇ〜!」という感じかもしれません。そこでうっかり物語を終わらせてしまったら、「何やっとんねん!」とあの世で説教間違いなしです。
 
そう、人間の浅知恵などたかが知れているのです。困ったときは潔く神仏にすがりましょう。
 
それぞれお好きな神仏にすがればよいと思いますが、私がすがったのは「とげぬき地蔵」でした。
 
「とげぬき地蔵」というのは、東京都豊島区巣鴨にあるお寺「高岩寺」の通称。「おばあちゃんの原宿」として知られる巣鴨地蔵通り商店街の中ほどにあります。
 
境内に祀られている「洗い観音」(聖観世音菩薩像)には、「柄杓で水をかけて悪い部分を洗うと治る」という信仰があり、いつ行っても行列が絶えません。

私も友人と一緒に並び、観音さまに水をかけ、心臓やみぞおちのあたりを丁寧に拭きました。「どうか心が治りますように……」とつぶやきながら。
 
続いて、ご本尊である延命地蔵菩薩を参拝。秘仏になっているので直接見ることはできませんが、その分身である「御影」という御札を授かれます。
 
この「御影」がまた霊験あらたか。延命地蔵菩薩の写しが五体包まれていて、これを服用したり、身体の痛いところに貼ったり、持ち歩いたりすることでご利益があるそうです。
 
高岩寺のホームページにその由緒が掲載されていますので、ぜひこれを読んでから参拝してください。こちらでも一部転載させていただきます。

「御影」(おすがた・おみかげ)- 本尊の分身分霊の札 -
江戸時代、毛利家の女中が誤って針を飲み、もがき苦しんでいるところに居あわせた僧侶が「地蔵菩薩の霊印」を写し取った紙札「御影」を飲ませたら、針が紙札の地蔵尊を貫いて口からでてきたのが「とげぬき地蔵」のいわれです。(中略)地蔵尊影をうつし取った紙札は本尊の分身分霊であり、「御影」(おみかげ・おすがた)として、本尊の霊前で信者らに授与されています。皆様の悩みや苦しみ、病気やケガ、心願成就の妨げになっている障害物を「とげ」として抜くちからがあるとされています。

(「曹洞宗萬頂山高岩寺公式サイト」)

 いかがでしょうか。エビデンス重視の方もこれで安心です(笑)。
 
私はこの由緒を読んで「コレや……!」と確信。大谷翔平選手がホームランを打った後の「確信歩き」並みの確信歩きで「とげぬき地蔵」へと向かったのでした。
 
参拝が終わったら、ぜひおみくじも引いていってください。私はこのとき久々に大吉を引いて、不思議と「あ、もう大丈夫だ」と感じたのでした。実際そのあたりから、私のうつ症状は回復に向かっていったのです。
 
このように、私の場合は「とげぬき地蔵」だったのですが、全国にはほかにも素晴らしい神仏がたくさんおられると聞いています。ピンとくるところに参拝するのがよいと思いますが、私が個人的におすすめしたいのは、ついでに買い物や食事も楽しめるような賑やかな場所。
 
地元にひっそりと佇む社(やしろ)もいいものですが、気持ちが落ち込んでいるような時は、娯楽も一緒に楽しめる場所がいいと思います。それは必然的に「人気(にんき)」のある場所、すなわち「人気(ひとけ)」のある場所になります。そこで人の気を分けてもらうことで元気になる、ということもあるのではないでしょうか。
 
というわけで、しんどすぎて行けない場合はともかく、調子が良くなってきたらぜひ出かけてみてください。クリスチャンなら教会、ムスリムならモスクがよいかもしれません。そのへんはご自由に。
 
あと、回復したらお礼参りもしておきましょう。そうしてご縁を結んでおけば、「いざとなってもあそこに行けば大丈夫!」と思えます。そのうち自信も湧いてきて、いつの間にか「ホームランを打ってないのに確信歩き」している自分に気づくことでしょう。
 
さて、あなたにとっての「とげぬき地蔵」はどこですか?ぜひお近くで探してみてください。


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