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「痛み」とは?

この記事は「整体師のカラダとココロの話」のラジオ収録台本にもなってます。本編が気になる方は、下記のラジオをご視聴ください。
>>ラジオ「整体師のカラダとココロの話」

「この痛みだけが楽になればいいのに、、、」

「痛みこそ悩みの根源」

痛みってとにかく辛いし、なんとか改善したいと思う感覚ですよね。

ぼくもそう思っていたし、何より整体師として「患者さんの痛みを取り除くこと」が満足してもらう正しいことだと信じて疑うこともありませんでした。

実際、整体を20年近く行ってきて今思うのは、痛みは苦痛という側面以外にも、体のバランスを保つ重要な機能であるという側面があります。本記事ではここを解説します。

ちょっと「?」かもしれませんが読み進めると理解できると思います。この考えを理解することで、痛みがマイナスではなく体にとってプラスな経験であることがわかるので、現時点「?」な方もできればお読みください。


痛みは「苦痛」です…

痛みが「苦痛」これは一つの捉え方であることは間違いありません。痛みを気持ちいいという人は多分いませんよね?(よほどMな方以外)ぼくも痛みは苦痛でしかないです。

なので、本記事はこれを体に必要な感覚だからプラスに捉えなさいとかいう「プラス思考宗教」的な解説ではなく、体の基本的な仕組みのお話しであることをご理解の上で読んでみてください。

ですが、冒頭にお話ししたようにこれは痛みの一つの側面です。苦痛であること以外にも、痛みが持つ意味があり、それが「体のバランスを保持する」ための基本的仕組みです。


体にとっての痛みとは?

例えば、小さなお子さんを抱っこしすぎて手首に腱鞘炎が発生したとします。このケースは、手首や手を日常使いすぎたことによって腱鞘炎になっていると考えるのが自然です。

手首が痛いと、手首&手の筋肉で抱っこをする癖が出せなくなりますが、それでも抱っこはしなきゃなので、なんとか痛みを感じない角度を探したり、極力手を使わないように抱っこするようになると、手だけではなく体全体を使って抱っこできるようになります。

なので、産後の腱鞘炎は一人目さんにとても多く、抱っこに慣れてくる2人目さん以降は極端に少なくなりますね。これは赤ちゃん重みを手だけで受け止めずに、全身でうまく受け止めているからですね。

こういったように、痛みは苦痛という側面以外にも「体全体をバランスよく使うきっかけ」にもなっています。

どのような痛みであれ、この側面はありますが、特に慢性的な痛みはこの側面が強いかなと思います。


痛みを「利用」する

ぼく自身は、普段からランニングや野球、スキー、登山など色々なスポーツを楽しんでいます。その中で、皆さんと同じように体が痛くなることは普通にあります。整体師だからといって体が痛くならない特殊技術はありません。w

実はこの記事を書いている最中の今も、腰を痛めています。

ぼくの感覚では痛みをどうすればなくなるかな?という感覚よりも、痛みを感じないように動くにはどうすればいいかな?という感覚で痛みを捉えています。

要するに、「痛みをかばう」動作がとても大切です。

痛みをかばうと痛みを感じにくくなりますが、この時に体のどこを使ってかばっているのかをよく観察します。大抵のケースで「かばう時に使う筋肉は普段使えない筋肉」であることが多いです。


体は全ての筋肉を使えない

僕らは、全ての筋肉を上手く使っているようでそうではなく、人によって使いやすい筋肉が違います。これがいわゆる「癖」です。

なので、同じデスクワークという動作でも、肩がこる人、腰が痛い人、手首が痛くなる人と、人それぞれですよね。見た目の動作は同じでも、中身ではまるっきり違う筋肉の動きをしています。

この結果、その人が使いやすい筋肉や関節から負担がかかるのでそこに痛みが出てきます。言い換えると「使っていない筋肉」があるせいで、使いやすい筋肉にだけ負担が集中することになります。

体の痛みは、一部分に集中した負担を「痛みをかばうことで普段使っていない部分に分散する」目的があります。


実例紹介

ここまで知識的なお話しをしてきましたが、実際の事例をお話した方がイメージしやすいかもなので、いくつか紹介します。

(症例1:妊娠中の股関節痛)

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上記患者さんは、妊娠後期に右股関節が激痛になり相談に来られた方です。細い話はあまりに専門的になりすぎるので、結論だけいうと「左足の親指」がうまく動かないという状況に陥っていて、そこを動かす感覚を整体と体操行いました。

それを数回行っただけなので、痛みが出ていた右股関節にはほとんど触れていません。

前述したように痛みが出ている部位は=負担が集中して頑張っている筋肉なので、そこが直接的に悪いわけではないので、そこに何かを処置を行う必要はないと考えてました。

それでも、上記感想にあるように痛み自体は普通によくなりますね。


(症例2:中学3年生、軽度の脊椎側湾症)

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この方は中学3年生の側弯症で悩まれていた方です。当時は左右に偏った痛みもありました。この方は野球選手で、現在は高校2年生ですが、元気にプレーをしています。病院では悪化すると手術が必要とされていて、それまではコルセットをしていなさいと指導それていたようですが、野球をしているとコルセットはなかなかできません。

それでは悪化するけど、それ以外の対処方法はないと整形外科で言われ相談に来られました。幸い軽度な状態でしたので、使いにくくなっている筋肉を探し、それをケアする体操などを繰り返して、病院の定期検査でもコルセットせず、野球をしていても側弯は進行しておらず、問題なく過ごせているそうです。

このケースでも、前述したように使えない筋肉をみつけて使えるように訓練しただけで、背骨をぼきぼき鳴らして元へ戻したわけではないですね。


まとめ

本記事では「痛みの捉え方」についてお話しました。

とはいえ、「言ってることはわかるけど、痛いのはやっぱり嫌」という方も多いはずです。それはとてもわかります。ぼくも嫌なので、、、

それでも、苦痛な感覚という側面から捉え方に加えて、「痛みで体のバランスを保つ」という側面からも捉えられると、その後の治療の進め方や病院や整体院との関わり方も大きく変化すると思います。

痛みをただの苦痛な感覚として捉えると、痛みはマイナスな出来事でしかなくなりますが「痛みが体のバランスを保つ機能」だと捉えると、痛みを利用して今までよりも怪我のしにくい体になることも十分可能で、痛みはマイナスではなく、プラスの側面も出てきますよね。

どう捉えても苦痛な感覚なことには変わりないので、せっかくならその苦痛をプラスに変えてみるように考えていく方がよりお得ではないでしょうか?

具体的な部分は個人差がありすぎてあまり述べられませんでしたが、考え方のヒントにしてもらえたらと思います。

医療にかかる際にもそういう視点でかかったり、先生に質問してみるのがいいと思います。

というところで、本記事は以上になります。

最後までお読みいただきありがとうございました。


記事執筆者紹介

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整体庵大空 下大前陽介(シモオオマエ ヨウスケ)

<プロフィール:整体師歴19年>

スポーツトレーナー、トレーニングコーチ、プロ野球選手のサポート歴

スポーツ整形外科、産婦人科での施術を経て、整骨院開業。

現在は保険診療を廃止し自費診療で整体院を夫婦で営んでいます。

ファスティング歴10年以上、-25kgのダイエット経験者

定期的にファスティング講座をオンラインで開催しています。

妻(美容鍼灸師)、子供2人、猫1匹の5人家族です。


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