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そもそも「人はなぜ働くのか」を問い直す

異端の経済学者としてその名が知られている浜矩子先生。
最新刊では「労働」について見つめ直すべく、探求の旅に出ます。
果たして「21世紀の労働」とは?

※発売日はAmazonなどのWEB書店に準じます。

<2月2日発売>
『人が働くのはお金のためか』
著:浜矩子

労働という大きなテーマから浜先生がどのようにして答えを見つけていくのか興味深く思いながら、この本を読みました。

まずは「労働本」を熱心に読み込む読者たちが、どのような労働観を持っているのか、働かせる側がどんな労働論をすり込もうとしているのか、労働本のレビューや終活支援サイトから読み解いていきます。
そして、両者の認識の差についても考察。どうやら、若者たちを21世紀の資本に気に入られる21世紀の労働者に仕立てあげようとしているという発見に至ります。
実情を見つめ直すと、「働き方改革」によって、低収入のために辞めたくても辞められない、稼ぎも少ないからよりたくさん働かなければいけないという「過労地獄」の世界を目の当たりにします。

さらには古代ギリシャのポリス世界に遡り、現代にいたる労働観と労働のあり方の変遷をみていきます。そうして発見したことを経済学の生みの親であるアダム・スミスと、共産主義の生みの親であるカール・マルクスの教えに照らし合わせてみるとみえてくるものは——。

今、人はなぜ働くのかということについて、我々は新しい知恵を必要としている。これまでの時代のこれまでの知恵が、どうもしっくりこなくなっている。だからこそ、多くの人々が、自分たちの働き方に疑問を抱くようになっている。働く自分の現状に、不満や不安を感じるようになっている。

本文より

私たち、21世紀の労働者が知っておきべき事実、目をそらしてはいけない事実がふんだんに盛り込まれています。
「なぜ働くのか」今一度考えさせられる一冊です。