沈黙
「沈黙」
村上春樹さんの短篇小説。一般的には「レキシントンの幽霊」に収められているけれど、僕はこんなのも持っている(笑)
発行所は「公益社団法人 全国学校図書館協議会」で「集団読書テキスト・第Ⅱ期」とある。定価は184円(税別)。そして「中学・高校向」とある。(サイトを見ると高2・高3向けとある)
「沈黙」は大好きで、もう5回ぐらい読んだと思うけれど、村上春樹小説の中ではまちがいなく「異色」だと思う。「我々はどのように生きるべきか」みたいなにおいもする。でも、全然おしつけがましくはないです。
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「僕」は「大沢さん」とフライトを待ちながら話している。大沢さんは物静かでそれこそ押しつけがましくなく、温和な方なのだが、中学の頃からボクシングをやっている。大人になった今でも定期的にジムに通っているという。
「大沢さんは今までに誰かを殴ったことがありますか?」から物語ははじまる。
答えは、イエス。中学校のときに一度だけ。
大沢さんはクレヴァーな相手から予期せぬ復讐を受けることに…。
そしてそこから得られた信条とは。
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集団読書テキストとして中高生に推奨された初版が1993年で、僕が持っているのは2012年の14刷。
「沈黙」
それは僕自身も好きな言葉。ぐっと黙ってそこを切り抜けられるか。
あるいはその反動として、対する欲動として、静かに本を読むことが好きになったのかもしれない。
こういう作品を書いてくれる村上春樹さんが好きだし、この作品に触れられた中高生も幸せなのではないかと思う。
【書影は https://www.j-sla.or.jp より拝借いたしました】
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