見出し画像

鯛はただ筋骨強くなしにけり心腎弱き人によきもの - 養生やまと歌 008

鯛も虚弱な方に特におすすめの補益食材になります。五蔵を補い、気血を益す作用があったりと、本草学的には魚類の中でトップクラスの効能です。

江戸時代の本草書『本朝食鑑』には、乳房がしなびて垂れ下がってしまった授乳婦が見事復活した、以下のようなエピソードも記載されていました。

ある授乳婦は、体が虚弱で食が細く、母乳が出ず、乳房がしなびて垂れ下がってしまっている状態だったが、味噌と酒粕で鯛の肉を煮て食べると、3、4日して乳房が張り、湧き出るように乳汁が出るようになった。

(又一乳婦有り。体怯にして食少なく、乳汁通ぜざりて双房衰垂す。遂に未醤、酒粕と同じく鯛肉を煮て食らう。三四日を経て双房張起り、乳汁湧くが如し。)

『本朝食鑑』巻八、鱗部(国立国会図書館所蔵本、書き下し、意訳は筆者による)


*******

養生やまと歌とは
和歌形式の養生書、食物本草書、経穴書から、養生のキホンが学べる100首を厳選し、イラストを付けてご紹介していきます。

Twitter と Instagram でも更新中!
 https://twitter.com/seishindo89
 https://www.instagram.com/seishindo89/

養生やまと歌凡例
凡例や参考文献は第一首目の下部に掲載されておりますので、以下のリンク先からご覧ください。
 https://note.com/seishindo89/n/nf1741632a949

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?