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養生やまと歌 - 江戸の養生書を読む 03

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和歌形式の養生書、食物本草書、経穴書から、養生のキホンが学べる100首を厳選し、イラストを付けてご紹介していきます。
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#薬膳

白柿虚労不足を補いて又脾胃の気をすくやかにする - 養生やまと歌098

干し柿は生柿より冷やす性質が弱まり、平性や温性とされることもあります。 生柿のように心肺の熱を去り、喉の症状によい以外に、干し柿は脾胃を健やかにもするので、お腹の冷えの気になる方には干し柿がオススメです。 一気食いはせず、よくかんで唾液が喉をゆっくり通過するように食べましょう。 ***** 養生やまと歌とは 和歌形式の養生書、食物本草書、経穴書から、養生のキホンが学べる100首を厳選し、イラストを付けてご紹介していきます。 Twitter と Instagram で

柿あまく冷え物なれど毒はなし 耳鼻の気を通じこそすれ - 養生やまと歌097

柿は梨と同様に寒性の果物で、のぼせ感などをともなう、熱タイプの耳や鼻の症状によく、心肺を潤すとも考えられています。これからの時期ですと、のどの乾燥にもよいですね。⠀ ⠀ ***** 養生やまと歌とは 和歌形式の養生書、食物本草書、経穴書から、養生のキホンが学べる100首を厳選し、イラストを付けてご紹介していきます。 Twitter と Instagram でも更新中!  https://twitter.com/seishindo89  https://www.insta

はまちをばあぶりて常に食すべし虚労にもよし少し用ゆる - 養生やまと歌095

ハマチはお刺身が美味しいですが、歌にあるように、生食ではなく、炙って油を落として食べる方がよいと考えられています。 歌に「少し用ゆる」と詠まれているように、補益の性質が強いものほど、食べ過ぎには注意を。特に生食の多食は控え、少量を美味しく味わいましょう。 ***** 養生やまと歌とは 和歌形式の養生書、食物本草書、経穴書から、養生のキホンが学べる100首を厳選し、イラストを付けてご紹介していきます。 Twitter と Instagram でも更新中!  https:

梨こそは熱のすわぶきとむるなり 耳の鳴るをも治するなりけり - 養生やまと歌092

歌にあるように、梨は冷やし潤す性質があるので、熱性の咳の時に、よく噛んで汁がゆっくり喉を通過させるように食べると、のどの渇きや熱が軽減していきます。⠀ ⠀ 耳鳴りの場合も、のぼせ感や熱感のあるものが適応で、これは梨の持つ「降火」という作用によるものです。⠀ ***** 養生やまと歌とは 和歌形式の養生書、食物本草書、経穴書から、養生のキホンが学べる100首を厳選し、イラストを付けてご紹介していきます。 Twitter と Instagram でも更新中!  https:

藕根は味わい甘く寒にして熱渇をやめ瘀血消ずる - 養生やまと歌090

レンコンは瘀血体質の方にオススメで、以下のようなエピソードが本草書に引用されています。 「宮中の食事を担当する役人が、血の煮こごりを作らせた際、料理人が誤ってレンコンの皮を血の中に落としてしまうと、血が固まらなかった。」 ***** 養生やまと歌とは 和歌形式の養生書、食物本草書、経穴書から、養生のキホンが学べる100首を厳選し、イラストを付けてご紹介していきます。 Twitter と Instagram でも更新中!  https://twitter.com/sei

章魚はよく筋骨をまし気を助け痔漏脱肛瘀血逐うなり - 養生やまと歌088

タコは江戸時代の『本朝食鑑』には、以下のような効能が記載されています。 ・血を養う ・気を益す ・筋を強くす ・骨を壮んにす ・足少陰経の血分に入る ・痔漏 ・産後の瘀血を逐う 生食よりも煮て食べる方がよいとされ、柔らかく煮る方法として、お茶で茹でるなどとも記載されていました。 ***** 養生やまと歌とは 和歌形式の養生書、食物本草書、経穴書から、養生のキホンが学べる100首を厳選し、イラストを付けてご紹介していきます。 Twitter と Instagram で

蜆貝湿気を下し乳をたらし暴熱を去り小便を利す - 養生やまと歌086

よく二日酔いにはシジミ汁がよいと聞きますが、本草学的にもシジミは「酒毒」を解毒するとされ、さらに味噌にも同様の作用があります。 サプリメントなども出ていますが、過剰摂取でかえって健康を害することがあるので気をつけましょう。 味噌汁で適量を美味しく飲むのがいちばんオススメです。 ***** 養生やまと歌とは 和歌形式の養生書、食物本草書、経穴書から、養生のキホンが学べる100首を厳選し、イラストを付けてご紹介していきます。 Twitter と Instagram でも

栗の能腎補うて気をぞ益し 腸胃腰脚骨を強うす- 養生やまと歌084

本草学的に腎を補い、腸胃を厚くすると古来から言われ、秋オススメの食材になります。ただ、食べ過ぎると逆に腸胃を損ない、呑酸という逆流性食道炎のような状態になってしまうされますので、ほどほどを忘れずに。 ***** 養生やまと歌とは 和歌形式の養生書、食物本草書、経穴書から、養生のキホンが学べる100首を厳選し、イラストを付けてご紹介していきます。 Twitter と Instagram でも更新中!  https://twitter.com/seishindo89  ht

かき貝は脾胃を調え丹毒をよく去り皮膚を細やかにする - 養生やまと歌083

  スーパーなどで多く出回るのはもう少し先ですが、今回は牡蠣の歌。以下は本草学的にみた牡蠣の五大効果です。 ・疲労回復 ・胃腸を調える ・酔い覚まし ・美肌 ・婦人病 ***** 養生やまと歌とは 和歌形式の養生書、食物本草書、経穴書から、養生のキホンが学べる100首を厳選し、イラストを付けてご紹介していきます。 Twitter と Instagram でも更新中!  https://twitter.com/seishindo89  https://www.inst

薯蕷甘く温なり又は平 腎を補い気力益すなり - 養生やまと歌 077

夏の疲れをとるために食べたい、今の時期にオススメの食材です。五蔵を癒やし、身を軽くするともされています。 また、腸や膀胱と関係する「下焦(げしょう)」の冷えをとるので、頻尿の方にも向いています。 ヤマイモは通年どこでも入手することができて、手軽なのもいいですね。 ******* 養生やまと歌とは 和歌形式の養生書、食物本草書、経穴書から、養生のキホンが学べる100首を厳選し、イラストを付けてご紹介していきます。 Twitter と Instagram でも更新中!

数の子は甘く温也毒はなし陽をたすけて陰を補ふ - 養生やまと歌 074

正月にしか食べないので、全く注目していなかったのですが、補益作用の優れた食材です。 ただし、本草学的には温性が強いため、食べ過ぎると体に熱をもち、喉の乾き、のぼせや胸部の不快感などが出るようです。 冬に冷たいまま生食しても問題ないのは、温性が強いためだという説も、江戸時代の『本朝食鑑』に記載されていました。 ⠀ ******* 養生やまと歌とは 和歌形式の養生書、食物本草書、経穴書から、養生のキホンが学べる100首を厳選し、イラストを付けてご紹介していきます。 T

黒豆は水腫にもよし食を消す胸のいきるや胃熱去るもの - 養生やまと歌 069

黒豆は瘀血や体内の冷えを散らしたり、腎を補うともされており、以下のような歌もあります。 黒豆を塩にて煮しめ常に食え腎を補う薬なりけり(『和歌食物本草』) くろまめは五蔵のふそく補益して瘀血を下し内寒を去る(『宜禁本草集要歌』) 塩で煮染める場合は、腎臓に逆に負担がかかってしまわないように、塩分はできるだけ控えるようにしましょう。 ******* 養生やまと歌とは 和歌形式の養生書、食物本草書、経穴書から、養生のキホンが学べる100首を厳選し、イラストを付けてご紹介し

野鴨は冷甘く毒なし気を下し尿を通じ水気能く利す - 養生やまと歌 067

鴨は体の虚弱な方に向いた食材で、本草書には「補中益気」の効や、胃を調えて消化を助ける作用が記載されています。時々無性に食べたくなりますね。⠀ ******* 養生やまと歌とは 和歌形式の養生書、食物本草書、経穴書から、養生のキホンが学べる100首を厳選し、イラストを付けてご紹介していきます。 Twitter と Instagram でも更新中!  https://twitter.com/seishindo89  https://www.instagram.com/sei

せり常に血の道を治し身を肥し二便通じて気をも散する - 養生やまと歌 065

こんな真夏にご紹介すべき野菜ではないですが、補血益気の効があり、月経を調えると考えられています。男女関係なくおすすめの食材なので、冬に入ったらぜひ食卓に並べてみてください。 ******* 養生やまと歌とは 和歌形式の養生書、食物本草書、経穴書から、養生のキホンが学べる100首を厳選し、イラストを付けてご紹介していきます。 Twitter と Instagram でも更新中!  https://twitter.com/seishindo89  https://www.i