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「膝蓋骨下極骨折」#書く習慣90

日々の診療お疲れ様です。TROT(トロット)です。
ついに大台の #書く習慣100 まで残すところ10 となりました。


あの3日坊主の私がここまで続いただけで褒めてください。


……

………


あ、ありがとうございます。笑

それでは、本日は先日来院された膝蓋骨下極骨折についてまとめていきたいと思います。



今回参考にさせてもらった文献、資料はこちら

□骨折・脱臼


□ カラー写真でみる!骨折・脱臼・捻挫


□ 骨折の機能解剖学的運動療法


□ 膝蓋骨遠位骨折2症例に対する理学療法と治療成績



膝蓋骨の役割とは?

人体最大の種子骨である膝蓋骨の役割は以下の通り。

 ①レバーアームの延長による大腿四頭筋の効率化

 ②膝関節の動的安定性

 ③回転効率の向上

 ④膝関節内組織の保護作用


直達?介達?

・受傷機序により骨折の特徴が分かれる

直達外力(膝の打撲)

・粉砕骨折(星状型)になることが多い

・膝蓋支帯の損傷は少なく、転位も少ないことが多い

介達外力(急激に膝が屈曲された時の大腿四頭筋の張力)

・横骨折になることが多い

・膝蓋支帯の損傷を伴うことが多く、上下に転位することが多い


Carpenterの分類

・この分類が理解しやすいとされている


画像所見

・膝関節の伸展機構が破綻しているかどうかにより治療法を選択する

・伸展機構の有無は転位の有無でわかれる

・膝蓋支帯の断裂を伴うとされる以下の項目では手術療法が選択されることが多い

 ① 3mm以上の骨片間離開(gap)

 ② 2mm以上の関節面転位(step off)


整復と固定

・関節内骨折のため、関節面の解剖学的な整復が重要



転位がない場合や、縦骨折で転位が少ない場合はギプスによる保存療法にて対応

・保存療法は血腫の除去後に膝関節を伸展位にて固定する

・膝蓋骨を骨折しても荷重機構には問題がないので伸展位固定であれば荷重は可能

・膝蓋支帯を十分に寄せることで膝伸展力の回復に重要

3〜4週固定を行い可動域練習を開始することが多い



・転位が大きい場合や粉砕骨折(星状型)は手術療法の適応となる

・手術の場合はtension band wiringやcircular  wiring(ひまわり法)にて強固に固定し早期リハを行うことが多い

固定中のリハビリ

・膝蓋骨上方支持組織の柔軟性維持を主体にリハビリを行う

(★上方支持組織:膝蓋上嚢、pre femoral fat pad、中間広筋)


・基本的には以下のことを行う

 ① 浮腫管理

 ② 足関節の自動運動

 ③ 股関節の筋収縮練習

 ④ 膝蓋骨周囲の筋や膝蓋上嚢とpre femoral fat padに対する持ち上げ操作


固定除去後のリハビリ

・可動域の測定に関しては骨癒合が脆弱な場合もあるため、自動運動または自動介助運動にて測定する

・大腿四頭筋の評価もMMTで3レベルの有無を評価し、Ext  lagの有無を評価する程度にする

・骨癒合が安定していない早期では、終末伸展域での大腿四頭筋の収縮は骨片離開の可能性もあるため注意する

・可動域練習を行う場合は屈曲とともに骨折部が離開しないように膝蓋骨を遠位へ押し下げながら自動介助にて行う

・膝折れなどの不安感が生じる場合は、筋力の回復が得られるまでニーブレースを使用した方が良い


本日はこの辺で。

今日は妻とお酒を飲みます。つまみは肉じゃが〜 :)