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「奴隷ラムシル」連載化構想 その8 本編に出てこない未来

 その7で循環を加える事をお話ししました。それを念頭に書いていましたが、結局その追加部分を本編に出て来ないその先の未来を思わせるものとしてみました。

 主人公ラムシルは追い詰められて現状社会から逃亡する事にします。この逃亡はそれをそそのかす者がいて行われるものです。その逃亡旅行の途中でベルナールという初老の男に声をかけられます。ベルナールはずっと以前のある事件に巻き込まれており、それを救ったシーラという女性に会う為にある計画を立てています。結果としてはシーラに再会する事ができます。めでたしめでたしというところ。

 さて、この奴隷ラムシルの本編では前述のシーラと似た名前のシラという女性が登場し、ラムシルを救います。ですが、本編は救われたところで終了してしまうのです。その後に事は何も書かれていません。ですから、ベルナールのケースと同じようにめでたしであると良いように考えますが、本編はその部分を扱いません。これには二つの理由があります。一つ目は、SF的カラクリによってその部分を曖昧にしておきたいという事。二つ目は、残り香に留めておきたい為です。物語だからと言って全て明瞭会計で済ましてしまうとそれはそれで幼稚でつまらないものになってしまいます。

 ですが、今回追加する部分は完全性は無いとは言え、紆余曲折の後に再会に成功しています。もしかすると、名前を主人公に変えてお話を微調整する事で、末尾に持っていって繋げれば・・・と感じてもらえると良いなと考えています。ですが、実際にはそうはせず、曖昧に似たお話があり、それが繰り返されているように読めればそれで良いと考えています。

 では、なぜそんなに面倒臭い事をするの?、と疑問に感じられるかと思いますが、この追加部分以外にも後の本編の展開を予想させる登場人物とエピソードを前半部分にいくつか盛り込みました。つまり故意にネタバレさせています。これは連載版の構想を始めてからずっと考えている事で、ネタバレしてもさらにまだ新鮮に読める物語を目指すつもりだからです。推理小説ではないので、謎解きをずっと続けてもらうような疲れる読み方でなく、ドラマになっている方が良いと考えるのです。

 と、偉そうに言っても、成功するかしないかはわかりません。今日までに上記追加部分の初稿を書き終わりました。そして既存の第二章に繋げる事にも、まあ、成功したのではないかなと感じています。今のところ、そんな感じです。

 ではまた、追って報告いたします。

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