【小説】黒く塗れ(9/13)
あれからどれだけ経っただろう?よくは覚えていないけれど、どんな事にも始まりがあれば終わりは来るもので、僕の中にも終わりがやってきて、その終わりはこの街の終わりでもありこの世界全体の終わりでもあるのだった。いつしか街に満たされたミルクは消えた。ミルクの消えた街はとても静かで平和だった。平和になったからか、彼女はもう「大丈夫」とは口にしなくなっていた。それが良い事なのか悪い事なのか、僕にはわからなかったけれど。
「ねえ、101862、今日は何があったの?」
僕は彼女の「何かあったの?」が好きじゃない。なぜなら、今の僕には答えが無いからだ。でも、僕は何か答えを探す。答えのための答えを探す。
「ねえ、101862、今日は何があったの?」
「ねえ、101862、今日は何があったの?」
「ねえ、101862、今日は何があったの?」
「ねえ、101862、今日は何があったの?」
「ねえ、101862、今日は何があったの?」
「ねえ、101862、今日は何があったの?」
「ねえ、101862、今日は何があったの?」
「ねえ、101862、これからどうするの?」
僕には答えが無かった。
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