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【小説】黒く塗れ (0/13)

イントロダクション

 このお話は ローリングストーンズ の楽曲 Paint It Black からヒントを貰って書いたものです。

 歌詞は多少難解ですが、大切な人が死んでしまった悲しい気持ちを表現していると言えば理解し易いでしょう。楽曲の中では大切な人が亡くなってしまった理由は述べていません。

ストーリー

  会社で101862はイジメに遭っています。イジメの原因は仕事が遅いからです。101862は少しでも皆に追い付こうと仕事のやり方を同僚に教えてもらいますが、それがかえって、さらなるイジメの原因になってしまいます。そしてとうとう仕事を辞めます。

 仕事を辞めて街を歩いていますと不思議な者に出会います。その出会いによって自分が信じていた事が間違いだったと気付きます。そして101862は、やっと自分自身の事を始める事ができますが、その事がまた別の悲劇の始まりになるのでした。

主人公について

 主人公に関しての情報はストーリーの中で全く提供していません。人間なのか、それとも別の生物であるのかもわかりません。それは謎です。ただ、名前のみわかります。名前は「101862」です。


 この曲をYouTubeで聴くのにお勧めはViolet Orlandiさんのカバーです。この方はメタル系のカバーで良いものが多いので他の曲もぜひ聞いてみてください。(参考まで)


お読みになる時のヒント

 人生の悲しさはどこから来るものでしょうか?人生の悲しさは他人から理解されない事、他人との関係が上手く行かない事、大切な何か (人など) を喪失してしまった事、欲しいものが手に入らない事、目標にたどり着けない事などいろいろあります。それらの多くは外向けに引っ張られるような悲しみです。けれども、あまり意識できませんが、後ろから押してくる悲しみもあるのではないでしょうか。

 このお話の主人公は最初、自らの悲劇を引っ張る方の力だと考えていました。自らの目的とするところに到達できないからです。そして、ずっと最後までそう考えていましたが、最後のところでそれが反転します。本当の理由をやっと理解するのです。それまで自分を守る力だと感じていたものが実は本当の悲劇の原因だったとわかります


それではお楽しみください。


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