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危機の時代にどのように生きて死んでいくか

アメリカの仏教哲学者で社会活動家のジョアンナ・メイシーの最新の対話(と言っても半年前に録画されたもの)を聴いた。


さらに悪化する気候危機や人類のモラルを目の当たりにして、彼女の中でも「希望」の意味が変わってきているみたい。


対話のハイライトとなっていたようなメッセージの一部分をかなりざっくり意訳・要約すると「(気候と文明の崩壊が止まることなく進んでいって、私たちが最後の世代になっていくかもしれない中での)希望は、時と空間を超えたつながりの中に自己を広げ、最後の一息までコンパッションを持って(生きて)賢く死んでいくこと。この美しい地球と命とこの時代に生きていることに感謝してそれを仲間たちと祝しながら。」みたいな感じだった。そこに悲壮感はなく、満ち足りているとも言えるような雰囲気で。


で、タイタニックがいよいよ沈んでいくときのこのシーンを思い出した。文明自体が永遠の成長の幻想から醒め始めて、色んな危機によって死の存在がより近くに感じられるようになってきている時代にどうやって生きるのか、どうやって死んでいくのか。

映画タイタニックより



つながりの中で感謝とコンパッションと共によく生きてよく死んでいくことが、より美しい世界を未来に迎えるという奇跡の必要条件であるだろうし、タイタニック的なよりカオスの中で崩壊する世界が未来に待っているのであれば、それはそれで本当に大変だけれどパニックに陥らずに何とか心を失わずにつながりの中で最後の瞬間までよく生きてよく死んでいけたらと思う。


人類全体ではどんなシナリオの未来が待ち受けていようとも、最後の瞬間まで自分の持ち場で自分が共鳴する「つながりに満ちたより美しい世界へのビジョン」を志向する生き方と死に方を変える必要はないんだよということをジョアンナとインタビュアーの方から伝えてもらったような気がしてスッキリしたよね。

“To Collapse Well” with Joanna Macy
https://www.youtube.com/watch?v=4h1wdh3yEc4

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