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夢を解析する話

 気付くと車を運転していて、助手席には妻が、後部座席には子どもたちが乗っています。他愛のない会話をしながら一般道を走行していると、前方に検問があります。指示に従い停車すると、次の瞬間に後方より大型トラックに追突されて、衝撃と共にエンジンが停止します。走り去るトラックを気にも止めず不気味な笑みを浮かべる警官。事故を訴えますが、まるで取り合ってもらえません。妻子を安全な場所に避難させてから、再び事の顛末を申し出たものの、そんな事実は無かったと否定されて、私は途方に暮れながら、帰路を歩き始めます。これだから彼らは信用ならないのだ、自分で解決するしかないのだと肩を落とし、しかし一方で車の破損はあれども家族全員無傷であったことに私は安堵しました。



 妙にリアルな感覚のある夢でした。

 無意識の顕在化とも云われる夢から得られる情報は、想像以上に有益なことがあります。

 それに囚われ過ぎるのは問題ですが、ほどよい距離感を保つ限り、夢は宿主を護る存在です。

 一般的にいわれる夢占いには有象無象がありますが、フロイトとユングを基礎とする精神分析学領域ではある程度系統的に夢を解釈することができます。また、特にユング派から発展して集合的無意識を肯定する立場から考える場合、夢が単なる脳内の情報処理ではないという事実に直面するでしょう。

 先程の内容は警告夢です。

 大きな危機は回避できるものの、相応の痛手を負うことになるのかもしれません。注意すべきポイントは一貫して役に立たないどころか事故の原因ともいえる検問と警官の存在です。これは抑止的なシステムや妨害する存在の化身であろうと解釈します。

 疲労の蓄積も影響しているでしょうか。そう考えると、僅かな車の破損に終わった事故は過熱するエンジンを停止するための警告と考えることもできます。それは煩わしいながらも、問題の根本は別なところにあって、さぁ立ち止まって己を振り返るべしというメッセージかもしれません。

 そもそも僅かな破損でエンジンが停止するとは、乗っていた車が事故以前に問題を抱えていた可能性は大いにあるでしょう。夢における車は人生の象徴ですから、今は焦るときではないのだと、車両点検を促す夢なのだろうと私は結論付けました。


 タロット占いの結果に「良い」も「悪い」も存在しないように、夢に「吉夢」も「凶夢」もないと私は考えます。明暗はあれども吉凶ではない。そんな夢の世界を、今日も楽しみに迎えましょう。




 拙文に最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました。願わくは、夢の世界の住人が、穏やかな時間を過ごせますように。



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