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SFA/CRMの導入 #6 利用メンバーへの展開

こんにちは。株式会社マツリカでカスタマーサクセスをやっている森岡です。気づけば、このマガジンも「#6」まできました。
ようやく社内に展開し、本格的な運用をスタートしていくタイミングです。
設計が完了したから「使ってねー」だけで利用がスムーズに進むケースは稀です。この段階でやるべきことなどをお伝えしていきます。

部長や役員に導入目的を語ってもらう

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これまでSFA/CRMの検討を進めてきたのは、皆さんと部長や役員の方々が中心だったと思います。つまり、実際に利用する方達は、詳細を知らされていない中で導入が決定していたということです。(もちろん異なるケースもあると思いますが)

このような状況下では、利用があまり促進されないケースがよくあります。
それはなぜか?
SFA/CRMは「無くても、今まで通りの業務は回せる」という状況になるからです。つまり、使わなくても業務上は問題ないのです。
ズル賢い(と言っては言葉が悪いですが)方ほど、それを分かった上で、今まで通りの運用で回そうとします。その方が、慣れているし面倒が少ないと分かっているからです。
このような考え方を最短で脱する必要があります。じゃないと、使われないツールのレッテルが貼られ、解約になってしまうからです。

そこで重要になるのが、部長や役員クラスの方々から、今回のSFA/CRM導入目的を熱く語ってもらうことです。そもそも、なぜSFA/CRMを導入することになったのか、会社としての課題感や将来的にありたい姿などを共有し、課題解決や将来像の実現に不可欠なツールであることをしっかりと伝えてもらいます。またSFA/CRMは、利用メンバーに活用してもらわないと導入価値がないことも伝えた方が良いでしょう。
「会社として、営業組織として変わろうとしており、そのためにSFA/CRMを導入した。みんなの協力がなければ、変革は達成できない。」といったことをトップから語ってもらうことで、本気度が伝わりやすいです。

ここでも私の失敗談を少しご紹介します。
私がSFA/CRMを推進役として導入した当時、この辺りをあまり理解していなかったので、導入目的などは私が熱く語り、上司は「とりあえず入れてみた」というスタンスでした。
これにより、SFA/CRMを活用する人・しない人が大きく二分してしまいました。素直な方々は、今までのやり方をやめて、SFA/CRMへの入力をスムーズに開始してくれました。一方、今までのやり方に固執する方もいて、全社的な活用に時間がかかったという苦い経験があります。
極論を述べると、SFA/CRMに限らず多くのツールは「導入してみないと効果が分からない」と私も思います。なので「とりあえず導入してみよう」という考えは、当たり前なのかもしれません。
しかし、それでは利用が進まないのも当然の結果です。
ぜひ、みなさんは、上司や役員の方に熱く導入目的を語ってもらい、利用メンバーへの腹落ちを進めていただければと思います。

利用説明や運用ルールの説明は必ずやる

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部長や役員など上層部の方に導入目的を語ってもらったら、ようやくみなさんの出番です。
採用を決めたSFA/CRMツールの利用方法や自社独自の運用ルールなどを説明していきましょう。
ツールの基本的な使い方は、各ツールベンダーがマニュアルを準備しているケースが多いと思いますので、それをベースにカスタマイズすれば、割と簡単にマニュアルが作成できます。

一方で、運用のルールは準備するのが結構大変かもしれません。
例えば、営業プロセス(Sensesではフェーズ)の運用ルールを考えてみましょう。まず最初にSFA/CRMに登録すべき案件レベルはどの程度のものからでしょうか?
クライアントの担当者情報を獲得した時点で、営業プロセスの最初(例:リード)としてSFA/CRMに案件登録する方法もあります。
または、具体的にクライアントとのアポイントが確定したタイミングで案件登録するといった考え方も可能です。
それ以外にも、以下のようなルール決めが必要な項目があると思います。
・各営業プロセスの分割
・各営業プロセスの移行基準
・契約確度の定義(何が握れればA?B?C?)
・契約金額を入力するタイミングや金額の精度
・各営業プロセスで入手しておきたい情報群 、、、etc

この辺りのルールは、100社100通りの考え方ができると思っています。Google検索で出てくるテンプレートや他社の事例なども参考にはなりますが、最終的には自社の利用メンバーにとって分かりやすいルールを設計することをお勧めします。
そして、利用メンバーが使い慣れてきたタイミングで少しずつ改善していくと良いのではないでしょうか?
最初からガチガチにルール決めしても、ルール通りに使われなければ意味がないので、最初は多少ゆるい状態でも良いと個人的には考えています。
なお、運用ルールの説明を口頭でする場を設けた方が良いですが、きちんとテキスト情報としても残しておきましょう。
理由は簡単で、新人や中途で途中から使い始める方にもルールを徹底してもらう必要があるので、テキスト情報としても残しておくと便利です。
また、途中で運用ルールの変更があった場合、テキスト情報の更新も忘れないようにしてください。
私は、途中から更新できてなくて、まとめて過去を遡りながら書き直すのに大変手間がかかりました。

最後に

今回は、SFA/CRM導入にあたっての利用メンバーへの周知について書いてきました。ここからようやく運用がスタートしていくわけですが、ここがゴールではなく、ここからがスタートだということを忘れないでください。

SFA/CRMを運用定着・利活用するためには、最初の3ヶ月〜半年が非常に重要です。この時期に使われなくなると、1年後の解約まで一直線です。
導入を推進してきた皆さんは、こんな悲しいことにはなりたくないと思いますので、次回からはSFA/CRMを定着・利活用して行くための方法を書いていきたいと思います。
ぜひ、次回以降も楽しみにしていてください。
ここまでお読みいただきありがとうございました。


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