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桃源郷 《詩》

「桃源郷」

僕等には詳細な地図も無く 

これと言った知恵も無く

ただ漠然と実体の無い
未来を見る様に空を見上げていた

消えた街と隠し込んだ罪の数

運命と此処にある流儀と
其れに伴う犠牲と 

孤独を誤魔化す為の嘘

墓掘りの老婆 盲目の野良犬 

見えない鎖


目が眩む様な教えの光 

外方を向いて跳ね除けたあの日

目の前にある恐怖と自己懐疑 

アルコールの過剰摂取 薬物依存 

逃避の手段に過ぎない事はわかっている 

無意味で不適切な行為だと


淡い悲しみと憂いを含む其の瞳

架空の桃源郷 

正常な意識は破壊されて
何も見えなくなっていた

錯乱による事故 

あるいは意図的な自殺未遂

暴力的で自己破壊に満ちた風

独りで駆け抜けた空だけが此処ある

認証の儀式 世界との軋轢

僕等は共時的な血と肉を持ち

孤絶した光が理不尽に
凌駕してる様が映し出された街

貴方には見えますか そして

命を普遍的な美に

変換する術を探し求めていた


消えた星 息絶えてもまだ 

貴方の瞳は空を見つめ

そして僕もまた貴方を探す様に

空を見上げている

天国的な桃源郷 夢の中

僕等は其処で再び巡り合う

そして 夜明けには森に行き

風の詩を聴く 貴方と共に

決して独りじゃない 
独りにはしない

僕は強くなるから 

上手く笑って見せるから 笑ってよ

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