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anarchism - 時の無い場所 - 《小説》

「anarchism」 - 時の無い場所 -

僕は夢を見ていた 

いや 夢じゃない

夢を見る様に
あの日の事を思い出していた

僕と玲子さんはベッドに座っていた

彼女の部屋 

フローリングにはブラウンの
小さ目のカーペット 

ハンガーには黒い服が
沢山かけられている 

Y’s  .  agnes b.   COMME CA


玲子さんは 

この世界に秩序なんて無い

混沌 anarchismに包まれいる 
そう言った

何処かにそんなものとは隔離された

世界があるのかな…そう囁いた


隔離された世界? 

刑務所みたいだね

そうだったら 
その隔離された世界こそが

がんじがらめの規則だらけで

自由が無いんじゃないの…

そう僕は答えた


そうじゃないの 誰もが自由で

お互いを尊重し合い
助け合って暮らしてる

そんな世界

規則は無いわ そう彼女は言った


規則が無ければ力が全てを支配して

それこそanarchismなんじゃない? 

僕は答えた

誰にも支配されないの
自分の意志だけに従って生きるの

きっと其処には

時間すら無いんだと思うよ 誠君

そう言ってベッドから立ち上がり

テーブルの上のKOOLに火を付けた

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