見出し画像

『ゾーン・マネジメントを再考』DXとも相性がいいぞ

「ゾーン・マネジメント」
僕が大好きなフレームワークです。

しかしながら、クライアントにこのフレームワークを説明すると、なぜかあまり評判がよくないというか…あまり腹落ちされないというか…
これは、僕の説明の仕方にも問題はあるのかもしれませんね…

ということで、「ゾーンマネジメント」を、改めて考えてみたいと思います。
サブタイトルにもつけさせて頂いたように、このゾーンマネジメントは、DXとも相性がとても良いと思ってます。

以前の記事も参考にしていただければ幸いです。

【ゾーンマネジメントとは】

「ゾーンマネジメント 破壊的変化の中で生き残る策と手順」ジェフリー・ムーア著で、提唱している経営手法です。


「ゾーンマネジメント」の基本的な考え方は、企業活動を4つのゾーンに分割し、それぞれを他と独立して管理することにあります。ゾーン毎にそれぞれ管理するのですが、企業全体として競争に打ち勝つためには、4つのゾーンが相互にやり取りできなければなりません。そのため、ゾーンマネジメントでは、自社が破壊的変化もたらす側にある場合は「ゾーン攻撃」、破壊的変化をうける立場にある場合は「ゾーン防御」として4つゾーンのバランスをとることとしています。
次世代のテクノロジーによって既存のビジネスを破壊する新しいビジネスモデルが登場する時代です。いわゆる、ディスラプターの出現です。このような状況下において、企業は破壊者として攻撃に出るか、被破壊者として防御にまわるか、選択できます。しかし、遅かれ早かれ攻撃に乗り出す必要があるのです。防御一辺倒では、株価の維持が精一杯です。

では、ゾーンマネジメントの基本を見ていくことにします。
横軸を「破壊的イノベーションの取り組み」と「持続的イノベーションの取り組み」に分離し、前者を新規ビジネスとその運営モデルに、後者を既存ビジネスの拡張と改良に、フォーカスさせます。同時に、縦軸として、「収益パフォーマンス」を求める企業活動と「支援型投資」となる企業活動とを分離し、前者を現在の業績に、後者を将来への種まき効果にフォーカスさせます。
以下の図に、ゾーンマネジメントの基本の4つのゾーンを示します。

画像1

この図で右上部の「パフォーマンス・ゾーン」から時計まわりに見ていくことにします。(ここでは簡潔に説明しますので、詳細は是非書籍の方を参考していただきたいです。)

「パフォーマンス・ゾーン」
企業の既存の実績あるビジネスモデルを運営していくゾーンです。既存ビジネスを運営し収益を拡張していくことが目的になります。

「プロダクティビティ・ゾーン」
シェアードサービス等で提供されるような支援投資型の事業が属するゾーンであり、基本的にコストセンターです。持続的成長を支援するゾーンであり、企業のコンプライアンス、効率性、ビジネス効果をバランスよく管理します。

「インキュベーション・ゾーン」
まだ、大きな収益をもたらさない新規市場・新規事業のカテゴリーで急成長する製品・サービスを育てる役割を果たします。ここでの目的は企業が次の世代の波をつかまえ、その波に乗れるかということです。現在のように環境の変化が激しい時代において決して軽視してはいけないゾーンです。

「トランスフォーメーション・ゾーン」
破壊的なビジネスモデルをある程度になるために拡大する場所です。
新規ビジネスを安定した大規模なものに拡大することです。次世代の波を長期的に成長に入るタイミングで捉え、市場開拓し、全面的に推進する必要があります。

さて、このゾーンマネジメントがどのように作用するかを考えていきます。

画像2

パフォーマンスゾーンより顧客のニーズ、ウォンツを見つけ出します。現在どのような事に不満や課題を感じ、どのような新しい体験を求めているか?を見つけ出します。CXの向上部分です。
また、そのパフォーマンスゾーンのパフォーマンスを最大限に発揮させる支援業務をプロダクティビティゾーンより見つけ出します。EXの向上です。
この見つけ出したものをパフォーマンスゾーン、プロダクティビティゾーンで実施するには、既存事業に与える影響が大きいことと単なる改善になってしまいます。この2つの領域は、あくまで短期的な施策です。
そして、見つけ出したニーズをインキュベーションゾーンで実施します。ここはあくまでもR&Dに近く、中期的なイメージです。
その中から事業化できそうなものをトランザクションゾーンに移行させ拡大させます。
そして、収益化が見込まれれば、パフォーマンスゾーンに組み込みます。
右側の持続的イノベーションと左側の破壊的イノベーションを明確に分けて実施しましょうということです。
そしてこの4つのゾーンを繋ぐものが「Why」です。パーパスでありビジョンでありミッションです。
さて、このゾーンマネジメントについては、当たり前のように思えるかもしれませんが、なかなか体型だって説明しているものは少ないです。

冒頭にも書きましたが、このゾーンマネジメントによる経営管理手法は、非常にDXと相性が良いのです。

そちらは、明日の『GO! DX プロジェクト』 STEP4で書いていきたいと思います。

今回はこの辺で

おしまい

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?