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さざなみ、鳥、午後の光

季節が少しずつ冬に近づいている。

風が強くつめたくなり、昼は短く、代わりに夜が長くなり、太陽が私を照らしていてくれる時間がどんどん減って、それが頭を抱えたいほど憂鬱だというのに、月は空が凍てつくにつれて美しくなっていくのね。なぜなんだろう。

ここ最近、ふとした瞬間に言いようのない、苛立つような、哀しいような、焦るような、そういう気持ちが私を満たして、それにすぐ応じてしまう自分がすこし憎い。

全部知らんぷりすればいいのにできない。見て見ぬふりをすればいいのに、それができない。天気や季節の変化でころころと感情を支配されて、なんて繊細なこころなんだ。それくらい自分でなんとかしなさいよ、と思う。もう大人になってしまったというのに。

もうあなたは子どもじゃないでしょう?

自分で自分にそう言いたくなって、でもそうしたら、子どもだった私の一部が「どうしてそんなひどいことを言うの?」ってひどく傷ついてしまう気がする。だから言えない。

誰かと一緒にいたいのに、誰とも一緒にいたくない。はやく学校へ行きたいのに、行けば家に帰りたい。笑っていた次の瞬間には泣きたいような気持ちになる。泣きたい、たくさん泣きたい、声をあげて、しゃくりあげて泣きたい。泣くのは悪いことではない。

そしてだいすきなひとに思いきり甘やかされて、泣きながら眠って、夜のあとには必ず朝が来ることをふたたび知って安堵したい。

海が見たい。毎日夕焼けを見たい。海に沈んでいく太陽が見たい。生まれ育った家で、私は、障子を開いて窓の外を覗くだけでも、玄関からたった1歩足を踏みだしただけでも、夕刻の空と海の美しさを堪能することができた。

文句のつけようのない、虹のようにきれいなグラデーションの大空を、より情緒的にしてくれる雲が好きだ。雲の厚みや水分量の多さ、たなびき方が毎日違っているのを眺めて、私は、今日という日が昨日とは違うのだということ、明日もそうなのだということを思い知ってきたのに。

けれど大学にいる間はそれが簡単に叶わない。だからか、夕方がくるとそわそわする。空がきれいなのはだいすき。でも空だけではだめなのだ。海がなくては、やはりだめなの。

私のこころの湖を、風がそっとなぜて、水面にすこしさざなみを立てる。

そういうときにちょうど雲が出てきて太陽を隠してしまうと、私はすぐに弱くなる。雲が晴れますように。風が私の味方でありますように。太陽が私をあたたかく照らしていてくれますように。そこが光に満ちていますように。

本当は、飛んできているマシュマロのお返事などを含んだnoteを投稿したいんだけれども、もうすこしだけ時間がかかりそうです。ごめんなさい。どうかしびれを切らさずに待っていてください。

いろいろあるとは思うけれど、みなさんもあたたかくしてたっぷり眠って、羽根を休める週末にしてね。

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