柔道大会前日~若いって調子こいてなんぼ~
大会の前日
柔道の訓練にも慣れてきたころ、とうとう来ました。
柔道大会の前日・・・
私のいる警察署では札幌から離れている地方だということで前乗り
つまり、前日に札幌入りしホテルで当日を待つといったことが出来るのです。
昔は、前日と後日があったらしいです。前日に札幌入りして当日を戦い抜いてその日も宿泊して翌日ゆっくり帰ると、それいいな。
でも、その金はすべて税金ですので、無駄使いはいかんとお叱りがあったそうで、当時は前日のみでした。
胴着や大会会場で使うテーピングや冷却スプレー、ドリンクなどなどもちものは結構多く、移動する車はハイエースになりました。
移動しながら、コンビニ寄っておにぎりの買ったりコンビニ寄ってパンかったり、食ってばっかりだなおい
そんなこんなで札幌へつきました。
時刻は15時、ちょうどチェックインができる時間です。
ホテルはすすきのの周辺
狙っているというか、なんというか
きたえーるは豊平区にあります。
きたえーる近くにホテルは結構あるのですが、泊まる場所はすすきの
のちのち分かりますが、警察の大会時すすきのは大変安全な街になります。
その時は全国の猛者どもがすすきののホテルに集結しますし、前日は猛者全員がすすきのへ飲みに出かけますから。
18時にロビー集合といわれいったん解散、解散と言ってもあと3時間もない
私はパチンコもしなけりゃ、スロットもしない、ギャンブルしない、
でもホテルでおとなしくしていたくない
とりあえず外に出るか。
当時、地元の田舎から札幌に出てきてすぐ警察学校へ入り、その後缶詰めからまた地方に卒業配置で出ていくという道だったので札幌すすきのでの遊びなどまったく知らなかったのです。
すすきのと言えば、北海道最大の歓楽街、ギャンブル、飲み、風俗などですが、私は
なーんにも知りません。
ホテルの周辺をぶらついて、恐れをなして戻りました。
とにかく自室で18時まで待とう、運転疲れたからとりあえず寝よか
うん、なんかあっても嫌だしね
なんもないのです。
当時はまだ穢れをしらぬウブ男ちゃんだったのです。
決起集会
18時ホテルロビーに集合、「よし飲みに行くぞ」
ホテルから出て、監督の知っている店?というか予約した焼き肉店へ
大会前だから元気付けろよ、飲めよとガンガン食わされガンガン飲まされました。
最初こそおとなしかった私ですが、タガが外れて楽しくなってきました。
一次会が終了し、あとは解散となりました。
さすがに8人全員は動きにくいので、解散と・・・
20時すぎたころでしたので、さすがにホテルに帰る真面目な警察官はいません。
それぞれ同期とあったり、一人飲みにすすきのの闇に消えて行ったり、抜いてくるわ、と逆に明るい方向へ蛾のように吸い込まれていったり様々でした。
私も同期と連絡でもしようかと思っていたら、監督から
大人の世界
「よし、大人の世界にいってみるか?」
と誘われたので、二つ返事でついていきました。
そこには生活安全課の巡査部長も一緒に、彼は「街の安全をまもるのが仕事だからな」と管轄外の街の安全まで気にしているようでした。
健全な飲み屋街から少しはじれた道に入ると、黒服がうじゃうじゃいました。
彼らはかわいい子をスカウトして地獄に落とす「スカウト」とかぼったくりバーに客を誘う客引きどもでした。
監督がそんなこともお構いなしに黒服どもに向かって歩いていくと、
急に黒服の一人がデカい声で「○○さん(監督の名前)いつ札幌に戻ったんですか?うちの店寄っていってくださいよ」と叫びました。
それに気が付いたほかの黒服も集まってきてそれぞれ挨拶をしてきました。
監督が「今日は行くところあるから今度な」というと集まっていた黒服は監督がモーゼのように監督の前に人垣の道をつくり「お疲れ様です」と口ぐちに言って道を譲ったのでした。
監督スゲー
巡査部長が私に「監督は昔中央警察署にいてこいつら取り締まっていたんだよ、いまだに力はあるようだね。」と耳打ちしてきました。
ほー
暴力団とバカ刑事
ちなみに、こういった現象はめずらしことではなく、特に生活安全課や刑事の特に暴力団の担当がこういった待遇を受けます。
こういった待遇に勘違いして調子に乗ると、あとあと痛い目に合います。
過去中央警察署の暴力団担当のバカ刑事がこの待遇を受け、飲み屋のおねえちゃんをあてがわれ飲み代もやくざに持ってもらい好待遇でした。
しかし、やくざもバカではないので逮捕されている仲間を解放してくれと頼んできました。
しかし、バカ刑事も腐っても警察官、そんなことはできないと断りましたがやくざは伏線を張っていました。そうです、上記飲み屋のおねえちゃんです。
やくざは警察本部にかけこみ「刑事に色々やってやって捜査の協力もしたし飲み代も出したし、おねちゃんは刑事と遊んで強姦されたっていってるぞ、なのにやくざの頼みはきけないってか」とのたまったのです。
上層部にまでばれて、バカ刑事は金品をやくざにもらう代わりに捜査情報を垂れ流していたと、地方公務員法違反で組織を去りました。
一般人となった元警察官は、ヤクザにどのような仕返しをされているのでしょう。そしてバカ刑事は術科など身を守るバックボーンもないのです。
今やひ弱なただの人です。
だから警察官は常に己を律しなければいけない、ヤクザが怖いのはバカ刑事本人ではなく警察組織なのです。
二次会なんです
監督は私と巡査部長をなんだか高級そうなおねえちゃんのいるクラブに連れて行ってくれました。
見たことない世界でしたが、女性はそこまで美人ではありませんでした。
雰囲気?が高嶺だなって感じ
私はただの雰囲気イケメンです、顔面は崩壊レベル そんなレベルが何言っているんだと思います。
ただ酒飲みまくって気持ちよくなり、店が閉まるまでいました。
お金は監督が出したらしいですが、金額はものすごいことになってそうですが、若い私には知る由もありませんでした。
じゃあ帰るかとなり3人でホテルへ・・・・
おしまい
調子にのった男
となればよかったのですが、調子にのった若い私は風俗に行きたいとふつふつと気持ちが昂り、いったん帰ったホテルを抜けてまた外出。
目的も決めていないで風俗街をふらふらしていれば、もちろん客引きに会います。
お兄さん、これからどう?
初めてなんですが、いいところあります?
はい警告です。いくら初めてでも客引きに初めてとは言わないように
確実にカモられます。
客引きは「おおカモがきたで」と目を光らせ
どこかに電話
「お客さん運がいいですね、すぐにご案内できる一番人気の子が今まさに空きました。」
頭が回っていない私は「いいですね、じゃそこで」と決断してしまったのです。
黒服は「はいはいカモ一匹はいりまーす」とばかりにご案内されたのは
外観が汚い、電気の消えている建物 やっているのか不安になりますが、酒ががっつり入っている私には関係ありません。
中に案内されると、ぬるいおしぼりを渡されて個室へ
この個室かなり暗かったし、匂いもなんと表現したらよいか、とにかく刺激臭
よくわからんが待っていると女性の声が聞こえて、なんだかぐちゃぐちゃ話して、私に触ってきました。
そこでようやく目が慣れてきました。
目の前には、体重100キロは軽く超えているであろう体格の、歯が抜けている、溶けている?カチューシャをした女性?
がいました。
あと匂いがすごかった、あればシンナーかな?そうか個室の匂いもシンナーだ
シンナーで歯が解けたのか?
漫画みたいな人でした。
私は一気に、本当に一気に酒が覚め、断って外に出ようと思いました。
しかし、断り方を間違えば戦う羽目になるであろうと本能が言っていました。
そして戦ったらたぶん負ける、とも。
考え抜いて出した結論が、「ああ、外に携帯電話を忘れてきたんで一回で出ます。」「今忘れているよってメールが入ってるのを見ました。」
?携帯をわすれて、携帯を忘れているってメールを見た?謎です。
そんな謎の事を言い出し、お金は結構ですと、返金要求もせずにホテルへ猛ダッシュして帰ってきました。
調子の乗った挙句・・
心臓がバクバク たぶん食われていたな
酒が回って気持ち悪い、明日てか今日か・・柔道大会だ どうするんだこれ
時刻は5時00分
集合は6時30分
体力ゲージ 100分の3 気力ゲージ100分の1 酒くささ 100分の100 顔に出た疲れ 100分の1000
ホテルに逃げ込みエレベーターに乗ろうとしたら朝飯を食いに来た同僚上司と鉢合わせ・・・
当時のホテルでは5時から1階ロビーで朝食会場が作られていました。
「おお、早いね朝飯一緒にくうか」
「・・・はいよろこんで・・」
おわた。