見出し画像

子ども達と初海外。「ボルネオ島」へ行ってみて起きたびっくりな変化

今年の春休みに、子ども達とマレーシアの「ボルネオ島」に行ってきた。

子ども達にとっては、初めての海外。

実はパンデミック前に、そろそろ海外旅行に~と夫婦で画策していたのだけど、見事にお流れになっていた。

ようやくパンデミックも一段落し、上の息子が中学生になる境目に「卒業旅行」と銘打って行こうということに。

しかし、子ども達に海外旅行の提案してみたところ、予想外に乗り気でないことが発覚…。

特に上の息子が、「海外って、なんとなく怖い感じがする…」と、ぶつぶつ。
そこで、息子が好きな「虫」と旅行を絡めるという奥の手を使って、なんとか子どもたちをその気にさせることに成功。
3月末に5日間の弾丸、「ボルネオ」旅行を決行してきた。


いざ行ってみると、息子達に180度の変化が起きた。

海外旅行にまあまあ後ろ向きだった子ども達だったのに、
「海外って簡単に行けるんだね~!余裕だった」
「超楽しかった!何なら住めそう」
「もう少し英語ができるようになったら、短期留学もしてみたい」
と言い出したから、もう、びっくり。

そんなに、コロっと変わるんだね、と。振れ幅が大きすぎて、お母さん、ついていけない…。実際に目で見たり、体験したりすることの影響ってすごいんだなと、改めて目の当たりにしたというか。

弾丸スケジュールで体力的にきつかったり、帰りの飛行機で私が見事、コロナをもらって上の息子の中学の入学式に行けなくなるという、、代償を払ったものの。(あちゃー)

こんなに子ども達も変わるなら、頑張って行ってみるもんだね…、と夫とも驚いている。

そんな旅の思い出と、子ども達の変化を綴ってみる。

なぜ「ボルネオ島」なのか。

上の息子が中1になり、生の英語に触れる機会を作ったら勉強のやる気になるのでは?という下心もあり、候補は英語が使われている国。

そして初海外なので、負担のないように時差がなるべくない国で、日本から近い国。

そんな条件から、マレーシアは完ぺきな国だった。

それに加えて、「ボルネオ島」は、息子たちが好きな生き物や虫観察などができる自然が豊かな場所で、子ども達も楽しめそうだった。

実際、「ボルネオ島には虫捕りツアーがあるよ」、と息子に声をかけたところ、海外ってなんだか治安が悪そうで怖い…と言っていた息子が、「行ってみてもいいかも…」とコロッと心変わり。
虫捕りのおかげで、彼は見事コンフォートゾーンを抜け出すことができた。

実際、訪れたボルネオ島のコタキナバルは、治安はそれなりに良かったと思う。もちろん海外ということで、貴重品の管理には気をつけていたけれど、滞在中、怖いなと思うことや、アレ?と思った事は一度もなかった!

また、コタキナバルの人たちが気軽に挨拶してくれたり、フレンドリーだったのも息子達は気に入った様子。実際に滞在したことで海外に対するぼんやりとした不安が、拭い去られたのは嬉しいことだった。

サピ島にて

ボルネオ島のジャングルへ虫捕りに

まずは約束通り、虫捕りで子ども達に満足してもらおうと、「キパンディバタフライパーク」という、ジャングルの中の自然公園で行われる虫捕りツアーに参加。

渡航前に、ネットでツアーを検索し、
Borneo 2leaf Travel(ボルネオツーリーフトラベル)」という旅行会社を経営されているジェイソンさんという、ガイドさんを発見。

ボルネオに行く前から、ジェイソンさんとはLINEでやりとりを重ねていた。旅の前に顔が見える存在があったことも、「ジェイソンに早く会ってみたい~」と、子ども達の安心感につながった様子。

ジェイソンさんは、紳士でユーモアがあり、気もきく素敵なガイドさん。ボルネオに行くなら、ぜひとも、おすすめしたい素敵なガイドさんだ。

「キパンディバタフライパーク」は、コタキナバルから車で2時間弱ぐらいにあった。憧れのマレーシアの国蝶”アカエリトリバネアゲハ”も見られ、大きな食虫植物のウツボカズラが群生している。

昆虫標本もつくることができる。上の息子は憧れのパリ―フタマタクワガタ、下の息子はモーレンカンプオオカブトの標本をつくり、大満足の様子だった。(でも作業自体は、ただピンを指すだけという単純なもの)

ジャングルの中といっても、公園なので道は整備されている。暑い午後、昼寝しながらのんびりしていた様子の犬たち(鎖につながれてない)が出迎えてくれる。公園内の生き物や、植物などの説明を受けながら、軽く散歩した後は、少し標高が高い場所にあるレストランで夕食へ。

とにかくジャングルは蒸し暑く、日本との気温差で、私はひとり熱中症になりかけていたのだけど、レストランがある場所は涼しくて命びろい。

ドライブ中にジェイソンが車を止めてくれて、雲海が立ち込めるジャングルの中で、夕日が沈むのを眺められる場所へ案内してくれた。

日が沈んだ後は、息子念願のライトトラップタイム。これでもか、というほどモーレンカンプオオカブトがやってきた。

マレーシアの国蝶 アカエリトリバネアゲハ
巨大ナナフシ
憧れのウツボカズラ
ライトトラップで集まってきた虫たちが乱舞
虫が嫌いな方には、もしかしたら過酷な場所!?


サピ島でシュノーケリング

翌日は、コタキナバルの船着き場から20分のところにあるサピ島へ。この日は、ガイドさんはつけず自分たちで自由行動。

サピ島までのスピードボートは、観光客へのサービスなのか、船を過度に傾けたり、運転がとにかく荒くて、生きた心地がしない。笑

サピ島の辺りの海は透明度が非常に高くて、これぞ楽園という感じ。適度な風もあって心地がよく、体中の細胞がゆるんでいくのを感じる。
浜辺からほんの少し泳いだだけで、サンゴ礁があり、シュノーケリングで綺麗な熱帯魚たちを観察できる。いや泳がなくても浜辺でぴちゃぴちゃするだけで、綺麗なお魚が見られる。

私は、ずっと海水浴に苦手意識があった。私がこれまで体験した本州の夏の海では、いつも浜辺は人でごった返し、海水はべたべたとしていた。(きっと、居心地の良い浜辺を知らないだけだと思うのだけど…)
しかし、サピ島は違った。
こんなにも安らぐ場所なら、ずっと海の中でふわふわとクラゲのように一日中過ごしていたい。何なら、海の生き物に生まれ変わってもいいかも。
海水浴のイメージが書き換えられるくらい気持ちがよい海だった。



ガラマ川クルーズで、気候変動の影響を感じる

あっという間に最終日がやってきた。この日は、真夜中の便で帰るため、午前中はフリーで行動し、午後ガマラ川のナイトツアーを申し込んでいた。

夕日が沈みかけた川で、野生のテングザルやサイチョウなどが見ることができ、日が沈んだ後は、星がまたたくようなホタルをたくさん見る事ができた。

クルーズ中、かなり驚いたのは、細かな5㎜ほどの黒い煤みたいなものが度々舞ってくるときがあったこと。この黒いものは一体何なのか?ジェイソンに質問すると、今、ボルネオのジャングルのあちらこちらで、山火事が起こっているとの事。その灰が、ときどき舞ってくるのだそうだ。

当時は乾季だった。従来の東南アジアのジャングルであれば、たとえ乾季でも一日一回はしっかりと雨が降る。けれど、ここ最近は、気候変動の影響なのか、雨が極端に減っているらしい。
そのため、山火事があちらこちら起きていて、これ以上ひどくならないように政府は人工雨を降らせているのだという。

人工雨は中国でも降らせていると聞いたことがある。人工雨を降らせることによる影響はよく分かっておらず、もしかしたら豪雨災害を引き起こす原因になっているかも?という記事を読んだことがある。ボルネオ島でも降らせているのは初耳だったし、ショックだった。人工雨の影響は、世界レベルの気候に複雑に影響するため、その影響が今後どう出てくるのか分からないのはおそろいしな…と思う。

しかし、これ以上、山火事が増えるのもマレーシア政府としては避けたいわけで、人工雨を降らせなければならない状況もよく分かる。
思いがけず、気候変動を切実に実感することになった。

我らがジェイソンの後ろ姿とガマラ川ツアーの様子
テングザル(ジェイソン撮影)
サイチョウ(ジェイソン撮影)
スイギュウ(ジェイソン撮影)

このことを説明してくれるジェイソンさんは、どこか寂しげであった。

それはそうだろう。
彼の仕事にも影響があるし、何より豊かな生態系が危うくなりかけているとは受け入れがたいことでもある。

早く雨季がきて、ジャングルが潤うことを願う。


コタキナバルのローカルフード

海外旅行と言えば、現地の食に馴染めるかも気になるところ。実はわが家も偏食気味な子ども達が果たして、ボルネオの食事を気に入ってくれるか心配していた。

しかし、それは杞憂に終わった。

子ども達はすっかりボルネオの食を気に入っていて、これもちょっとした驚きだった。

ホテルの朝食は、ビュッフェ式なので問題なし。

夜はホテルの周辺で、地元の人に人気のお店を聞いて、適当に入ってみた。
アジア料理に独特の香りや香辛料をものともせず、子ども達は「うっま」「うっま」と喜んで食べていた。
料理としては、中華やシンガポール系の料理が入り混じったようなスタイル。ラーメンやチャーハン風のメニューや、肉も多く、子ども達には親しみやすかった様子。どこも美味しくてアタリだった。


ボルネオ旅の要注意ポイント!

これは少し油断していたことなのだけど、コタキナバルは想像していたよりも、ずっと暑かった。日本の真夏レベルの日差しと、蒸し暑さに感じた。(でも、日が落ちてからは少し過ごしやすいかもしれない)

日本では比較的まだ寒い3月に行ったので、急激な気温変化に体がついていけない。夫や子どもたちは大丈夫そうだったのだけど、私は熱中症になりそ~と何度か思うほどだった。10時過ぎにはもう日傘なしでは数分と歩けないほど日差しが強い。

そこだけは、要注意。
日よけ対策や冷却グッズ、塩気のある食事で、しっかりと熱中症対策をしていった方がいいかも。

🛫🛫🛫

やっぱり、家族旅行は楽しい。

円安で旅行代もあがっているし、そこまでスケジュールに余裕があるわけでもなかったので強行突破だったが、子ども達の世界への向き合い方がグッと変わったのではないかと思う。

息子たちが一緒に遊んでくれるものの、あと数年だろうな、と最近度々考える。
今後は家族で旅行できる機会はぐっと減るかもしれない。

もうすぐ夏休み。
あと数回は、こんな長めの旅を、家族みんなでできたらいいな~と思う。

いいなと思ったら応援しよう!

seico@編集とライターの人
最後まで読んでいただき、ありがとうございます^^よろしければ「スキ」やSNSでシェアしていただけると、とっても嬉しいです! いただいたサポートは書籍購入やnote内の投げ銭など、今後のnoteに活かすために使いたいと思います。