【文学フリマ東京参加レポ】こうして人は文学の沼に
5月19日、文学フリマ東京38に参加した。
人生初の出店側として!
■当日のドタバタ
会場に到着したのは10時半、開場が12時…。
家で予行練習もしたし、余裕やろと思っていたけど。
実際はメンバーそれぞれが持ち寄ったものを並べ直したりなんだりしていると、90分なんてあっという間だった。体感、10分。
当日は、「て-03 アトリエけだま」でイラストレーターの踊場リエ(リエすけ)さんと一緒に作った本を、「て-04 Cafe Novel」でゆうこさん・りさこさんと一緒に開発した小説つきコーヒーを出品した。
みんな、私がライティングを学んだキャリアスクールで知り合ったメンバーだ。
■そして開場
文学フリマ東京38の会場は、広〜い第一展示場と、その約半分の広さの第二展示場1階&2階の3つ。そこに合わせて2,096ブースがひしめきあう形だった。
後日文学フリマ事務局から送られてきたメールによると、なんとこの日の来場者人数は12,283名だったそうな。
すっご。
私たちのブースは第二展示場の2階だったので開場12時付近は閑散としていたものの、徐々に人は増え、あれよあれよと言う間にゴチャっとした状態に。
「第一展示場へ行ってみたけど、人が多すぎて命の危険を感じたので戻ってきました」という人もいた…(笑)。
いや、笑い事ではなくて、本当に人波がスゴすぎた。
◇知り合いのブースが同じ会場に集結していた
今回何よりびっくりしたのは、Xのフォロワーさんのブースがとても近かったこと。通路2本隔てて向こうに知っている顔が見える、といった感じ。
なので、チラチラ自分のブースに目をやりつつほかのところを周り、知り合いっぽい人が来たらサッと戻るみたいな芸当もできた。
当日お迎えした御本はこちら!Xで告知を見て気になった本も買いに走った。拝読するのがたのしみ!
◇フォロワーさんがたくさん来てくださった
開場直後から、フォロワーさんが入れ替わり立ち替わり差し入れ片手に立ち寄ってくださった。差し入れの写真も撮ろうと思っていたのに、女子力を実家の押し入れに置いてきてしまった私は、撮影前にバリバリいただいてしまった…。ありがとうございました。
そして、本も小説つきコーヒーも、たくさんの方にお迎えいただいた。
コーヒーのほうは種類が3つあって、小説の作者がそれぞれ違うのだけど、「あにぃさんが書いたのはどれですか?」と聞いて買ってくださった方もいたとか…。うれしすぎる。
リエすけさんと作った本「憩いのよるにけだまを添えて」には先着でポストカードをつけた。ポスカつきの最後の一冊は、フォロワーさんがお求めくださったようだ。
ほかにも、ふらっと寄ってくださった方や、見本誌コーナーで立ち読みして来ましたという方も…!
ふだんから付き合いのあるフォロワーさんに来ていただくのも、会場で目に留めてくださるのもうれしい。ハッピーを享受した一日だった。
◇はじめてサインをした
イレギュラーハッピーといえば、サイン。
…サイン?
自分でもあらためて夢だったのかと思ってしまうけれども、「よかったらサインくれませんか?」とお声がけくださった方がいた。「僕、けっこうイベントで作者さんにサインをいただいているんですよ!」とのことで。
由緒正しきチキンハートなので、人前で文字を書く胆力を持ち合わせておらず、その方も出店者さんだったので、「あの…書いてからブースにお届けに行っていいですか…?」とお願いした。
深呼吸して人生初のサインに挑む私の姿を、リエすけさんとりさこさんがニコニコ(ニヤニヤ?)見守りながら撮影してくれた。あとで動画を見たら、死ぬほど情けない顔でペンを握っていた。貴重な体験すぎる。もう二度とこんなことはないと思う。ありがとうございました!
ちなみに「そうか〜!サインってこんなふうにもらえばいいのかー!」という気づきを得た私、さっそく依頼してくださった方の御本にもサインしてもらった。ホクホク。家宝にします。
ちなみに、終了間際に「よっ!」とずいぶん馴れ馴れしい挨拶をされて顔を上げると、なんと学生時代の友達が立っていて、「ウワァ」と銭形に遭遇した大泥棒みたいな反応をしてしまった。
彼女にはいろいろと本の話を聞いてもらっていたので、Xを見て来てくれたらしい。ごめん、完成した!って直接言うの忘れてたよね…。
そんなこんなで、行きは配送が必要だった本の山も、ありがたいことに帰りにはトランクに収まるボリュームになった。
残りは通販をする予定なのと、会場で誘っていただいた別のイベントに夏ごろ出ることになりそうなので、そこにも出品する予定です!
あー楽しかった…。夢のような5時間でした…。
■当日までのスケジュール
ここからは、出店申し込みから当日までどんな感じだったかを書き出してみる。個人的な覚え書きに近いので、読み飛ばしてもらってもかまいません。
もしかしたら、出店に興味がある人には参考になる話もあるかもしれないし、ないかもしれない。
・1月17日:出店申し込み
文学フリマのいいところは、出店受付期間が4か月としぬほど長いこと。同時期に開催されるデザインフェスタなんて20日間くらいしかないのにさ。
そのかわりタイミングが遅いと抽選。この時点で私たちも当然抽選枠。
・3月6日:当選連絡、出店確定
「抽選結果は1週間後にお知らせします」というメールが来たその日に当選連絡が来てたまげる。
・3月7日:隣接配置申請
小説つきコーヒーで申し込んでいたブースも当選したということで、隣同士に設置してもらうよう事務局に申請。どちらも初出店だったのに本当にラッキー!
・3月11日:入金
出店確定後、期日までに入金しないとキャンセル扱いとなってしまう。忘れそうでヒヤヒヤした。
・3月18日:出品する本のアイデア出し、製本所選び
相方のリエすけさんと「何作る?」とアイデアを練り始める。
我ながら「え?このタイミングなの?」と肩をユサユサしたくなるスケジュール。
・3月21日:本に使う紙の種類がわからなさすぎてフォロワーさんに聞く
discordでつながっている創作フォロワーさんたちにヘルプを求める私。「まずは紙見本を取り寄せるべし」「とりま印刷所決めて、印刷予約をするべし」との神託をいただく。
・3月28日:印刷予約
お告げ通りに印刷所を早急に決め、印刷予約をする。(予約できるかは印刷所によります。)約1か月後に入稿日を設定。これでも「早期入稿」扱いになることを知る。印刷所ってすごいなあ。
・4月2日:紙見本が家に届く
私が利用した「ちょ古っ都製本工房」さんは返信用切手のみで紙見本の取り寄せができた(2024年3月現在)。リエすけさんに写真を送り、表紙と本文に使う紙の種類が決定。
・4月9日:本の制作開始
制作には、オンラインツール「canva」を使用。オンライン上でファイルを共有し、私が文字を、リエすけさんがイラストを配置するという流れで進行。
めちゃくちゃ便利でcanvaさまさまだった。ぎっしり文字が入る本だと厳しいかもしれないけど、絵本程度の文量を複数人で編集するならcanva制作が便利かも。PDF変換後に入稿したものの、解像度が落ちることもなかった。
・4月19日:ブース位置決定
第二展示場「て-03」が私たちのブースとなった。出入り口近くの壁位置だ。
余談だけど、コミック系の同人誌即売会に参加したことがある人ならご存知のとおり「壁位置」というのは搬入数が多い人気作家が配置される場所…(※文フリは関係ありません※)。プロ気分を疑似体験できる特別感があってひとりテンションが上がった。まあ、当日はそんな余裕一ミリもありませんでしたが。
・4月25日:入稿完了
ついに入稿!入金もして、あとは待つのみとなった。
・4月27日:12月の文学フリマ東京39に申し込み
え?(笑)
・5月5日:入場証&出店案内受け取り
家に文学フリマ38の案内が届く。たぶんもっと早く届いていたと思うけど、G.W.で家を空けており…。というか事務局のみなさんは休日返上で動いておられるのだろうか。ありがとうございます…!
・5月10日:本、届く
有能な印刷所さん、予定より数日早く本を届けてくださる。人生初の自作本の感触、格別だった…。写真バッシャバシャ撮って、リエすけさんに送っちゃった。
・5月12〜14日:お品書き作成
リエすけさんが出品内容を記載したお品書きを作成。私は値札やテーブルに貼り付けるサークル名の紙などを作成。
このあと、
「5月14日:重いので会場に本を配送しようと思い立つ」
「5月15日:【15日までに会場付近の配送センターに届くように送ってね】との注意書きに気づく。間に合わんやないかい。」
「5月16日:諦めて前泊するホテルに配送する」
というプチトラブルがありつつも、なんとか当日を迎えることができた。
ざっとこんなスケジュールでした。すでに懐かしい。
そしてそうなんです、なんと、12月の文学フリマ東京39にも出る予定という。笑
しかも今回は申し込み時期が早かったため、抽選枠に追いやられなかった。
出 店 確 定 で す 。
しかも次回から東京ビッグサイトでの開催!!
4月末、まだ文フリ初出店も終えていないうちから次の出店の申し込みボタンを押す。正気の沙汰とは思えないけれども、それほどに準備が楽しかったんだよなあ。
イベントなんて出ないと言っていた私だけど、一緒に作品を作ってくれる仲間と出会い、爆速で出店を叶えることができた。
この「楽しい」というワクワクを携えて、これからも新しい作品づくりに取り組んでいきたいな、などと気持ちを新たにした一日だった。
創作を、文学を愛するすべての人に乾杯!
ありがとう、今後もよろしくね、文学フリマ!
こんなところまで見てくださってありがとうございます! もしサポートをいただけましたら、わが家のうさぎにおいしい牧草を買います!