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チップ:自家製ジンジャービアならびにジャッキー・ウェルズのレシピ

ハロー、ナイトシティ! そしてフリーネットよ、永遠なれ!

先日配信されたアップデート2.0を境に、ナイトシティは新時代を迎えた。毎日のようにアフターライフに顔を出すベテラン傭兵も、少しばかり街の喧噪から離れてた元傭兵も、アニメか何かの影響で最近やってきたばかりの新参者も、今頃はみんな「仮初めの自由」ってやつを満喫してるだろうな。
俺も早くイドリス・エルバに会いに行きたいんだが、例の有給申請書を上司に出したら却下されちまってよ……まあいいさ。別に上司の許可が無くたって、ドッグタウン行きのチケットさえ買えばこっちのものだからな。

さて、一足先にコンバットゾーンに足を踏み入れたサイバーパンクどもの話によると、どうやら相変わらず「強くてニューゲーム」なるものは存在しないらしい。その代わりといってはなんだが、Act.1を丸々ブッ飛ばせる「仮初めの自由までスキップ」機能が搭載されたようだ。
おいおい、そりゃないだろ! ただでさえ短いと言われたあの半年間をさらにカットしてどうすんだよ! 早くワトソンの外に出たいっていう周回プレイヤーの気持ちも理解できなくはないが……だがよ、たった数時間と引き換えに、各ライフパスのプロローグやジャッキー&バグとの掛け合い、そしてロイスのイカした銃とミリテクおばさんのイケないオモチャをスルーしろだなんて俺には無理だね!

というわけで、今回はアフターライフに並ぶあの「ジャッキー・ウェルズ」のレシピを紹介しようと思う。たった数週間でナイトシティの生ける伝説と化したVのルーツを忘れないために、あの最高に気持ちのいいチューマの名をカクテルとして語り継ごうじゃないか。……ついでに、もう何度も作ってるってのに毎回ググってレシピを確認する俺自身の備忘録も兼ねてな。

自家製ジンジャービア

ジャッキー・ウェルズをジャッキー・ウェルズたらしめるのは、間違いなくジンジャービアの存在だ。
一応軽く説明しておこうか。ジンジャービアっつーのはジンジャーエールの元になった微炭酸のノンアルコールドリンクだ。ジンジャーエールと比べると濃厚かつキレがあって、しょうがのうまみがストレートに堪能できるのが特徴だな。こいつの味を知ったが最後、もうジンジャーとは名ばかりの無果汁の炭酸飲料なんて飲めなくなるぜ。
ところがこのジンジャービア、日本じゃマイナーな飲み物のせいか、取り扱ってる店舗が少なく、仮に売っていたとしても少しばかり値が張る代物だ。実際に俺も、ネット通販かダウンタウンの高級スーパーでしか見たことがねえ。

おっと、「売ってないから作れない」なんて泣き言はよしてくれよ。指を咥えたまま入荷を待つなんて、企業の気まぐれに付き合う義理は無い。一流の傭兵たるもの、計画通りに行かずとも、イレギュラーをアドリブで乗り越えてこそだ。つまり、無いならクラフトすればいいのさ。

材料

  • しょうが 1個(約60〜80g)

  • 水 1L

  • 砂糖 60g

  • レモン果汁 25ml

  • ドライイースト 3g

基本のレシピはこれだ。商品そのものはなかなかお目にかかれないってのに、原材料はどこのスーパーでも簡単に手に入るありふれた食材ばかり。2〜3エディーもありゃだいたい揃う。

カスタマイズも自由だ。はちみつを入れれば味がマイルドになるし、香ばしさが欲しいければ鷹の爪やクローブやシナモンなんかを足してもいい。レモン果汁の代わりにレモンを皮ごと煮込むってのも悪くない。酵母もワイン用を使った方がうまいと聞く。まあ各々で試行錯誤してくれ。

作り方

  1. しょうがを皮ごと全部すり下ろす

  2. 鍋にすり下ろしたしょうが・水・砂糖・レモン果汁を入れて、20分ほど煮込む

  3. 火を止めて2を冷まし、ドライイーストを投入してよく混ぜる

  4. 茶こしでしょうがの繊維等を取り除きつつ、3を保存容器へ移す

  5. 直射日光を避けた状態で常温で一晩寝かす

作り方を一言でまとめると「しょうがジュースを作って発酵させるだけ」。簡単だろ? 鍋に材料を全部ぶち込んでジュースをクラフトした後は、ドライイーストが勝手に仕事をしてくれる。1ポイントたりとも技術に振る必要は無い。

この段階で気を付けるとしたら、ドライイーストを投入するタイミングぐらいか。理想はイースト菌が最も活発になる約35℃――厳密に測らずとも人肌程度まで冷めればOKだ。というのもこいつらは熱に弱く、ほんの60℃程度でシナプスが焼け切れちまう。かといって温度が低すぎると、今度はサボって休眠しやがる。少々面倒だが、手のかかる子ほどかわいいのは人間も料理も同じさ。

そうそう、よそ様のレシピだと48時間ほど常温で寝かすパターンが多いが、俺はいつも一晩(半日程度)しか放置してねえ。あとは冷蔵庫にしまって、あえて発酵スピードを落としている。後述の理由もあるが、別に発酵時間が短かくたって微炭酸はちゃんと発生するし、なにより早く飲みてぇからな。

注意点

  • 定期的にガスを抜く

  • 保存容器は炭酸ガスの圧力に耐えられるものを使用する

ジンジャービアの炭酸ってのは、ジンジャーエールとそれと訳が違う。あっちは「しょうがシロップのソーダ割り」で、こっちは「発酵しょうがジュース」。炭酸ガスを後から注入するんじゃなく、ジュース内の糖分が酵母によって分解される際に発生する。
要するに、こいつは正真正銘の“ビア(Beer)”。発酵させすぎるとマジで1%以上のアルコールが発生するし、炭酸ガスが原因で保存容器が破裂することもある。今でこそノンアルコール扱いされているが、イギリスでは19世紀半ばまでアルコール飲料として親しまれてたらしいぜ。

ゲームの中からともかく、現実世界でNCPDに追い回されたり、自宅が第二のアラサカタワーになるのは嫌だろ? なら発酵過程で完全に放っておくのはやめておけ。この欲求不満の坊やは、ちょっと目を離した隙にパンッパンに膨れやがるからな。
その都度状態を確認して、時折炭酸ガスを抜いてやること。炭酸ガスの圧力に耐え切れる頑丈な容器(炭酸用ペットボトル等)を使用すること。このふたつにさえ守れば、もうゴールは目前だ。

ジャッキー・ウェルズ

ウォッカのロックにライムジュースとジンジャービア、そして愛情――アフターライフに足を運んだことのある傭兵であればご存じの通り、本人の口から語られたカクテルのレシピがこれだ。まあ俗に言う「モスコミュール」ってやつだな。
ただし、お前らが想像するような甘っちょろいウォッカのジンジャーエール割りとはまったくの別物だ。さながらモスクワのラバに蹴られたような衝撃が……いや、大きくて純粋な夢を抱いた、あのお人好しのヘイウッド男児に相応しいドリンクさ。

材料

  • ウォッカ 45ml

  • ライムジュース 15ml

  • ジンジャービア FullUp

  • 愛情 適量

ひとまずオーソドックスなモスコミュールと同じ分量を記載したものの、無視して自分好みの分量で作ってくれて構わない。柑橘の酸味を感じたきゃライムを多めに入れればいいし、下戸だってんならウォッカを減らすか抜けばいい。宅飲みなんだから、その日の気分に合わせて好き勝手飲んだってバチは当たらないさ。

ウォッカの銘柄は問わない。強いて言うならフレーバードウォッカよりピュアウォッカの方がジンジャーの邪魔にならない。
ライムジュースも同様だ。俺はコーディアルライムで作るのが好きだが、フレッシュライムで作ってもうまい。もちろん濃縮還元のストレートタイプでも希釈タイプで作ってもいいし、最悪レモン果汁でも代替は利く。

作り方

  1. ロックグラスを氷で満たす

  2. ウォッカとライムジュースを注ぐ

  3. ジンジャービアを静かに注ぐ

  4. マドラー等で軽くステアする

  5. 愛情を加える

カクテルっつーとシェーカーをシャカシャカ振って作る小洒落たイメージがあるだろうが、炭酸を使うカクテルだとビルドで作ることがほとんどだ。ジョニー・シルヴァーハンドもデイビッド・マルティネスもそうだし、もちろんジャッキー・ウェルズもな。
特別な道具を揃えなくたって、グラスに材料を全部入れて、マドラーかスプーンか菜箸で適当に混ぜりゃいい。炭酸が抜けないよう、静かにな。

おっと、最後に愛情を入れ忘れるなよ。愛情に欠けたジャッキー・ウェルズなんて、トーフもツナも入ってねえパイナップル風味ピザみてえなもんだからな!


以上、ジャッキー・ウェルズの我流レシピだ。気が向いたら試してみてくれ。今でこそアダム・スマッシャーを片手でスクラップにできるほど成長したお前の原点を――最高のチューマと共に駆け抜けたあの日々をきっと思い出せる一杯だからな。

それじゃ、また会おうぜ。この夢の街で。


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