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美しさのアニミズム

  「顔がいい」「ビジュが優勝」   私はこれらの言葉が苦手である。もちろんどれも外見の良さを語らうには素晴らしい言葉であり昂りを表す表現に違いない。しかし、これらの定型文が連呼される場所が偏ると、言葉には条件が出てくる。透き通る白い肌、大きな二重の目、高く筋の通った鼻、など、想像に難くない。いつしか言葉が美とそうでないものを選定してしまうのが、どうにも歯痒いのだ。   私にも外見の好みはたんとある。「顔がいい」と思うことも毎日のようにある。だがそれらはあくまでも私の嗜好の基

    • 映画「嘘喰い」感想

      嘘喰いを見たんだ。嘘喰いを。 嘘喰いは美しかった。 本当に横浜流星が守ってくれた甲斐があって、負け知らずの天才ギャンブラー斑目貘は生きて動いて喋ってた!予告から感じていたけど生きる斑目貘は彼以外には務まらないし、本当によかった。 ストーリーや過激さをだいぶ大衆化して軽くされていて、漫画で感じたような「超人感」やこの人はどうなってしまうんだ…?!というハラハラ感はもっと欲しいような気がした。多分、屋形越えに挑むに至っての説明である「弱冠15歳にして…」っていう部分がなかったから

      • DMという精神直結連続的閉鎖空間がcho~苦手!

        高校三年間、クラスメイトとのやりとりをほとんど全てツイッター上で済ませてきたツイ廃の私はとてつもなくDMが苦手である。原因の解析と説明によって、自分の苦手克服と、少しだけ優しい理解を得られたらと思う。  実は、ツイッター上での絡みはもちろん、通話やリアルでのおしゃべりは大好きだ。でもDM、お前だけはダメなんだ。  リアル会話とDMの違いは、空間の共有だと思う。ツイッター、通話、リアルに共通するのは、主題の会話が他の刺激から遮断されないところだ。ツイッターは同じプラットフォーム

        • 卒業の悲しさは世間だった

          みんな、マスク、外さないな。そんな風に列の最後尾から思っているうちに、卒業式の会場になった体育館に入場していた。ピンと背筋を伸ばし、肩の力は抜いて、ブレない足取りで真っ直ぐ拍手喝采の中を進んで、ようやっと壁に飾られた紅白の幕が強烈に目に飛び込んできて初めて「あ、これ、本番だ。」と実感した。気づかぬうちに始まっているなんて、高校に1年の夏に転入した私をセルフオマージュでもしてるみたいね。 卒業式を迎えてしまった。無性に悲しくて、愛しくて、誇らしいような、無常感に流されたまま、ジ

        美しさのアニミズム

          映画キャラクター感想(2/16)

          ※「キャラクター」を個性、生き様/または作り物やデフォルメの少し異なる意味で使っています。読み分けは解釈次第だと思います ✏︎ストーリーを順を追って  全ての事の発端、①家族の猟奇殺人を目の当たりにしたときの山城さんの怯えっぷりが本当の本当に平凡な人間の反応で心底可哀想でめちゃくちゃに可愛かった。絶対に目が合ってしまうことは分かっているのにその緊張感と不気味さ、心拍数の上昇させる焦らしとスリルのFukaseさんの振り向くまでのたった数秒の演技でもう元取れたよね。幼く端正な

          映画キャラクター感想(2/16)