エスペラント語という言語を知っていますか？──世界標準言語を作ろうとした人類の試み
こんばんわ。
#意識低い系社長 です。
今回はお若い方は多分、ご存じないであろう、エスペラント語という言語について取り上げてみたいと思います。
１．エスペラント語って何？
エスペラント (Esperanto) とは、ルドヴィコ・ザメンホフとその弟子（協力者）が考案・整備した人工言語。母語の異なる人々の間での意思伝達を目的とする、国際補助語としては最も世界的に認知され、普及の成果を収めた言語となっている。（Wikipedia「エスペラント」より引用）
簡単に説明すると、全人類共通言語を作ろう、といった試みです。
現在、日本ではほぼ認知されず、外国語は英語を学ぶのが普通です。エスペランティストです、って方がいらっしゃったらすみません。
２．日本でのエスペラント語
日本では1906年に二葉亭四迷（ふたばていしめい）が日本で最初のエスペラントの教科書『世界語』を著しました。はい。おしまい。
…じゃさすがに、どうかと思うので、もう少し書きます。
とは言え、日本でエスペラントが普及しなかったのは事実です。
またwikipediaから少し引用します。
エスペラントを公用語としている国は存在しない。20世紀初頭には、ベルギーとドイツの国境付近に存在した中立地帯モレネの公用語をエスペラントにする案が提案されたこともある。1968年にアドリア海上に石油プラットフォームに似た人工島をつくって独立宣言した自称国家であるローズ島共和国はエスペラントを公用語として採用したが、翌年にはイタリア海軍により爆破され消滅した。非政府組織、特にエスペラント関係団体などでは作業語として使われている。最も大きいエスペラントの組織、世界エスペラント協会（UEA）は、NGOの一つとして国連とユネスコと協力関係にある。
UEAにおいて日本を代表する国別団体として、1919年に設立され、1926年に財団法人化された日本エスペラント協会(JEI)が活動している。2018年現在の会員数は1108人である。
イタリア海軍の容赦なさに思わず笑ってしまうのですが、現実的に日本で今エスペランティスト（エスペラント語を話す人）は、1000人ちょっと、というのが実態であり、世間的にも、もはや「エスペラント？何それ？」という方が大部分でしょう。
３．エスペラント語の失敗と教訓
エスペラント語が普及しなかった最も大きな要因が、フランス代表による反対でした。既に公用語となりつつあった、英語に対抗意識を持っていたフランスはさらなる公用語の採択に大反対したのです。結果として、現在に至るまでエスペラントは小規模では存続しているものの、世界は英語を公用語と認めざるを得なくなりました。
エスペラント語は世界標準語になる可能性を秘めていたにも関わらず、なぜ失敗に終わったのか。これには現在においても学ぶべき点があります。
レイシズムとアンチレイシズム、フェミニズムとアンチフェミニズム、そしてポリコレ、これらに共通して言えるのが、差別意識の有無です。
「わたしは黒人に対して差別意識を持っています。」と公言しようものなら、全方向から石を投げられるようなご時世にこんな文章を書くのは勇気がいるのですが、差別意識があるかどうか、それは本人の内包する気持ちだとわたしは考えています。
その本人の内包した差別意識が言語化されたり、行動に出ることで、「こいつはレイシストだー！」となるわけです。ですから、本人の内包した気持ちなんて本人以外に分かりようがないわけです。
フランス代表が母国語であるフランス語を守るため、エスペラントに大反対してみせたのも、ある意味差別意識の表れでもあると思うのです。
４．最後に
ここまで、エスペラント語の紹介やその後のお話をさせて頂きましたが、こんな言語普及されるわけない、時間の無駄だ、と思われる方も多いと思います。
ですが、現代において同時通訳のテクノロジーが日進月歩で進んできています。わたしたちが当たり前に日本語を話すように、スマートに同時通訳してくれるアプリが続々と発表されてくるでしょう。
そうなってくると英語の学習って意味ありますか？当たり前に必要、とされてきた第一外国語、そして第二外国語、これらは同時通訳に取って代わられるとすれば、日本語だけで良くないですか？
わたしは、異国の文化を学ぶ上で、異国語の学習は必要、と考えていますが、今後その常識をひっくり返す可能性も出てきているわけです。エスペラントというもはや認知されなくなった、世界共通言語が同時通訳の中に入るとは思えませんが、人類が世界標準語を作ろうとした歴史を忘れてしまうのはもったいない、と思い記事にしてみました。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
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