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土地によって味の感じ方が変わる不思議(5/10)

本日から根を詰めてサウンドトラックを作り始めたかったのだが、ここで無理をしては治るものも治らない。というわけで、落ち着きのない私を落ち着かせ(ハムスターに「しばらく回し車に乗ったままステイ」させるくらいに難しい)鎮痛剤も敢えて飲まなかった。
あんなぶっ飛び効果絶大な薬を飲んでしまったら一瞬でカラ元気になり、好きあらば仕事をぶち込みたくなる。薬物依存って案外簡単に陥りそうで、やはり最初が肝心だなと思う。

そんなわけで、起床と同時にマグネシウムをコップにたっぷりの水で飲み込み、3000mgのローヤルゼリーをスポイトから出して飲んだ。
平らな桃(日本語での正式名称は「蟠桃」と言うらしい)をふたつほど、皮ごと食べた。すっかりイキり倒したオシャ意識高界隈女子的ルーティン。朝からフルーツ食べるなんて、長谷川潤しかやんないっしょ!

普段の朝は珈琲を飲んで、パン・スイスなんかを買いがち。これも、体調を崩してから改めたくなった習慣だ。
体調が良くないからこそだろうけど、普段あんまり食べないフルーツの美味しさに気づく。

これまで私は、散々フルーツを無視してきた。

レストランのコースでも「えー、デザートって書いてるけどフルーツやん!フルーツはデザートちゃうやろ!ケーキとかアイスが良かった... 」などとガッカリしてきた人生。しかしこれにピリオドを打つ時が来たのかもしれない。だめだ、両手が震えるほどの革命だ。

革命といえばフランス。世ランスの革命はこれだけでは終わらない!

「その土地によって味の感じ方って変わるよね」
- 身を以ってこの説を肯定したい。

私は普段、お茶があまり好きではない。特に、中国茶や日本茶の類いは滅多に飲まない(麦茶は好きだが)。
でもお茶って軽いし金額も幅広いし、ギフトで頂く機会が多いアイテムだ。渡仏を考え始めた頃から「日本では頂いても全く飲まないお茶たちなので、開封せずにパリへ連れて行く」と決めていた。そんな決意を経て、遥々海を越えて共にやってきた同志がお茶っ葉たちなのだ。

フランスにいるとハーブティーが美味しい!一体どういうカラクリでこんなに印象が変わるの?不思議すぎる。
もはや寝る前に(仕事中も夜帯では)ハーブティーを毎日飲むので、近所のスーパーで茶漉し付きの保温ガラスを購入した。安かったので味気ないデザインだが、洗いやすさと使い勝手を重視している。

せっかく具合が悪いのだから今こそこれを飲む時だ、と、Mちゃんに選別で頂いていた櫻井焙茶研究所さんのお茶を淹れてみた。焙じ茶ベースに桜葉と山椒が入っているという。うむ、とっても気になる組合せ。

最近気づいたのだが、コーヒーも私は意外とアメリカンが好きで(深煎りのカフェラテも好きですが)、お茶も薄く入れて風味をまろやかに探したいタイプ(我ながら良い感じに言うが味覚音痴か?)。まあ、出汁のようなものなのだろう。自分の好みに合わせて、ほんの少量の葉っぱでたっぷりお湯を注ぐ。

色が少しだけピンクがかっているのは桜の影響だろうか?

飲んでみたらたまげる美味しさだった。
焙じ茶なので芳ばしいわけだが、枝から枝枝しさだけを取り除くことに成功している"枝み"に感動した。それが葉の部分と調和していて両者に隔たりを感じない。

森をぐんぐん進んでいる時、時折ポキッと靴底から枝の音(ね)を聴いたり、葉っぱの絨毯の厚みを感じたりするが、まさにそれらの感覚と景色が味覚で再現されていた。すごくない?ちょっとびっくりしてしまったよ!お茶の焙煎って画家のような仕事なんだな。面白いね。

そして、この日本の自然の素晴らしさをここ(パリ)にいるから感じられる。この土地の気候でこそ、私はお茶を心から楽しめることができるのだから。パリの何がそうさせるのか分からないけれど、パリにいる間はお茶を沢山楽しみたい。

いずれにしたって雑巾みたいにざらざらの珈琲を淹れるお店が多いし(日本語で書いてる日記だからってフランスの悪口言い過ぎ!)、フレンチプレスという私の味覚に1μもフィットしない恐ろしく不味い珈琲(あくまで主観)との遭遇率が90%を超える"コーヒー・マズマズ・カントリー"なわけだから、お茶革命は救世主的ビッグニュースだ。

櫻井焙茶研究所のお茶をたっぷり2杯もおかわりして、制作の筆も進んだ。PCで制作しているんだけど、進んだ筆は毛筆という設定なので、そのままの勢いで豪快に振り払うように広告音楽の譜面も譜面作成ソフトで作った。

作風があまりにも対極の二つなので、どちらの作業をする時も「これって本当に私が作った曲なのかなぁ、嘘みたいだよね」と不思議な気持ちになりながら作業をした。完全に他人事である。

さらに調子に乗って、パリのエージェントに提出する英語でのエクセル資料も作った。最近、英語の文章を書くのがちょっと好きになって、Instagramのストーリーは英語で文章を書くようにしている。

さて、もう朝の4時。まだまだ身体は本調子ではないのだから眠ろうと思う。

ボンヌニュイ!

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