野楽里くらり

打算的なバルマカン

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好きな映画とドラマを一文ずつ説明していく系の自己紹介

おそらく小説を上げていくと思うのに、以下の通り、好きな映画とドラマを列挙していくのを、自己紹介の代わりにしたいと思います。 まずは映画 ・余命いくばくもない男二人が天国で仲間外れにされないように盗んだ車で海を見に行く映画 ・雪国の少女二人が、たくさんの時間を漫画に捧げる映画 ・とある五歳児が、北関東一の総合アミューズメントパークで不思議な大冒険を繰り広げる映画 ・とある五歳児が、戦国時代にタイムスリップし青空を模した旗印の侍と出会う映画 ・うだつの上がらない二人の役者が、

    • 良いことに気がついた

       あのですね、弊僕にはライトな希死念慮が度々あるんですけどね、もしも実行に移すとしたら、という妄想にシフトして、どうせならインドネシアンシーネットルに刺されて——たい。  でも、それは烏滸がましいという感情が——たいと思うことの邪魔をする。  ↑は、念慮するに毎回留まる(だから生きている)落とし所として、丁度いい。というのも、誰かに希死念慮について打ち明けたならきっと、慎重に返事を選べる人(僕との親密度に関わらない)は、上記のような状態の僕に対して良い言葉をくれると思う。

      • セルフネグレクトのお供に

        こんなキャッチコピーが採用されるはずがない もし自分が、どっかの何かの広告の、キャッチコピーを考える仕事をしていたとする。みんな三つ案を出す。自分だったら、一つ目は正統派な案。二つ目は、一つ目とは切り口を変えた案。そして三つ目に軽くふざけた案。  三つ目の、軽くふざけた案は議論の活性化を促すための、ほんの、話のネタとして機能させることを狙ってのものだったり、でなきゃ案の水増し要員だったりするもの。  で、その三つ目を延々と考えることは、仕事じゃ出来ようがない。ので、仕事じゃ

        • 郊外歩きvol7.煙町

           この村は、いつだって煙たい。正確には、蒸気のせいだ。どの建物を見ても煙突のようなパイプや、換気口がついている。瞳の色は緑が多いか。村の子供はみんな、蒸気機関についての授業が必修で、村の誰もが機械いじりを得意とする。何かしら工具をいつも腰に下げ、肩から下げているタオルは人のではない油で真っ黒だ。だが、宿にあるタオルはちゃんと真っ白だった。ベットシーツも、枕カバーも真っ白だ。聞くところによると、この町の人は毎日湯船に浸かるらしい。部屋にはユニットバスがあったが、ここの名物は「露

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        好きな映画とドラマを一文ずつ説明していく系の自己紹介

          和洋雪中庵

           鹿威しが鳴ると急に冬が来た。雪を被った紅葉の色は、紅梅より濃かった。  草ぶきの小屋の中で少年は視線を外に向けた。呆気にとられて開いた口から、ほうっと白い息が出たあと、鼻の奥がツン。かじかむ手。  噴水に落ちた椿は、薄氷の上では揺蕩うことが出来ずに静止している。 「噴水の中央に立つエルフの少女像にコートをかけてやったら、笠地蔵みたく恩返しをしてくれる?」  少年はそんなことを考えたが、着ていたのは綿入れ。可愛い彼女のお眼鏡に叶いそうではない。  いよいよ季節を替え