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本がたどった跡を追いかけてみると面白い【徒然読書41】

昨今では、数多の世界史に関する本が出版されている。

感覚としては大きな歴史としての全世界史と言うよりは、特定の分野に焦点を当てた小さな歴史が多くなっている気がする。

小さな歴史の中でも面白いなと思ったのが、こちら!


本書では、「奇書」を「数奇な運命を辿った書物」としてとらえています。

過去の価値観といまの価値観との違いが分かれば、将来の価値観も見えてくるはずです。

p7

こんな方にオススメ!

✔今に残っている本がどういう経緯で残ったのかを知りたい方
✔歴史に関する本を読みたい方
✔マニアックな本を読みたい方


14冊ものの奇書が取り上げられているなかで、興味を持ったのは、以下の2冊です。

①ルクレティウス『物の本質について』
②サンゴルスキーの『ルバイヤート』

物の本質について、は「物理の教本と人生論を合わせた啓蒙書のような書籍」でありルクレティウスがエピクロスの思想を残した本です。

驚くべきことは、紀元前1世紀にして、原子論の嚆矢が見えるのです。

またエピクロスの快楽主義は、死んだ後の救いを求めるのではなく、現在を楽しく生きるというものでしたが、これは宗教改革前夜の時期は異端とされました。

この異端とされた本が、マキャベリ、ガリレオ、ニュートンに読まれるようになるには偶然の積み重ねと「発見」した人々の尽力によるものでした。


②『ルバイヤート』自体はウマル・ハイヤーム(1048ー1131)というセルジューク朝時代の人物が書いたと言われる詩です。
彼は博識で大賢者と呼ばれていたぐらいでした。

サンゴルスキーとは何かというと、20世紀英国の装丁店の名前です。

『ルバイヤート』の外装を担当し、この世で一番美しい本といわれていました。

しかしながらこの本をめぐって、数奇な出来事が起こるのです。
タイタニック号で沈み、製作者は不審死し、複製も紛失する…

現在は復元され、大英博物館に保管されているそうです。

美しすぎると不思議な力が働くのでしょうか…?


『奇書の世界史』をきっかけに、『物の本質について』『ルバイヤート』の内容を読んでみたいと思ったので、早速ポチってみました。

教科書では学べない面白い歴史を知れますので、ぜひ手に取って見てください。

ここまで読んでくださりありがとうございました!

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