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映画「Tomorrow パーマネントライフを探して」

はじめに

SDGsのいくつかの答えがここにあります
複雑なゴール設定で、何をすればいいのかわからないSDGsですが、
ストローを使わなくなることで、何が変わる?
ファストファッションを止められるわけではない
巨大企業との関わりも断つことができない
グレタさんの主張はわかるけど、ちょっと過激だ
SDGsって何なんんだろうって思って人にも、今の問題といくつか解決方法をこの映画は提示しています。

映画の概要

人類は絶滅する可能性があると21人の科学者グループが「ネイチャー」誌に論文を発表
気候変動による地地殻の破壊と人口増加が人類を滅亡に導く
地上の生態系は完全に変わると科学者たちは言う
少なくとも1万1000年前の氷河期に匹敵すると
我々は太古のように世界規模で絶滅の危機に瀕しているのか
過去には地殻変動で多くの種が絶滅している

という論文に衝撃を受けたジャーナリストが5つのテーマについて現在の状況を確認していく。

2015年の映画なので、日本でSDGsの認知が大きくなる前に作られたものだけど、この方向性でしか明るい未来はないんじゃないかって思えてくる
だから、僕はこれがSDGsの答えだと思っています。
人間も捨ててもんじゃないと思える映画

おフランスの映画なので全体的にオサレで
各章の合間に流れるポップな音楽が
堅苦しさや深刻さを薄めて肩の荷をおろして見させてくれる。

さて内容について

それぞれのテーマ

1.農業

かつて工業都市だったデトロイトは、産業の衰退と共に人口が200万人から70万人に減り、流通も滞り申請しても新鮮な食料が手に入らなくなった。そこで空いた土地で作物を作って「都市農業」を形成

  1.  時給自尊のまちづくり

  2. 70%は都会に住んでいる

  3.  搬送に費用がかからない

  4.  イギリスの村でも同様の活動


2.エネルギー

化石燃料からの脱却が必要

コペンハーゲン(デンマーク)風力発電、40年かけて再エネ100%自給に、
レユニオン島 太陽光と農業の共存
再生エネルギーは一度、買えば太陽も風もフリー(無料)だ

大手電力会社の垂直型の経済尺度ではなく数百万の小売業者が、太陽、風、地熱の電力を1つにまとめることで、小規模な原子力を上回る。
化石燃料は、再生可能エネルギーに代替えできるけど、それだけでは不十分で、使用量を減らしてく必要がある


現在のエネルギー消費量は6-65%は減らせる
• フランスでは、待機電力のために原発が建てられている
• スマートフォンを1つ作るのにCO2が57kg排出される
• ビデオゲームのアバターにエチオピア人の40人分の電力を使っている
• 我々は、エネルギーの80%を輸送や冷暖房に使っている

1500kgの重さの車が町を走るのは妥当か?たかが70kgの人間を運ぶために。
慣れっこになっているのが問題減らすことができる

コペンハーゲン 
5人に4人が自転車に乗ってる
67%が自動車を使わない2025年までに75%を目指している
健康にもなる、人とあって話す。活動的で持続可能な健全な都市になる

サンフランシスコ 
 ゼロウエストとは、すべての物を再利用して、埋め立てたり高温で焼却しないこと。 ゴミを3つ(緑:生ゴミ→コンポスト、青;リサイクル 黒:その他)に分けている。リサイクルを行わない企業や個人は罰せられる。逆にリサイクル量に応じて割り引かれるシステム
各都市のリサイクルは75%で 150万人の雇用を生んだ

不合理なグローバルシステムの1つが”無限の経済成長”だ。
その解決策として言い続けられる問題は人間は貪欲で、
「貪欲な人間は地球を見ない。最終的に金儲けだけが目的になる」

3.経済

「いかにして無限の成長も地球破壊をせずに富と雇用を生み出すのか」
が経済の課題

19世紀につくられた資本主義は金融資本主義に毒され、今では金融に毒され株主に利益を分配すること、株主が金持ちにならねければいけないシステムになっている。一方、フランスでは1000万人が貧困にあえぎ350万人が未職中

銀行の端末に10,000と入力するとポンとお金は創造される。市民が知らないううちにトップが資産を吸い上げるソ連も中国も同じシステム国家ごとの単一通貨は、畑の疫病や水不足の原因になる単一栽培と同じぐらい悪い ”金を作るものは国家を統括できる”

ヴィール銀行 15名の企業家が無利子の通貨を作り企業間の取引を法制化させた2年間で2000名に増え6万の中小企業で流通
貯金している金には利子がつかない・・・貯められない
経済力の弱い地域でのみ相互作用が必要だ
多国籍企業が儲からないように経済の生態系を守っている
生態系を維持するために取引先との相互作用が必要

金の背後にあるのは、相互の信頼

イギリスのブリストル 地域通貨でお店やレストランだけじゃなく地元の企業も寄与して地域の経済を回し地消地産の小さな経済を実現している

フランス ポシュコ社 封筒を作る会社
利益を株主に回さずに、設備投資や工場内の改善に使う。
格差がほぼない
木を切ったら苗を植えるなど巡回型社会が実現できるように活動してる

大企業は自分たちが住んでいる場所に興味がない。そのうち政治を支配する

4.民主主義

アイスランド 金融危機を発端に政府と中央銀行から民主主義を取り戻す
無作為の1000人が政策提言し、新憲法を制定 国民の67%が賛成しているのに保守党が反発

インド 最下級のカースト出身の村長が、身分の垣根をなくし、なんでもみんなで決める集会「グラムサバ」を開いた。集会で決まったことは、その後村民が計画し実行されていく

5.教育

フィンランド 詰め込みじゃない教育方針

  1. . 統一テストがない

  2.  ほかと比較する教育をしない

  3. 7-16歳まで教科書、健康相談などすべて無料

感想とSDGsに

環境保全に対する意識って思った以上に欧米は高くて、カルフォルニアのリサイクルとかレジ袋がないのも当たり前だし、路地栽培も当たり前

日本に目を向けると90年代ぐらいまでは省エネとかECOとか活動も盛んだったし、かつては日本の太陽光パネルは世界一だった
石油ショックの時に原子力に大きく舵を切った日本も311の事故でそれどころではなくなり、再エネにシフトすることができないまま電力料金値上げに喘いでる。(再エネにしたからと言って電気料金は下がらないけど)

金融に関してもリーマンショックの時、日本では銀行が潰れるほどのダメージを受けなかったからか、中央銀行や政府が転覆するほどの国民の怒りもなく今に至る。
失われた20年とかいわれますが、過去からの積み重ねで今がある。
現状として、いつの間にか日本は想像以上に遅れてる国になっちゃてるじゃなかなかって思う

グレタさんで注目を集める環境活動家も根底として欧米の環境活動への意識の高さがあって、若者たちが動いてるってところが大きい
日本にだってわかってるZ世代も多くいるのでしょうが、
メディアで大きく取り上げられるSDGsは何か商売の延長なんじゃないのか、インチキ臭さがぬぐえない。
確かに大手企業によるグリーンウォッシュは、巧妙なイメージ戦略で表面的に見える部分だけ信じるとやられてしまう。

資本の拡大だけを目的に欲望のままに拡大していったグローバル社会に反して、自然エネルギーとか地消地産とか地域通貨のグリーンエコノミーという小さいけれど循環型の経済を拡げていこうというのがSDGsな気がするのですがいかがでしょうか?

この映画を見て何か動くきっかけと、間違わない方向性が伝わってほしいと切に願う



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