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《10》「士業」の事例

今回のテーマは「士業」です。

いわゆる士業とは、「○○士」とつく職業のことで、弁護士、税理士、社会保険労務士、行政書士、土地家屋調査士、不動産鑑定士など様々な専門家がいます。

しかし、士業がSDGsへの取り組みの発信をしている事例はあまり見かけることがありません。また、「士業としてどのようにSDGsに取り組んだらよいのか分かりづらい」という声もよく聞きます。

そこで、今回は事例ではないですが、私自身も「司法書士」という士業の一人として、「士業とSDGs」についての私見を書いてみたいと思います。

まず、士業によって業務内容が全く異なりますので、一律にゴール設定をすることは難しいです。

そこで、どの士業にも当てはまりやすいゴールが、ゴール4「質の高い教育をみんなに」です。

士業は事務所で働くスタッフも含め、それぞれ各分野の専門家であることから、個人や企業などが自ら行うのが困難な手続きを専門的知識を用いて代行したり、専門的なことをできる限り分かりやすく伝えて理解して頂くといった「人に教え、伝える」ということを日々の業務で実践しており、そのスキルが高いと言えます。

そのため、普段は当然のように行っている業務が実は一般の方にとっては「質の高い教育」になるという意識で取り組んでみると、営業や広報の工夫など、自身の業務を改めて見直すきっかけになるのではないでしょうか。

そして、ゴール4から派生して防災や減災につながる取り組み(ゴール11
「住み続けられるまちづくりを」)、働きやすい職場づくりの支援(ゴール8「働きがいも経済成長も」)、誰もが司法にアクセスできる機会の提供(ゴール16「平和と公正をすべての人に」)など、各専門分野からサポートすることで貢献できるゴールは多数あると思います。

ぜひ一度、「自分の専門分野がどんな社会課題解決につながっているのか」をSDGsのゴールを見ながら整理してみることをお勧めします。

また、士業は前述した高いスキルを活用し、講演の場などでSDGsそのものを様々な方に少しずつでも伝えることができたら、本業への付加価値にもなるのではないでしょうか。

このように、すぐに利益に結び付くようなインパクトの大きい取り組みは難しいかもしれませんが、SDGsを活用して自らの資格の意義を再認識し、より国民に身近な存在になったり、今後の方向性を見直すきっかけになったりなど、SDGsを学び、その視点で考えること自体がこれから「AI
化」していくであろう士業の未来において大切である
と考えます。

士業はもともと「お客様のお役に立ちながら社会に貢献したい」という使命感を持った志の高い方が多いと思います。

ぜひ、同じ志を持つ士業の皆様にSDGsに触れて頂き、一緒に考え、そして伝える仲間になっていただきたく思います。


※「司法書士とSDGs」について私の考えをより詳細に書いた記事もありますのでよければお読みください。


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