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【Scuola Cafe6月】 「子どもが中心の社会とは 〜教育と社会の繋がりについて〜」 Part1

Scuola dei Bambini主催、
「子どもたちが最適に学べる」社会について共に考えるオンライン交流会
本日は6月のScuola Cafeのレポートです♪

6月のテーマは、「子どもが中心の社会〜教育と社会の繋がりについて〜」を参加者の皆様と一緒に考えました。

突然ですが、皆さんにとって
「子どもが中心の社会」とはどのような社会でしょうか。
あまり馴染みのない言葉かもしれません。

教育においては、「児童中心主義:Child-centered education」という
児童を大人や教師中心の立場からみて教授・訓練するのではなく、児童の人格とその独自性を認め、児童の自由・活動・興味・自発性を尊重して、教育はすべての児童の発達を中心として行われるべきでるという主張があります。

今回のScuola Cafeでは、はじめに、
参加者の皆さんに各々が考える「子どもが中心の社会」について意見を出し合ってもらいました。
参加者の方々の声

・大人の時間軸で考えずにこどもの時間軸で物事を考えること
・子どもがやりたいと言ったことをとめずにやれること
・自分の感情を親に隠さない
・こどもにとっての幸せとはなんだろう、、、
・自分で物事を選択できる

■UNICEF レポートカードからみる「子どもの幸福度」

コロナ化の2020年9月にUNICEF より発表されたイノチェンティ レポートカード16 「子どもたちに影響する世界 −先進国の子供の幸福度を形作るものは何か−」では、先進国38カ国の子どもの幸福度に関する多層的なモデルが策定されました。

UNICEF レポートカード16
子どもの幸福度に関する多層的モデル

このモデルでは、枠組みの中心にこどもがいます。

子どもの幸福度は以下の3領域で影響を受けていると考えられています。
【子どもの世界】行動・人間関係
【子どもを取り巻く世界】ネットワーク・資源
【より大きな世界】政策・状況

子どもの幸福度を表す結果は、
・精神的幸福
・スキル
・身体的幸福

の3つの視点で調査され、それぞれこどもの死亡率や
学習到達度などの客観的視点と
生活に満足しているか、友だちができると感じているかなど、
子どもの視点から表現される主観的なもので構成されています。

■日本の子どもの幸福度

それでは、日本のこどもの幸福度はどうでしょうか。

子どもの幸福度


総合順位では、38カ国中20位です。
皆さんはこのランキングを、高いと思いますか、低いと思いますか?
ちなみに、前回調査(2013年)では総合6位でした。

次に、カテゴリ別に見ていきましょう。

①身体的幸福度:1位
身体的幸福度は、子どもの「死亡率」「過体重の割合」から算出しています。
どちらも国際的に比較して低く、体の健康は保障されているということがわかります。
特に「過体重の割合」は38ヵ国中最も低いです。

②スキル:27位
スキルは、「数学・読解力分野の学力」「社会的スキル」の2つの指標から順位を決めています。

数学読解力はトップ5に入っています!
一方で、社会的スキルを見てみると、、、

社会的スキルは、「すぐに友達ができると答えた15歳のこどもの割合」という指標で調査しています。
日本のランキングは…チリに続くワースト2位です。
ランキングトップ7の国は80%以上の子どもがすぐに友だちができると感じているのに対して、チリと日本は70%未満にとどまっています。
つまり、スキル面では学力は国際的にトップクラスであるものの、社会的スキルは非常に低いことがわかります。

この結果を見て、皆さんはどのように感じるでしょうか?


③精神的幸福:37位
精神的幸福度とは、単に精神的不調がないことのみをいうのではなく、
より広い意味のポジティブな精神の働きも意味します。
ポジティブな精神の働きとは、具体的には幸福感や、生活に対する満足感、充足感などの感情も含まれます。

このカテゴリーでは「生活満足度が高い割合」と「子どもの自殺率」を指標にランキングしています。
日本は、38カ国中37位。。。

日本国内でも大きな問題となっている、自殺問題。
国際的に見ても、ワースト12位で低い順位とは言えません。

そして、精神的幸福度において一番問題となったのが生活満足度です。

トルコに次ぐワースト2位。
15歳の子どもたちが、生活の満足度を10段階で表す質問に「6」以上で答えた割合のランキングで、日本は40%近い子どもが「5」以下と回答しているのが現状です。

このことから日本は、身体は健康だけれど、精神的、心は不健康であり、
「メンタルヘルス」の重要性が叫ばれています。

■子どもの幸福度ランキングトップの国

「それでは、1位はどこの国なの!?」
と気になるかと思います。

子どもの幸福度ランキングトップは、
オランダ🇳🇱です!
ちなみに、オランダは前回(2013)のランキングから2回連続で1位になっています。

カテゴリ別に見ると、、、
精神的幸福度…第1位!!
日本がワースト2位に対して、
「生活満足度」が38ヵ国中で1位で、今の生活に満足している子どもの割合が世界一(90%)と言われています。

【総合】…1位(20位)
▶身体的健康…9位(1位)

・子どもの死亡率…19位(9位)
・過体重の割合の少なさ…10位(1位)
▶精神的幸福度…1位(37位)

・生活満足度の高さ…1位(ワースト2位)
・自殺率の低さ…15位(ワースト12位)
学力・社会的スキル…3位(27位)
・数学・読解力分野の学力の高さ…16位(5位)
・社会的スキルの高さ…4位(ワースト2位)

この違いはどこから来るのでしょうか…?

次回の記事では、日本とオランダの比較を踏まえながら
子どもが中心の社会と幸福について紐解いていきます!

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