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【Scuola Cafe6月】 「子どもが中心の社会とは」 Part2 〜オランダ🇳🇱の社会〜

Scuola dei Bambini主催、
「子どもたちが最適に学べる」社会について共に考えるオンライン交流会
本日は6月のScuola Cafeのレポートです♪

前回の記事では、UNICEFのレポートカード16の子どもの幸福度の結果を分析していきました。

ここからは、
子どもの幸福度ランキングトップのオランダと日本を比較しながら、
子どもが中心の社会について考えていきます♪

■オランダ🇳🇱の教育について

オランダは「教育の自由」があり、公立校だけでなく、私立も含む全ての学校に国から同等の教育費が支給されています。
それだけでなく、各学校や教員の自由裁量権が高く
このような背景から、
モンテッソーリ教育、シュタイナー教育、イエナプランオルタナティブ教育ダルトン教育、フレネ教育などオルタナティブ教育が広がっています。

様々な教育手法がありますが、これらの教育に共通しているのが、
個性の重視と社会性の尊重です。

個性の重視と社会の尊重は以下のように定義されています。

個性の重視とは、
子どもの自発的な好奇心や探求心を刺激し、個々の生まれもった性質や能力に応じてその成長を助けるのが教育だという考え方。
社会性の尊重とは、
子どもを学校という世界に閉じ込めるのではなく、家庭や地域、自然界、そして教師や生徒との関わりを通して外界との関係に目覚めさせ、子どもが置かれている生活環境の延長線上にあるより大きな社会や、世界との関わりを重視するということ。

【オランダの教育】個性と社会性を育む“オルタナティブ教育”

■オランダで感じる子ども中心の社会

このように個性の重視と社会の尊重が大切にされているオランダはどんな生活でしょうか。
代表の大谷がオランダで感じた社会についてエピソードを語ってくれました。

▶大人全員で子ども達のケンカを止める!?

皆さんは普段の生活で、子ども達が取っ組み合いのケンカをしていたらどのような行動を取りますか。
・ケンカを止めず、見て見ぬ振り。
・その場を避けるように通る
・ケンカを注意する
・話を聞く
等様々な選択がありますが、多くの人が「関わらない」選択をするのではないでしょうか。

大谷は、まさにオランダでバスを利用している時にそのようなシーンに出会ったそうです。
喧嘩しているな、、、と思いつつも、その場を去ろうとすると
なんと
バスの運転手さんがバスを降りて喧嘩を止めに入ったそうです!
さらに、バスの乗客の方々も総出でバスを降りて喧嘩を止めに入り、
その場が収まりました。
大人は、喧嘩をしていた子どもたちにむかって、
・なぜ大人たちがこどもの喧嘩を止めているのか
・取っ組み合いのケンカがなぜよくないのか
・皆がバスから降りて、子どもたちに時間を使っていることによる社会的な影響

まできちんと伝えていたそうです。
見て見ぬ振りをせず、「ケンカはだめ」で終わらすこともなく、
子どもたちに社会の大人一人ひとり向き合うエピソードがとても印象的でした。

▶公園の建設にこどもの意見

もう一つ印象的なエピソードは、こどもが自由に意見を述べられる環境が整っていることです。
オランダでは、人々が暮らす土地に「自然」があることと「公園」があることはとても重要と考えられていて、都市部でも多くの公園があります。
住宅不足のオランダでも、自然は「必要なもの」とカウントされていることも日本との大きな違いですが、
興味深いのは、公園の建設に子どもも参加し、意見を自由に言えるそうです!
公園で遊ぶのは子どもたちですが、子どもが建設から関わることは日本社会ではほとんどないような気がします。

子どもが社会の中で自由に意見を発することができるのは、
子どもの幸福度を高めるだけでなく、社会における自分の責任感も養うものになるのではないでしょうか。

■オランダ社会に根付くシティズンシップとは

異文化共存の社会であるヨーロッパ諸国ですが、オランダではシティズンシップ教育が義務付けられています。
オランダの学校で言われるシティズンシップ教育は「民主的」シティズンシップです。
「民主的」シティズンシップでは、
①個人の責任(秩序の維持や法の遵守)
②社会参加
③社会的正義の実現
が重視されています。つまり、オランダ社会では、個人の責任や社会参加だけでなく、一人ひとりの子どもが自分の独立の自由意志に照らして「社会的正義」を実施でき、また他者の自由意志も受け入れる市民になることを目指しています。
 ※参考 オランダの「民主的」シティズンシップ教育 その理念と背景

このような価値観が教育の中に浸透していることで、
社会においても、大人、子どもという立場に関わらず「市民」として自由に意見を発信し、互いの意見を尊重できる環境がオランダでは整っているのかもしれません。


ここまで、子どもの幸福度1位のオランダの社会に触れてきましたが、
世界的に見て子ども達が自由に意見を発信することができる環境は
どれくらい整っているのでしょうか。
Part3では、子どもの「参加」の視点から、子ども中心の社会について考えていきます。





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