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金田アツ子の温室

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清廉な抒情を少女と花に託す画家・金田アツ子の小部屋。馨しい植物画を中心に、やさしい視線で描かれた作品を発表します。
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温室の別扉《2》|新訳付作品集『Emily’s Herbarium』

 温室の馨しい風景を植物標本のように綴じた箱入アートブック、新訳付作品集『Emily’s Herbarium』を限定刊行いたします。  ウィリアム・モリスのケルムスコット・プレスに憧れて、1999年プライベート・プレス「Club Noohl」を設立、これまで限定版アートブックや蔵書票を制作発表してきました。今回は2018年以来、久しぶりの刊行となります。    アンティークの植物標本をイメージして、全ページ手切り紙を使用。別刷り作品ページは押し花をするように一枚一枚手貼りし

金田アツ子&Belle des Poupee二人展|DAY 6

 アメリカの詩人・園芸家、エミリー・ディキンソンにオマージュを捧げ、六日間に渡りお届けした金田アツ子 & Belle des Poupee二人展《エミリー・ディキンソンの温室》は、本日無事閉幕致しました。  オンライン上にひととき花ひらいた馨しい温室へ、訪れて下さいました皆様に心より深く感謝申し上げます。  菫色の小部屋を2015年にオープンして以来、折々の展覧会でご活躍頂いてきた二人の敬愛する霧とリボン常設作家、画家の金田アツ子さまとアクセサリーブランドBelle

金田アツ子&Belle des Poupee二人展|作品集より《520番》

 本展にて同時刊行される新訳付作品集『Emily’s Herbarium』には、翻訳家・維月楓さまによるエミリー・ディキンソンの詩六篇の新訳と、各詩を題材に制作された金田アツ子さまの絵画、Belle des Poupee様の布花アクセサリーが掲載されています。*作品集の詳細は11/1〜2に発表します  本コーナーでは、六日間に渡り、それらを一篇ずつご紹介していきます。エミリー・ディキンソンの詩にはタイトルがありません。通常タイトル扱いとして、詩番号(本展ではフランクリン版)と

金田アツ子&Belle des Poupee二人展|温室の風景|DAY 6

 ディキンソンの織りなした詩はアメリカ詩の中で永遠に生き続け、彼女が語った言葉や強い信念に基づいた独特な生き方もまた何度も復活を繰り返し、わたしたちに生死や孤独について考える新しい種を与えてくれています。 .....維月 楓(新訳付き作品集『Emily’s Herbarium』収録エッセイより抜粋)  初冬の足音が聞こえてくる頃、ひととき扉を開いた美しい温室。  一冊の詩集に眠る花々を、ひとりは絵画に、ひとりはアクセサリーに、そしてひとりは訳詩として摘み、新しい生命を吹き

金田アツ子&Belle des Poupee二人展|DAY 5

 晩秋の美しさが降り注ぎ、内側から輝きを増しゆく温室の風景——  金田アツ子 & Belle des Poupee二人展《エミリー・ディキンソンの温室》DAY 5に訪れて下さいました皆様に深く感謝申し上げます。

   早いもので明日最終日。  美しい花々が咲き乱れる温室の終幕の時間が近づいてきました。 ★温室の別扉のお知らせ★  終幕を前に、秘密の小部屋へと続く温室の別扉が見つかりました♪  ご案内しておりました新訳付作品集『Emily’s Herbarium』と

金田アツ子&Belle des Poupee二人展|作品集より《92番》

 本展にて同時刊行される新訳付作品集『Emily’s Herbarium』には、翻訳家・維月楓さまによるエミリー・ディキンソンの詩六篇の新訳と、各詩を題材に制作された金田アツ子さまの絵画、Belle des Poupee様の布花アクセサリーが掲載されています。*作品集の詳細は後日発表します  本コーナーでは、六日間に渡り、それらを一篇ずつご紹介していきます。エミリー・ディキンソンの詩にはタイトルがありません。通常タイトル扱いとして、詩番号(本展ではフランクリン版)と初行が明記

金田アツ子&Belle des Poupee二人展|温室の風景|DAY 5

庭や温室に花を育てることは、自己の内面の世界で詩作を行うことと通じているようです。 .....維月 楓(新訳付き作品集『Emily’s Herbarium』収録エッセイより抜粋)  閉館まであとわずかとなった温室——エミリーが温室で内面と対話しながら植物たちを育てたように、画家、アクセサリー作家、翻訳家の仕事が静かに息づいています。  扉をあけて、どうぞゆっくりその息遣いをご高覧くださいませ。 * * * * * * 作家名金田アツ子 作品名|私の星はどこにも

金田アツ子&Belle des Poupee二人展|DAY 4

 金田アツ子 & Belle des Poupee二人展《エミリー・ディキンソンの温室》も本日より会期後半となりました。  秋晴れの健やかさが温室にも満ち満ちた一日。扉をぬけて、温室へ足を踏み入れてくださった皆様に、心より感謝申し上げます。  エミリーが頁の中に封印した花々たち。詩集を紐解くと同時に、その時代時代の空気に触れ、花々は咲き続けてきました。  私たちは、どんな花を咲かせることができるのでしょう?   本展は、現代に生きる三人の女性——画家、アクセサリー作家

金田アツ子&Belle des Poupee二人展|作品集より《8番》

 本展にて同時刊行される新訳付作品集『Emily’s Herbarium』には、翻訳家・維月楓さまによるエミリー・ディキンソンの詩六篇の新訳と、各詩を題材に制作された金田アツ子さまの絵画、Belle des Poupee様の布花アクセサリーが掲載されています。*作品集の詳細は後日発表します  本コーナーでは、六日間に渡り、それらを一篇ずつご紹介していきます。エミリー・ディキンソンの詩にはタイトルがありません。通常タイトル扱いとして、詩番号(本展ではフランクリン版)と初行が明記

金田アツ子&Belle des Poupee二人展|温室の風景|DAY 4

 ディキンソンは町の人々にとって詩人というよりも園芸家として知られていました。女性が書き物をすることが制限されていた時代において、花々を育てることはディキンソンにとって詩を書くことに加えてもうひとつの創造の場所となっていたのです。 .....維月 楓(新訳付き作品集『Emily’s Herbarium』収録エッセイより抜粋)  時代を超えて美を紡ぐ女性たちの苑——花々を慈しむ温室へ、本日もようこそいらっしゃいました。  4日目の温室はいっそう瑞々しく、花々のおしゃべりが

金田アツ子&Belle des Poupee二人展|DAY 3

 金田アツ子 & Belle des Poupee二人展《エミリー・ディキンソンの温室》——会期前半三日間が終了致しました。温室の花々を楽しんでくださいました皆様に、深くお礼申し上げます。  お気に入りの花々は見つかりましたでしょうか?  エミリーの詩に咲く花と押し花標本に魅了され企画した本展では、詩人としてのエミリーに加え、園芸家としてのエミリーにもオマージュを捧げています。  実は、同時刊行の新訳付作品集『Emily’s Herbarium』に維月楓さまが寄せてく

金田アツ子&Belle des Poupee二人展|作品集より《1368番》

 本展にて同時刊行される新訳付作品集『Emily’s Herbarium』には、翻訳家・維月楓さまによるエミリー・ディキンソンの詩六篇の新訳と、各詩を題材に制作された金田アツ子さまの絵画、Belle des Poupee様の布花アクセサリーが掲載されています。*作品集の詳細は後日発表します  本コーナーでは、六日間に渡り、それらを一篇ずつご紹介していきます。エミリー・ディキンソンの詩にはタイトルがありません。通常タイトル扱いとして、詩番号(本展ではフランクリン版)と初行が明記

金田アツ子&Belle des Poupee二人展|温室の風景|DAY 3

 ディキンソンの作品には400もの花々が登場し、詩を読むことによって彼女が育んだ庭と温室に足を踏み入れることができるかのようです。 .....維月 楓(新訳付き作品集『Emily’s Herbarium』収録エッセイより抜粋)  やさしい秋の光を受けて、女性たちが紡いだ美しい花々が今日も馥郁たる香気を放っています。  詩人、画家、アクセサリー作家、翻訳家の息遣いに、どうぞ静かに耳を寄せてみてください。 * * * * * * * * 作家名金田アツ子 作品名|

金田アツ子&Belle des Poupee二人展|DAY 2

 秋晴れの一日。ここオンライン上の温室にも、健やかな風が通り過ぎていきました。  金田アツ子 & Belle des Poupee二人展《エミリー・ディキンソンの温室》DAY 2に訪れて下さった皆様に心より感謝申し上げます。  詩の森の入り口に立ち、鬱蒼とした言葉を前に時に分け入るのをためらう時、清流のある場所へとそっと案内してくれる維月さまの訳業は、行き先を見失わないよう励まし、エミリーとの対話をつなぐ羅針盤のような存在でした。  温室には、花々が咲くまでの長い旅程