金田アツ子&Belle des Poupee二人展|作品集より《1368番》
本展にて同時刊行される新訳付作品集『Emily’s Herbarium』には、翻訳家・維月楓さまによるエミリー・ディキンソンの詩六篇の新訳と、各詩を題材に制作された金田アツ子さまの絵画、Belle des Poupee様の布花アクセサリーが掲載されています。*作品集の詳細は後日発表します
本コーナーでは、六日間に渡り、それらを一篇ずつご紹介していきます。エミリー・ディキンソンの詩にはタイトルがありません。通常タイトル扱いとして、詩番号(本展ではフランクリン版)と初行が明記されます。
新訳付作品集『Emily’s Herbarium』*箱入り・限定370部
訳と解説:維月 楓
絵:金田アツ子
布花アクセサリー:Belle des Poupee
編集・造本設計・製本:Club Noohl
発行:霧とリボン
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ディキンソンの詩の魅力は、手のひらに乗るほどの小さな詩の中に、大きな世界が豊かに花開いているところにあります。それは、制限されることによって逆説的に生まれる無限性とも言い換えられるでしょう。
.....維月 楓(新訳付作品集『Emily’s Herbarium』収録解説より抜粋)
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*底本
Franklin, R. W. (ed.), The poems of Emily Dickinson, Cambridge: Belknap Press of Harvard University Press, 1998.
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作家名|金田アツ子
作品名|春からの仕返し
油彩・シナベニヤ
作品サイズ|19.8cm×13.5cm
額込みサイズ|26cm×19.5cm×2.5cm
制作年|2020年(新作)
*作品集『Emily’s Herbarium』掲載作品
ライラックの海の上で、馨しい香りを聞くように身をゆだねるひとりの少女。身をゆだねながらも、こころの中に、香りの届かない場所を持っている。面差しが少し大人びているのは、そのせい。
香りへの敬愛、好奇心と同じぐらい、警戒心を持っている。美しいものにすっかり身をゆだねてしまうことに、少しのためらいがある。息を止めなければ体に入ってくる美しい香りに、戸惑う日がある。
美への純粋で強い思い、それ故に揺れるこころの機微を、一枚の油絵にして——
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作家名|金田アツ子
作品名|リラの花「思い出」 *非売品
アクリルガッシュ・バロンケント
作品サイズ|9cm×13.6cm
額込みサイズ|19.6cm×15cm×2.5cm
制作年|2020年(新作)
*作品集『Emily’s Herbarium』掲載作品
*コラボレーション・ティタオル原画
リラ(ライラック)の小花ひとつひとつに命が宿るように描かれた、香り高い植物画。房の佇まいも華やか、温室の中央でちいさいながらはっと目を引く存在です。
花言葉は「思い出」——エミリーの詩に向き合い、制作に打ち込んだ今夏の思い出が込められているかのようです。
★お知らせ★
本作とエミリーの詩の一節を配したコラボティタオルが本展にて登場します。詳細後日。楽しみにお待ち頂けましたら幸いです。*ティタオルは原画の色彩を調整しています。
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作家名|金田アツ子
作品名|リラの花「思い出」
アクリルガッシュ・バロンケント
作品サイズ|5.8cm×12.8cm
額込みサイズ|23cm×15.8cm×3.2cm
制作年|2020年(新作)
*作品集『Emily’s Herbarium』掲載作品
*コラボレーション・ティタオル原画
端正な房の佇まいが魅力的なリラを描いた植物画です。いまにもたわわな花の房がゆれて、香りが流れてくるかのよう。
儚いゆえに煌めく花の生命を絵筆でとらえたアツ子さまの植物画シリーズ。それぞれの花のために選ばれた美しい額装も見所です。
★お知らせ★
本作とエミリーの詩の一節を配したコラボティタオルが本展にて登場します。詳細後日。楽しみにお待ち頂けましたら幸いです。
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ブランド名|Belle des Poupee
作品名|ライラックフェザーリボンコーム
布花(木綿)・アンティークオーストリッチフェザー・シルクサテンリボン
作品サイズ|高さ18cm/幅約8.5cm(ブーケ部分含まず)
制作年|2020年(新作)
*別ショットの画像をオンラインショップに掲載しています
優雅に揺れるオーストリッチのアンティーク・フェザーに、陰影美しいライラックと黒リボンが配された、洗練の一作です。
可憐な布花を添えながら、シックで臈長けた作品に仕立てるのもBelle des Poupee様の大きな魅力のひとつ。フェザーを使った作品群はその極みと言えましょう。
ライラックの布花は、100年以上前のコテを使用してひとつひとつ作られました。自室で静かに押し花を作る詩人と布花を丹精するアクセサリー作家——花を愛し美を紡ぐふたりの指先が時を超えて共鳴しています。
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