【声劇台本】022「赤い背表紙」
夜の本屋さんを舞台にした、キュンドラマ!
<配役>
安田ちほちゃん(16)高校1年生。
相沢亮くん(16)高校1年生。
ーーー本編ーーー
ちほのMO「夜の本屋さん。小説コーナーの片隅で本を読みふける君を見つけた私は知らぬフリをしてそっと近づいた。学校では見せない真剣な表情をした君がそこにいた。私はその表情に思わず引き込まれていた。君がちらりと私の方をみた。目が合ったので、私たちは軽く会釈しあった」
ちほ「あ、相沢くん。こんばんは」
相沢「安田。いま帰り?」
ちほ「うん。相沢君、何読んでるの?」
相沢「ミステリー」
ちほ「歴史系?」
相沢「それはヒストリーだよ」
ちほ「あっ!」
相沢「推理小説って言えばよかったかな」
ちほ「おもしろい!?」
相沢「僕は好きだけど」
ちほ「私、頭使う系の話読んだことないなあ……」
相沢「全然難しくないよ」
ちほ「そうなの?」
相沢「安田さんは何か探しているの?」
ちほ「私は……なんかおもしろい本ないかなーって。おすすめとかある?」
相沢「おすすめ?」
ちほ「うん。相沢くん詳しそうだから」
相沢「そうだな……。アガサ・クリスティとかいいと思うけど」
ちほ「ミステリー?」
相沢「正解。ここの棚にいろいろあるから読んでみたら?」
ちほのMO「相沢くんは私のために少し横に動いた。君の隣で本を探す。アガサクリスティの文庫本の赤い背表紙たちはどれも私の心を表しているようでなんだかドキドキした」
ーーーおわりーーー
今後の執筆と制作の糧にしてまいりたいと思います。