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人事トラブル相談所⑮「上司が違法薬物やってるんだけどクビにできないの?!~それでも彼はヤッている~」


必ず手にいれたいものは~~♪

誰にも知られたくない~~♪

百ある甘そうな話なら~~♪

一度は触れてみたいさ~~♪

(Y〇H、Y〇H、Y〇H)




と、口ずさみながら・・・

電車内でお尻に触れちゃったり・・・

人妻についつい触れちゃったり・・・

違法薬物に軽く触れちゃったり・・・

まだ、そこまではやったことがないプラダを着た悪魔の人事です。


最近は、本当に至る所で不祥事が起こっていますよね・・・。


→公文書偽造(これは政治家か・・・)

→議員特権不正使用(あ、これも政治家か・・・)

→公職選挙法違反(やっぱりこれも政治家か・・・)


だいたいが文春の仕業なんじゃないか説はさておき・・・
政治家やばいですね・・・


「それでも 僕は やってない」となってますよね、だいたいは。


と、政治家はさておき・・・


一般企業においては・・・

横領、情報漏洩、飲酒運転、痴漢、不貞行為、社内不倫、盗難、暴行など
だいたいの不正行為やトラブルを見てきましたが・・・


最近身近によくあるケースを・・・



自分の上司・同僚が違法薬物を使用・所持していたらどうしますか?


始末書だけでいいですか?

減給くらいで許しますか?

やっぱりクビにしたいですか?


色々なご意見があるとは思いますので、ちょっとだけお付き合いください。


私生活上の非行に対する懲戒処分


本題に入る前に、一般論となりますが・・・

企業秩序維持のために懲戒対象となるのは、企業の活動に関連するものや
企業の社会的評価へ大きな影響を与えるものに限られており、私生活上(い
わゆる業務外)の非行に対する懲戒権の発動は厳しいと言われています。


あくまでも業務と私生活は「別モノ」というスタンスですね・・


まぁ、仮の仮の話で・・・
自分が私生活上の非行しちゃった場合を考えると確かに・・・


「それとこれは別やねん!」「会社関係ないやろー!」と言うのかな笑
(ここは法律を味方につけて、保身保身と政治家みたいに・・orz)



実際に私生活で問題を起こしたけど解雇無効となった例では下記のようなものがあります。

・地下鉄会社社員が痴漢行為で逮捕・起訴されたことを理由とする諭旨解雇 (東京メトロ事件 東京地裁 H27.12.25判決)

・タクシー運転手が業務外での飲酒運転をしたことによる懲戒解雇
(相互タクシー事件 東京高裁S59.6.20判決)

・飲酒運転による業務上過失致死罪で執行猶予を受けたことによる普通解雇
 (住友セメント事件 福岡地裁 S48.3.29判決)

業務外とはいえ、飲酒運転(これだけでも違法)して、さらに人まで死傷させる人間が明日から普通に出勤してると考えると・・

甘すぎるようにも思いますが・・・
ここはどうやっても法律と感情論との違いなんでしょうね。

ただし、あくまで相当昔の判例で、飲酒運転が今のように厳罰化されていない時代でしたので現代にすべて当てはまるとも正直思えないですがね・・・

実際に私生活上の非行でも懲戒処分、解雇が有効となっているケースももちろんありますので、ケースバイケース・・・となってしまいそうです。

違法薬物使用


この違法薬物使用ですが、芸能人含めて一般社会にまで日に日に染まってきてますよね。

平成31年3月警察庁組織犯罪対策部の公表資料「平成30年における組織犯罪の情勢」によれば、いわゆる違法薬物(覚醒剤、大麻、コカイン、ヘロイン、麻薬など)の検挙人数は約14,000人となっていますね。

そのうち、暴力団関係や外国人が半数を占めているとはいえ、実質的にはこれ以上の者が違法薬物を使用していると思われます。


実際に会社内で違法薬物使用・所持者がいたら、どうなるか・・・


→逮捕される可能性がある

→取引先や外部機関への信用が毀損される(企業規模にもよる)

→社内的な扱いや今後の処遇に影響する

→他の従業員への影響がある


こんなところでしょうかね。。。


とはいえ、先述したとおり薬物使用も「私生活上の非行」という範疇に入ってしまうのだと思います。


対応方法


とはいえ「何もせずに見過ごす」は、違いますよね?!


会社の就業規則や各種規程に則り、最終的には過去の使用歴、職務上の地位(管理職 or 一般)、業務への影響度合いなどを諸々勘案して、処分などを検討することになります。

のように・・・


「ケースバイケースの先生」で終わりたくないんですよー自分!( ゚Д゚)



なので少し攻めてみましょう!( `ー´)
(ここから先はあくまでも1つの考え方として捉えてください)


確かに過去の一部の事案では解雇は無効だのなんだのって、すごいくだらない戦いをして噛みついてくる輩もいますけど・・・

そんなものは、本当に極一部の稀なケース。

そもそも、100人従業員いて、本気で会社と裁判起こして戦う人、何人いると思います?


多分1-2人・・・(勝手に推測)


正直これだけの事やって「タダじゃ済むと思うなよ」というのが人。

違法薬物やってる人間を社内に野放しにしておきますか?



「ちょ、ちょ、待てよ!」・・・・ですよね。



懲戒解雇でもいいのですが、あとあと面倒になる可能性も一応考慮して・・


「重めの懲戒処分」と「普通解雇」の両方をチラつかせつつ・・・


「自主的に退職をしてもらうように交渉」
をするのがよいでしょうね。
だいたいこの手の提案には「普通」の感覚を持っている者なら応じます。

即時で退職届を書いて、去ってもらうなら、会社からの処分等は一切しないという好条件を引き換えにしておけば、賞罰に当たらないまま本人は次の転職活動できるのですから・・・。

それに対して・・・

「会社は黙認するのですか?」「見て見ぬふりですか?」

とかきたら・・・こう返しましょう。


業務と私生活は別モノですから」


私生活上の非行について、会社が処分NGっていうなら・・・
会社が私生活上の非行に関与しないこともスジが通りますよね?
(目には目を、歯には歯を、理屈には理屈を)



あと、退職届についても、念のため2つ取っておきましょう。


1つは・・・


「一身上の都合によるもの」(→いわゆる普通のものです)


そしてもう1つは・・・・


「薬物使用・所持の具体を書かせ、認めたうえで自主退職をするもの」


仮にですが・・・

退職後「不当解雇だ!」とか言ってくるものなら、2つめの書類を盾に警察でもなんでも突き出せばいいだけのお話ですよね?

そもそも、寛大な処置をしてあげてるのは会社ですから。。

2つめの書類は言わば「人質」みたいなもの。

退職に応じて一定期間何もない場合は、そっと人事のブラックボックス内に永久保管しててあげましょう。。(→ここは優しさ)



事を荒立てて、いちいち裁判にもつれ込むほど会社は暇じゃないし・・

高い弁護士費用かけたり、かけさせたり・・・時間の無駄。



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は、さすがに無理かもしれないけど・・・


何もなかったかのように、時を進めていくのも人事の役割ですから・・・。

手を汚さずに身を引いてもらうのも、人事の役割ですから・・・。



まぁ・・・





「それでも 彼は ヤッている」んですけどね!( ゚Д゚)( ゚Д゚)( ゚Д゚)






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