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ゲーム業界で10年以上活躍するプランナーの心得

こんにちは!ScopeNext広報担当の中川です。
今週はエンタメソリューション事業本部所属ゲーム業界歴10年以上のプランナー松尾さんにインタビューを行いました!
ゲーム業界で活躍し続けるには何が大切かたくさんお話してくださっていますので、ぜひご覧ください!

顔出しはお恥ずかしいとのことだったので後ろ姿を撮らせていただきました!

松尾さんの自己紹介をお願いいたします!

大阪の大学に通っていて西洋史学を研究していました。
大学院に進学し、メディアアート系の研究を行っており、Flashでゲームや動画を制作したり、方針を変えてチップチューン等の音楽文化もリサーチして研究していました。
その後大阪にあるコンシューマーゲームの開発会社に拾っていただき、そこからゲーム業界の仕事が始まりました。

大学では全く違う分野を研究されていたんですね!
最初のお仕事はどのような業務を行っていましたか?

最初に入社した会社での仕事は、空いてるPCにLinuxを入れて勉強しろっていうものでしたね。
mixiアプリのプラットフォームがあったので、Flashが使える人間とサーバーサイドの人間が必要だったみたいです。
mixiアプリのリリースといった新規事業開発、その他にも当時から賑わい出していたスマートフォンの、特にアンドロイドのアプリ開発を行っていました。

mixiアプリということは、ゲーム業界のご経歴が長いんですね…!

そうですね、間が空いたりはあるのですが、業界歴自体は長いと思います。
大阪の会社の後は、実家のある埼玉に戻ってきて別のゲーム会社に就職しました。
一時期はサーバーサイドエンジニアとして業務とかもしていたんですけど、
やっぱり開発側に回りたいと思い、雇用形態問わず色々転々としていました。
基本的にはプランナーとしてゲームデザインやその他開発業務を行っています。
業界もブラウザアプリからパチンコパチスロ系などゲーム・エンタメをメインに就業していました。

エンジニアとしても業務されていたんですね!
プランナーの道を選んだキッカケはあるのでしょうか?

サーバーサイドのデータベースを叩くバックエンドの保守の仕事をしていて、この情報が欲しいと言われたときに、
じゃあどういう風にデータベースを叩いて引っ張り出すか、定例的なバッチ処理でアクセスログを拾ってくるといった業務を行っていました。
バッチ処理の簡略化を行う際に、物足りなさを感じてしまったんですよね。もちろん大切な業務ではあるのですが、クリエイティビティを活かせる開発業務をしたくなったのが理由ですね。

ゲームを作りたい思いが強かったんですね!
現在の業務はどんなことをされていますか?

クライアントから実装したい内容を聞き、その要件に沿って細かくどういう画面構成にするか自分で考えて仕様を切っています。
エンジニアやデザイナーに共有した上で、その仕様通りに上がってきたかどうか確認したり、今はクローズドβに向けて動作検証のテストだったり
あとは2つ前の案件であったローカライズ対応の経験を活かしつつローカライズまわりのサポートも行っています。

業務をしていて大変だったことや苦戦していることはありますか?

先ほど話したローカライズの話ですね。
最初の時点でローカライズのことを考えられていない実装をされていて、エンジニアの方と協力しながらUnreal Engine(UE)のエディタの機能を使用してローカライズ対応を行い、確認しています。
僕自身もUEを使った仕事を何回かやっていて自分で直接触ったこともあるので、業務内容によっては自分でUEエディタ開いて叩いて編集したりします。

ローカライズしづらい構成になっているのは
どういう時にわかるのでしょう?

ローカライズの仕組みがUEだとキーというものがあって、番号として考えてもらえると分かりやすいです。
例えると、「001」に対して日本語だと「こんにちは」英語だと「Hello」に紐付けるのですが、その表示をしたいところに「001」のキーを埋め込まなければいけないんです。
キーを埋め込まなきゃいけない部分に日本語入力で「こんにちわ」と埋め込まれていると実装ができないんです。
それをローカライズ用に「001」のキーに入れ替えなければいけなくて、その対応が考慮されてない実装が多かったのが原因ですね。
今はエンジニアの方と協力しながら対応しているところです。

リリース前の開発中だと思いますが、
その機能は既に実装されてしまっていたんですか?

ローカライズがその後されるという意識があまり共有されていなかったんですよね。
「そのうちローカライズの対応が必要になりますよ」とあらかじめ伝えてはいたのですが、機能の実装を最優先にしてしまっていました。
後々になればなるほど対応しなければならない文言が増えていくので、本来であれば事前に考慮した上で開発したいところではあるのですが、
そんなことも言ってられずとりあえず機能が最優先で実装されます。ローカライズは後々の作業になりがちなんですよね。
いつからローカライズの対応を進めたらいいのかの判断がとても難しいです。

ゲーム業界を志したキッカケはありますか?

最初はあまり考えていなく、ぼんやりとそういった仕事に携われるチャンスがあれば良いなぁと思っていたところに一番最初の会社に拾ってもらえたのがキッカケですね。
大学に通っている最中も、もしいけたら良いなと思っていた程度だったので、運が良かったと言えるかもしれませんね。
幼い頃からゲームが好きで、RPGやアクションゲームをしょっちゅうやっていたんですけどゲームのバグとかを見つけると、仕組み的にはこういう仕組みで起きているんじゃないか?と当時から意識していたことがあったんですよね。
エンジニア的な開発側の視点と、ユーザーサイド側の視点、両方を見られるようになったかと思います。

最初に入社した会社が松尾さんにとって
ゲーム業界への道の始まりだったんですね!

そうですね。その会社ではmixiアプリを開発したり、Linuxという黒い画面とかサーバーサイドで動かすためのプログラムを自分で作れるようになるためにプログラミングの勉強とかもしていましたね。本格的に勉強し始めたのは入社してからです。
そのおかげでエンジニア目線でももっと強くみられるようになり、自分で必要なプログラムやスクリプトがあれば組める程度の能力を持てました。
あとはユーザーサポートとか、そういった基礎的な部分を叩き込まれましたね。言ってしまえば器用貧乏みたいな感じなんですけど笑

全体的に満遍なく業務が出来るのはプランナーとしても欠かせない能力だと思いますし、とても素晴らしいことですよね!

ただ一つ難点がありまして、器用貧乏タイプはどれもそつなくこなせますが、レーダーチャートで例えると同じ器用貧乏でも少しでも周り全体が大きい人には能力面で負けてしまうんですよね。それが少しつらいところです。
レーダーチャートに対して、どこか1箇所でも尖っているスペシャリストにはどうしても勝てなくなってしまうので、中々難しいところではありますね。

レーダーチャートで言う松尾さんの得意な部分はありますか?

テキストとか文言関係であったり、自分が丸々1本書いたシナリオのゲームがリリースされたこともあるので、その部分が少し伸びてるかもしれませんね。絶対値でどれくらいチャートが大きいかは分からないですが。
エンジニアやデザイン、デバッグも専任の方はいますけど、それ以外の仕事はほぼ全てプランナーがやる、と言われるくらい、職務の幅がとても広いんですよね。
そんな中、以前の会社でエンジニアの方に「君のバグ報告はとても分かりやすくて助かる」と言われたときはすごく嬉しかったです。的確に必要な情報をまとめて伝えることができていたのかもしれません。

専任の職種の方から感謝の言葉をいただけるのは
とても嬉しいことですよね!
入社して驚いたことはありますか?

入社時点ではフルリモートでチャットベースでの会話がほとんどだったので、元々別の会社でChatworkやSlackを使用してやってはいたのですが、それでも円滑に業務が進むように皆さん工夫されてたりフランクなチャットの使い方されてたりするのが驚きましたね。
現在は月曜日と木曜日に週2回ほど出社しています。

プランナーさんだとリモートワークは大変じゃないですか?

向いてるか向いてないかに関しては、完全に人によりますね。
直接、端末を見せてここはどうなっているとか相談するときは出社の方が楽なときもあれば、リモートで周りを気にせず仕事に集中したりメリハリをつけてやれることもあります。
自分は正直どっちでもいけるんですけど、個人的にはリモートの方が会社で借りてるPCのスペックが高いので効率は良いかもしれません。笑
フルリモートの際に借りたものなんですけど、ディスプレイは自宅でトリプル仕様に出来るので快適ですね。

働く上で大事にしていることはありますか?

相手の立場を想像できるようなことが大切かなと思いました。
エンジニアだったらエンジニアなりの見方がありますし、デザイナーだったらデザイナーなりの見方がありますよね。
そういったところに少しでも近づけるように自分でもプログラミングの勉強してみたり、最近では3Dモデルの勉強もしてみたりしています。
相手なりの考え方を想像できるようにして、その上でコミュニケーションをとっていくのがとても大事なことですね。
その上で提案をしたときに、こうした方がもっといいよって言われて素直に尊敬できるかどうかがものすごく大きいと思います。

プライベートでの過ごし方はどうしていますか?

色んな本を読んだりアニメや漫画、映画を見たりが多いですね。なぜか小説はあんまり読まなくて、漫画であったり哲学書とか技術書をよく読みます。
アニメや漫画のジャンルは幅広いんですが、ガンダムシリーズなんかが好きで、その他は青年漫画とかをよく見ますね。アニメや漫画は昔から今でも現在進行形で好きです。
基本的にはインドア派ですが、外出するときは買い物に行ったりとか、ほかにも機械いじりやガジェットが好きなので自作のプログラムの改造とかします。
技術書はプログラミングやガジェット系を読むことが多いですね。

松尾さんご自宅の本棚 これは一部分で他にも数十倍ほどの数があるそうです…!

今後の目標はありますか?

今いる事業部がエンタメなので中々難しいとは思いますが、やれるんであれば目標としては自分で1本書いたシナリオのゲームをリリースまで持ち込みたいです。
仕事に限らずプライベートでもシナリオ書いてゲーム作りたいと思いますし、やっぱりゲーム作りが大好きなのでチャンスがあればぜひ挑戦したいですね。

入社する人にどのようなスキルを求めていますか?

先ほど話したレーダーチャートで言うと、色んな分野の基礎を幅広く持った上で、自分ならここは負けないぞという特化した尖ったものを持っている人だと良いですね。
専門特化している人には器用貧乏な人は太刀打ちできないけど、何か一つでも得意分野のある人達が集まれば、全体的なチャートが大きくなるので。自分の武器となる能力とその魅力を伝えられれば良いのではと思います。

最後に、これから会社に応募を考えている方ヘ一言お願いします!

ScopeNextの、特にエンタメ事業部は受託案件メインでやっていて、色んな現場とかクライアントの作法や流儀を幅広く学んでいける場所だと思います。
そういった知見は色んな現場を転々として見てきた体験から、絶対に無駄にならないと言えるので安心してほしいですね。
使うツールも違えばデータの提出の仕方も現場によって全然違うので、抵抗なく受け入れられてすぐ吸収できる人だと良いです。

あとは、自分が知らない分野を怖がらないでほしいですね。
全然違う職種の人が担当している技術であっても、怖がらずに自分から積極的に飛び込んで行くぐらいの姿勢がある人の方が伸びていきますし、プランナーだけに限らずゲームを作る人であれば全員そうだと思います。

エンタメとかゲーム開発の現場って10年前とか5年前に当たり前だった文法というのがあっという間に古くなってしまうんですよね。
自分でも新しいものはハングリーに摂取していかないといけないなと思うことが多々あります。
時間に追われると新しいゲームは中々手が出しづらいですが、いざ触れてみることで今こんなにシステムが洗練されて便利になっているんだとか、まだここはかゆいところに手が届いてないな、という気づきがあります。
時々古いゲームに立ち帰って、この頃はまだこの辺不親切だな、この部分は昔からよくできていたのか! と俯瞰的に幅広く物事が見られると良いですね。

ありがとうございました!
松尾さんの様々なご経歴や、ゲーム業界に対する熱い思いを
お伺いすることが出来ましたね。

ー最後にー
ScopeNextでは採用を強化しています。
この記事を読んで楽しそう、興味が湧いたと感じた方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度お話を聞きにきてください!
皆様とお会いできることを心から楽しみにしております。