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脳と人工知能を繋いだら:脳インプラント企業ニューラリンクの進捗

「電極を脳に沈め、チップを使用して頭蓋骨の外側のコンピュータと通信する」という構想が着々と実現化している。そんな中で、ニューラリンクの進捗発表が10/31に行われると、イーロン・マスクのTwitterが8月22日に示唆した。

イーロン・マスク氏が2016年に立ち上げたニューラリンクはタッチスクリーン、キーボード、さらには音声アシスタントなどの従来の低速な入力デバイスから、人間が脳を介してコンピュータと直接対話できるようにする埋め込み型デバイスを作成することを目指している。

ニューラリンクは人工知能(AI)の進歩に人類がついていけるように支援するための手段として同プロジェクトをプロモートしていたが、最近では、障害を持つ人々が機能を取り戻せるように支援するデバイスを開発することに焦点を絞っている。

そのイーロン・マスク氏が米国時間8月22日、自身が創設した脳とコンピューターをつなぐ技術を開発する企業ニューラリンクの「最新進捗状況の実演および発表会」を、10月31日に開催するとツイートした。


Neuralinkのブレイン・マシン・インターフェース(BMI)では、脳に電極を埋め込み、チップを使って外部のコンピューターと通信する        提供:Stephen Shankland/CNET


このツイートは、同社の進捗の遅さにマスク氏が不満を募らせているとした、Reutersの19日の記事を受けたものらしい。同記事では、マスク氏がニューヨークのブルックリンを拠点とするシンクロンに出資の可能性を打診したとも伝えている。

2022年8月22日、エリック・マックというテクノロジー・ジャーナリストがCNETに発表した記事によると、シンクロンは、ニューラリンクに先立ち、米国で初めて、人間の脳にチップを埋め込んでコンピューターを操作することに成功し、大きなマイルストーンを越えた。

その最初のデバイス「Stentrode」は、麻痺のある患者が思考だけでデジタル機器をワイヤレス操作できるようにするものだ。シンクロンは先月、米国の患者に初めてデバイスを埋め込むことで、ヒト試験のFDA認可を受け、オーストラリアの4人での研究を完了した。

しかしながらこの技術はマスク氏が2021年において、ニューラリンクの2022年の達成目標としていたものだ。ニューラリンクの2020年と2021年のデモでは、それぞれ豚と猿に同技術を埋め込んだ様子を披露している。

このような、脳とAIの融合のプロジェクトは日本でも行われている。


「池谷脳AI融合プロジェクト」という大規模プロジェクトでは、「人工知能を用いて脳の新たな能力を開拓し、脳にはどれほどの潜在能力が秘められているのかを見極めること」を研究している。

昨年出版された『脳と人工知能をつないだら、人間の能力はどこまで拡張できるのか 脳AI融合の最前線』という本には池谷脳AI融合プロジェクトの内容が説明されている。

具体的には、「脳とコンピューターチップの融合」や「脳と脳の融合」など。この本では進行中の研究内容を紹介している。

池谷脳AI融合プロジェクトのイメージ:『脳と人工知能をつないだら、人間の能力はどこまで拡張できるのか 脳AI融合の最前線』より引用

『脳と人工知能をつないだら、人間の能力はどこまで拡張できるのか 脳AI融合の最前線』

以下の紺野大地氏のnoteを読んでみて欲しい。

これまでSF映画でしか起こらなかったことが、実現化されようとしているのだと思うと、心が高鳴る思いだ。この10月、どんな発表がされるのか楽しみだ。


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