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【2023年5・6月号(番外編)】個人的ベストムービーメモ(はじまりのうた、きっと、うまくいく)

今月は、これまで1200本近く映画を鑑賞した筆者が選ぶ「個人的ベストムービー」に関する記事を書きます。

ベストムービーの定義は、あまり論理的ではありませんが、「あと10本しか映画を観れないと言われたら、何を選ぶか?」という問いに答える、非常に直感的なランキングです。

勿論、脚本軸、役者軸、撮影軸、音響軸など幾つかの軸をつくって、総合点を出すことでランキングを付けることも可能です。

しかし、そのプロセスで選ばれた作品が必ずしも「あと10本しか映画を観れないと言われたら、何を選ぶか?」に該当するとは限りません。

ベースには作品としてのクオリティが一定担保された上で、あとは僕の感性による直感があったり、その作品に対する思い出なども含まれますからね。

今日は3作品のみに言及しますが、今年中に10作品を語れると良いなと思います。

【1】 はじまりのうた(2013)


2023年6月時点で、個人的堂々の1位です。僕は、映画は「娯楽(エンターテインメント)」であり、人間の様々な感覚に訴えかける「総合芸術(アート)」だと捉えています。この作品は、鑑賞後に少し幸せな気持ちになったり、人々の小さな一歩を後押しするような、優しい力を秘めています。また、舞台はニューヨークで、都会はその空虚さや人の繋がりの薄さが頻繁に指摘されるけれど、よくよく見れば1人1人が自分の夢に向かって進んだり、試行錯誤していて、それはそれで美しいじゃん、と思ったりもするわけです。あとは、作品中の音楽を通したコラボレーションの即興感が好きで、特に『Tell Me If You Wanna Go Home』の演奏シーンは至高ですよね。勿論人に迷惑をかけることは避けるべきだけれど、もっと日本も個々の表現がもっと自由にアウトプットされていいのにな、と思います。数年前、インドネシアのレストラン&バーで、演者と客がゲリラ的に一緒に演奏した経験があり、今でもその時の記憶は鮮明に残っているし、そのようなロックな世界の一面に惹かれます。この映画を観ると、懐かしさをどこか感じるんですよね。


【2】 きっと、うまくいく(2009)


僕が多くの映画を観ていることもあり、よく「おすすめの映画を教えて」と聞かれます。人によって推薦する作品は変えていますが、かなりの頻度で僕はこの作品を紹介しています。特に、学生から上記のリクエストがあった時は、この作品でほぼ決まりです。僕の趣味は「学び(敢えて、「勉強」ではないことを強調します)」ですが、学び自体が楽しいと感じたきっかけはこの作品です。なので、僕の人生に大きく影響した作品とも言えます。あとは、耳タコかもしれませんが、「他人軸」の生き方から自分を解放することの大切さも教えてくれます。自分も含めて多くの人は、旧来の成績重視、既存の軸・枠の中の評価が価値基準のベースになっていて、どうすれば他者に認められるか、という思考に傾きます。しかし、自戒を込めて、やはり成功するか否かが目的ではなく、実現したいビジョンを追及することで、成功は後から付いてくることが分かります。スーパーランチョー!


【3】 ハクソー・リッジ(2016)


何というか、僕はこの作品を通して「愛」を感じます。この世の中に、自分の信条や信仰に従って生きる人がどの程度存在するかは分かりませんが、少なくとも「愛」を中心にした生き方がどれくらい美しいものなのかがよく分かる作品だと思います。更に、彼の愛は他者に依存するものではなく、自分から溢れ出て、「他者に与える」ものであることにも惹かれます。「愛」なんて綺麗事だ、と思う方もいるかもしれませんが、一回きりのこの世の人生において、僕はその生き方を見習いたいと、観るたびに思わされる作品です。恋人ドロシーとの関係性からも、学ぶことが沢山あります。人間は「どうなりたいか」、という未来のビジョンに関してはある程度思考を巡らすことがあるかもしれません。一方、「どうありたいか」ということに関して、どの程度考えることができているでしょうか。


その他鑑賞映画

【1】ONCE ダブリンの街角で(2007)
【2】ボーン・コレクター(1999)
【3】フォーリング・ダウン(1993)
【4】ジョンQ -最後の決断-(2002)
【5】サヨナライツカ(2009)
【6】交渉人(1998)
【7】花様年華(2000)
【8】完全なる報復(2009)
【9】猿楽町で会いましょう(2019)
【10】チワワちゃん(2018)
【11】SNS-少女たちの10日間-(2020)
【12】ザ・ハント(2020)
【13】アンテベラム(2020)
【14】マーシュランド(2014)
【15】ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023)
【16】ワイルド・スピード/ファイヤーブースト(2023)
【17】キューブ ゼロ(2004)
【18】うみべの女の子(2021)
【19】恋する惑星(1994)
【20】恋は光(2022)⇒今月第1位
【21】ちょっと思い出しただけ
【22】パーム・スプリングス(2020)
【23】余命10年(2022)

*2023年3・4月号の記事(チェックお願いします!)


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