【教職員対象アンケート結果】校内研究・研修の現状と課題
見出し画像

【教職員対象アンケート結果】校内研究・研修の現状と課題

メガホン by School Voice Project

児童生徒の実態を踏まえ、教職員が共同で取り組む「校内研究」。その必要性や意義が語られる一方で、ポジティブな学びの場になっていないとの声もあります。校内研究について、教職員の方の実感や意見を聞きました。

アンケートの概要

School Voice Project では、WEBアンケートサイト「フキダシ」に登録する教職員の方を対象に、校内研究・研修の現状と課題についてアンケートを取りました。

WEBアンケートサイト「フキダシ」は、現在ユーザー登録を受け付けています。教員の方だけではなく、事務職員や用務員、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、ICT支援員の方など、学校現場で働く様々な立場・職種の方が対象です。ぜひご登録ください。

↓ ユーザー登録をする ↓

■対象:全国の小〜高校年齢の児童生徒が通う一条校に勤務する教職員
■実施期間:2022年4月3日(日)〜2022年4月24日(日)
■実施方法:インターネット調査
■回答数:26件

アンケート結果

※自由記述の設問は、全回答の中から抜粋して掲載しています。

【設問1】
学校内でテーマを一つ決めて、年間を通して研究をする「校内研究」についてお聞きします。2021年度、あなたの勤務校では、どのような教科やテーマを研究していましたか。

< 主体的・対話的な深い学びに関する内容 >

仲間とかかわり、「分かった、できた」を実感する授業づくり【小学校・教員】

ICTを活用して対話的・主体的で深い学びをする方法【小学校/義務教育学校・教員】

「学びに向かう力」を高める授業づくり【中学校・教員】

< 教科に関する内容 >

国語 「伝えあい」3年計画【小学校・教員】

県のスタンダードと呼ばれる授業スタイルを基本に、みんな活躍授業という授業展開を推奨。教科は自由と言いつつ、やはり算数中心となる。【小学校・教員】

毎年、輪番制で教科の校内研究授業がある。【中学校・教員】

< その他 >

情報活用能力を育成するカリキュラムづくり【小学校・教員】

ICT教育という名目でChromebookや Googleclassroom、スクールタクト、eライブラリの使い方研修【小学校・教員】

わかりやすい授業を目指した指導・支援方法に関する研究~子どもたちの『わかる・できる』を支えるために~【特別支援学校・教員】

【設問2】

<その他を選択した方の主な回答>

職員同士の対話の機会をもつことができた。【小学校・教員】

授業力・指導力・ICT活用を若手の先生に少しだけ伝えられた。【小学校/義務教育学校・教員】

「知識・見識がアップデートされた」を選択した方は全体の約半数で最も多く、「授業力・指導力が向上した」「児童生徒への理解が進んだ」を選択した方は全体の2割以下でした。男女別に見ると、「悩みを共有できた」と感じている方は女性に多く、「教室掲示や教材づくりなど、指導のアイデアが増えた」と感じている方は男性に多いことがわかりました。

【設問3】

<その他を選択した方の主な回答>

教員の主体性が育たない【小学校・教員】

発表ごとなどが関係すると、管理職が見栄えを気にして形だけの研修となったり、ある特定の人にだけ負担がいくような形の研修となったりして、一人一人の学びにならない。【小学校・教員】

小学部・中学部・高等部の学部間調整【特別支援学校・教員】

全体の約7割の方が「授業者の準備負担が大きい」「勤務時間内に研究・準備が終わらない」を選択しました。女性よりも男性の方が、「助言や批判が苦しい・傷つく」「児童生徒のよい学びや成長に寄与しているように感じられない」と感じている方が多いことがわかりました。

【設問4】

「とてもそう思う」「まあそう思う」を選択した方の主な意見

< 自分自身の学びに繋がった >

様々な教科や立場の人から意見をもらえるのでありがたい。【中学校・教員】

< 教職員間でのチームワークの向上に繋がった >

「とてもそう思う」ことができた1年であった。それは方法や内容ではなく、職員全員が前向きに授業研究や校内研修に取り組んでいたから、ということが大きいと思う。授業研究だけに注力できない仕事量をそれぞれが抱えながらも、「まだ、指導案ができてないよ~」とか、「まあ、なんとかなりますよ。」など、互いに気軽にフォローし合って取り組みそれぞれの納得できる授業研究ができ、そのことが互いを励ますことにつながっていたように感じる。管理職のかかわり方、同僚性、仕事量など、「校内研究」の一つ外の環境によって、その満足度はずいぶん変わるのだなと思った。「校内研究」そのものの課題もあることと思うが、やはり学校というシステム全体とのかかわりにおける課題もありそうだ。2つの視点に課題を切り分けて考えてみることも大切だとあらためて気付くことができた。【小学校・教員】

本校では教員からの提案があって、まずは研究授業の前にできるだけ多くの教職員がかかわり、事前に指導案の検証や模擬授業を行ってから研究授業を行うようにしました。たくさんの教員で指導案づくりにかかわったあとの研究授業だったので、どうしても授業者への助言がときに批判のようになりがちな研究協議も、「みんなでかかわってつくった指導案をみんなで再検討する」という形になり、授業者の負担も軽くなり、教員全体で考えることができたのではないかな、と思っています。【中学校・教員】

以前は内容が研修として意味をなしていなかったのでそうは思わなかったがニーズを確かめて必要なものを導入している。また研修という時間を取らないと学ばない、学び方がわからない教員も少なくない。そしてその場を作ることで1番大切なチームワークの向上の図れると感じているため必要と思う。【高等学校・教員】

< 校内研究・研修と働き方改革の両方を重視する必要がある >

私は主任なのでそう思いながら学び続けていますし、そうなるようにしたいとも思っています。この学びの場が、各個人のスキルだけでなく、子ども観や指導観を見直す大切な場であるべきだと思っています。しかしながら現実は非常に厳しく、学びたいと思いながらも日々の業務に追われ、熟考する物理的な時間と心の余裕がないのが現状です。それでも管理職は研修はどんなに大変でも教師なのだからやるものだ、という考えがまかり通っています。自己研鑽は根性論ではなく、働き方改革と両輪でなければならないと強く思っており、主任として提案する際に力をかける部分とかけない部分を明確にしなければならないと思います。研修がよりよい充実したものになる可能性があるのは、教師自身も、人として尊重された働き方をしている学校だと感じています。【小学校・教員】

「あまりそう思わない」「全くそう思わない」を選択した方の主な意見

< 校内研究・研修の位置付けに違和感がある >

主体的な学びではなく、形だけの研究なので。一人ひとりの声がいかされない。【小学校・教員】

特別支援学級でも指定された教科で研究しろと言われることが多くあり、子ども達に本当に必要な力のための研究ではないと感じることがある。特別支援学級は、支援級の実態に応じて教科を選び、子ども達にとって必要な研究をやらせて欲しい。見た目、形だけそろえるような研究は意味がなく、時間も無駄だと感じている。【小学校・教員】

以前務めた学校では「校内研究は若手がやるもの」「私達はアドバイスや相談を受ける」「チームとして頑張りましょう」と言われました。小言程度の口を挟む関わりしかしてもらえなかったにも関わらず、授業後の検討会では「チームとしての頑張り」を、大きく取り上げられており、違和感しかありませんでした。個人研究なら、法定研修で行っているのでただ負担が増えただけでした。別の学校では1人1テーマや、1授業となっていたので、全体での情報交換が盛んに行われていて、とても良かったと感じています。【小学校・教員】

本来研究は自分自身をより良く高めるもので、やって楽しい、充実感のあるものだと思うのです。それぞれ課題や知りたいことが違うから、その学校として特に意思統一しておきたいベースの部分の共有を研究の核にしておけば、あとは自由度が多い方が楽しい研究になるんじゃないかと個人的には思っています。が実際には、上から降りて来たような細かなHow to を持ってきて、みんなで揃えましょうみたいなことをしてしまうから、やる気がそがれてしまうのです。それならそれで、なぜそれを校内研究にするのか、それにはどのような意味があるのか、それは子どもの育ちのどの部分を後押しするのか、じっくり職員で共通理解しなければならないと思います。ああじゃないか、こうじゃないかとみんなで語り合う研究が一番心に残るし、学びになります。【小学校・教員】

< 次に繋がる校内研究・研修になっていない >

学校全体の研究だが、教育課程が個別に違う支援学級の児童を含んだ想定の指導案にはなりにくく、授業も1時間を見てもらう方法しか取れず前後(特に本時の後の授業)に繋げるのが難しいシステムだなと思う。【小学校・教員】

< 日々の業務が忙しく、よい学びに繋げる余裕がない >

校内研究が教職員にとってよい学びの機会になるためには、心理的安全が必要ですが、毎年そこまで辿り着くことも難しいのが現実です。理由は日々の忙しさにあります。毎日ひたすら授業をして、会議をして、授業準備をして、家に帰るということの連続で、他の先生たちと授業のことを詳しく話す機会はほとんどありません。そんな状況でお互いの授業を見合っても、当たり障りのないことを言うか、あるいは厳しい批判だけで終わってしまうか、どちらかでしかありません。先生ひとりひとりによって考え方が違うように、授業ひとつをとっても本当に千差万別。本来は優劣を決めることよりも、お互いの「ちがい」を知り、そこから学ぶことが大切ですが、そういう学びの場が成立したことは今までの教師人生において一度もありません。自分自身、研究授業は傷つくことばかりで、エンパワーされるようなことは一度もありませんでした。それなら授業研究ではなく、組織開発をテーマとし、外部から人を招いてチームビルディングを行うなどした方がいいのではと思っています。【小学校・教員】

「どちらともいえない」を選択した方の主な意見

< 研修を受ける個人によって、学びに差がある >

良い時もある。しかし、受け取る側がどんな気持ちで受け取るのか。受け取ったものをどのように実践していくか?研究と実践の往還がまだまだ学校の中では少ないと思う。こういった状況が忙しさを理由にされないようにするために、学びのデザインは教職員にも必要だと思う。【小学校・教員】

「とてもそう思う」もしくは「まあそう思う」を選択した方と、「あまりそう思わない」もしくは「全くそう思わない」を選択した方の数はほぼ同数。実際に経験してきた校内研究・研修において、教職員全体で連携しながら前向きに取り組める環境だったのかどうかによって、意見が分かれているようでした。また、教職員自身が必要だと感じる課題に取り組めているかどうかも、校内研修・研究のモチベーションに影響しているようです。

校内研修・研究が児童生徒の実態を踏まえて行われ、まずは教職員自身がその成果を実感できるような内容で実施されることを期待します。

自由記述の回答一覧は、以下よりダウンロードしてご覧ください。

 WEBアンケートサイト「フキダシ」は、現在ユーザー登録を受け付けています。教員の方だけではなく、事務職員や用務員、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、ICT支援員の方など、学校現場で働く様々な立場・職種の方が対象です。

↓ ユーザー登録をする ↓

School Voice Project は、皆さまからの寄付で運営しています。学校現場の声を社会に届け、より良い学校をつくっていくため、ご協力をお願いします。

↓ 活動を支援する ↓



この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
メガホン by School Voice Project
\学校は、もっとよくなる。/ 学校現場の声を「見える化」し、対話の文化をつくる「School Voice Project」の公式アカウントです。